少年誌の限界に挑みつづけたギャグ漫画

 「すごいよ!マサルさん」と同時期に連載して共に主力漫画の無かった頃のジャンプを支え、漫画雑誌トップクラスまでにジャンプのギャグレベルを上げた作品である。さて、この漫画はどこが面白いのか?はっきり言って、ストーリーもキャラクターもそれといって面白いわけではない。マサルさんや稲中のような濃いキャラクターはほとんどいない。(奈良ぐらいのものか?)ましてや、画もそれほど上手くない。この漫画はキャラクターで笑わせるのではなく、ネーム(台詞)が上手いのだ。恐らく、作者の木多さんはテレビや週刊写真誌をよーくチェックしているのではないだろうか?そういうところから拾ってきた芸能人、芸能界ネタをネームに取り入れて面白いものとして読者を笑わせている。

 そして、この漫画がここまでうけた理由、それはあらゆる場面で出てくる<パクリ>である。<パクリ>と言ってもこの場合悪い意味ではない。他の漫画からネタを拾ってきて、それを<幕張>の作品中で使用しているのだ。これが面白いとの同じに感心もさせられる。なぜならば、普通の人ならば気づかないようなマニアックな作品からも引っ張ってきたりしているのだ。(私が驚いたものを幾つか上げると、寄生獣のミギー、カイジのジャンケンカード、ベルセルクのゾッドや使徒、宇宙を漂っているジョジョ第二部の究極生物カーズなどがある。)これはよっぽど研究していなくては描けないだろう。コミックの作者の一言で、木多さん本人はとにかく「休みが欲しい。だるい。」ってなことを書いているが、それは本人が怠け者なのではなくて、ネタ捜しに研究熱心だからではないだろうか?そうでなくては、あそこまでマニアックなネタは描けないだろう。

 それとこの漫画の一番の功績は少年誌の限界に挑みつづけたことではないだろうか?幕張にはとにかく「下ネタ」が多い。「週刊少年誌でここまで書いて本気でやばいんじゃないか?」と思ったことも何度もあった。しかも、「下ネタ」の強烈さは、作者本人が病院に行くほど追い詰められてストレスが溜まり始めた終盤になればなるほど増していき、頻繁に登場してくるようになる。私としては週刊少年誌でよく連載が続けられたものだと思う。ジャンプ側もけっこう顔をしかめながら掲載していたのではないだろうか?実際に後に木多さんは突如週刊少年マガジンで連載を始めた。マガジンは週刊少年誌でもそういった下ネタには寛容な方であるからだろう。だが、私はある意味で週刊少年誌の表現の限界に挑みつづけた幕張の下ネタが大好きであり、無事?連載を終わらせてくれたことを感謝したい。


幕張のデータ

著者 木多 康明
連載期間
掲載雑誌 週刊少年ジャンプ
出版社 集英社
巻数 全7巻

幕張の私の出会い

 まだジャンプを購読していた頃に、次週新連載の広告を見て何となく期待してしまった。そして第一話は期待通りに非常に面白かったのだ。私はあまり新連載の広告を見て期待をする方ではないのだが、(知っている作家の新連載は別。)この時はニュータイプのように直感的に「面白そうだ!!」と感じたのを覚えている。


幕張の中古価格

 100円コーナーで1〜4巻ぐらいはよく見かけることはあるが、それ以降の巻数は100円ではなかなか見つけられないのではないだろうか?全巻1冊100円で集めようとしなければ、結構簡単に集められるはずである。