
えっ!?主人公が青龍じゃねーの?
この漫画はあらゆる要素を詰め込んだエンターテイメントな作品といってもいい。冒険、戦闘、ミステリーがこの作品にぎゅっと詰まっている。舞台は日露戦争直後の中国満州、主人公・龍兵が所属しているのは満州最強の馬賊集団である。今までにありそうでなかった設定。そして、青龍伝説をテーマにしたミステリーがこの話を盛り上げる。その青龍伝説を延々と一週間分かけて老師が解説するシーンが幾つかある。はっきり言ってこれをじっくり読むのはしんどいし面倒だ。だが、これにより青龍伝説を良く知ることが出来る。それと同時にこの漫画は青龍伝説などという非科学的なものをテーマにしているのかと考えてしまう。その気持ちは4巻にシユウや無支鬼、フケイという妖怪にも見える怪物達が登場したことで強くなる。これは単なるファンタジーな漫画なのかと思い込んでしまうのだ。
だが、読み進めていくことによりその思いは払拭されてくる。この青龍伝説に対して現実的かつ科学的なアプローチをするキャラクター(満州鉄道の職員)が現れる。それにより、青龍伝説が恐竜と大きく関わりがあることがわかってくる。無支鬼やフケイがただの非科学的な怪物だと思いきや、恐竜の進化した姿なのだと判明する。私は正直言ってこれには感動した。フケイという怪物の驚異的な能力(眼が無いのに360見渡せる、人間の体の力を奪う怪電波を出す、1tを超えるのに空を飛べる)をすべて科学的に証明しているのだ。もちろん、フケイや無支鬼などいう怪物などがいるわけは無く、非科学的なのだが妙に科学的な部分も多く納得させられてしまう。科学的なことと非科学的なことの割合が絶妙なのである。
今までは良いところを書いてきたが、ちょっと悪い部分も書いておく。まず第一に9巻あたりからストーリーの展開が停滞してしまうところだ。ストーリーは大変良く出来ている。8巻までちょうど良いペースで物語が展開していたのだがフケイが出始めたあたりから一気に進み具合が悪くなる。これはしょうがないといったらそれまでなのだが・・・。次に、これは悪いところと言えるのかどうかわからないが、キャラクターの画がころころ変わるのである。長い間連載している漫画の場合、最初と画が違うのはわかる。だが、青龍の場合3度も画が変わっている。最初は濃ゆい画風で始まり、5,6巻あたりでは結構崩した感じの画風になっている。最近の画風はこの両者の中間的ともいえる。個人的には5,6巻の画風が一番好きなのだが。そして、映画やコミックなどで「主人公はヒーローじゃなくてはいけない」という考えを持った「主人公第一主義者」の方はこの作品はお勧めできない。なぜなら、主人公・青柳龍兵はこの作品のテーマである「青龍」ではないようなのだ。8巻で布石はあったものの、この事実はつい最近判明した。つまり連載5年をかけ、巻数15巻まできて主人公が青龍じゃないことがようやく判明したのである。私もこの事実を知ったとき「えっ!?主人公なのに青龍じゃねーのかよ!?」と思った。今まで引っ張ってきたのは何だったんだー!?だけど、これはいい意味で裏切ってくれたと私は思いたい。ともあれ、4巻以来登場していなかった宿敵であるはずのシユウがようやく登場し、現在ストーリーは大詰めだ。どんな結末が待っているのかわからないが、現実的かつ非科学的なこの物語の結末を早く見届けたい。
青龍のストーリー
日本が絶対不利といわれていた日露戦争に勝利し、列国の仲間入りを果たし、中国大陸進出を虎視眈々と狙っていた時代。東京に青柳龍兵という男がいた。生まれながらにして背中に青龍の刺青があり、人間離れした格闘と射撃の技術を持っているヤクザだ。だがある日、龍兵は徴兵されて満州に行く事となる。そこで出会った良心的な中国人達を助けるために龍兵は自分の上官を射殺し、お尋ね者とされ満州をさ迷う事となってしまう。そんな時に出会ったのが白狼という馬賊の男。白狼の薦めで馬賊に入ることとなった龍兵だが、馬賊の親分になかなか入団を許してもらえない。だが、数々の困難な作戦をことごとくこなしていく龍兵は、国が乱れたときに民を救うと言われている青龍なのではないかと噂されるようになる。あらゆる任務で活躍し、背中に刺青を持ち青龍と噂されるようになった龍兵はなんとか虎丹遊撃隊といわれる馬賊集団に入ることとなる。町の人々からも親愛の意味がこもった「小青龍」というあだ名をつけられ、人気者となった龍兵。とんとん拍子に出世も果たすが、突如満州に謎の怪物達が現れ始める・・・・。
青龍のデータ
| 著者 | 作・木内 一雅 画・八坂 考訓 | ![]() |
| 連載期間 | 1996〜現在も連載中 | |
| 掲載雑誌 | 週刊ヤングマガジン | |
| 出版社 | 講談社 | |
| 巻数 | 現在15巻まで |
青龍の私の出会い
古本屋で見かけた時に衝動的に買ってしまった。
青龍の中古価格
1〜9巻ぐらいまでならブックオフの100円コーナーで買うことが出来る。10巻以降は1冊300円〜350円はする。