…だけど、寂しいから(前編)

 ボクは見守り続ける。
 ただ静かに見守り続ける。
 だって、それがボクの願ったことだから。

 ボクの願い、それは――

 みんなが幸せでいること。
 みんなが楽しそうに笑顔を浮かべていること。
 その様子を、いつまでも見守り続けること。

――いつまでも…いつまでも…ずっと、祐一君とその周りにいるみんなが幸せでいる姿を、見守り続けられますように。

 みんなの騒ぎ声が聞こえる。笑い声が聞こえる。
 みんなが楽しそうに笑顔を浮かべている。

 みんな幸せなんだね。
 …よかった。
 よかったね。

 拒絶して、それに気がつかなくなっていた女の子も
 悲しい奇跡を与えられた女の子も
 悲しい思い出を引きずっていた女の子も
 辛い想いを背負わされた女の子達も

 悲しみを乗り越えて、幸せになれたんだね…

 あれ?
 嬉しいはずなのに…
 どうして?
 どうしてこんなに悲しいんだろうね…
 ……おかしいよね…

 …やっぱり寂しいよ。
 …痛いよ。
 胸が痛いよ。

 みんな楽しそうなのに
 本当に…楽しそうなのに
 その中に入っていくことができないなんて
 ただ見守り続けることしかできないなんて…

 みんなはそれで満足かもしれないけど…
 ボクは悲しいよ…

 ねえ、誰かボクを見て
 ボクに話しかけて

 誰か…

 寂しいよ…