命賭けないかわら版

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10/某日
 インターネットで交流している、横浜市のAさんから、「必殺渡し人」&「新・必殺仕舞人」新番組試写会時の写真&資料(その他)を‥‥愛知県のKさんから、中日劇場での「藤田まこと必殺公演」のパンフレット&舞台資料を頂いた。どちらも、非常な貴重な資料だ。(Aさん、Kさん、本当にありがとうございました。感謝いたします!)
 特に、「渡し人」の試写会の写真は、山内プロデューサーや西崎みどり嬢、それに過去のシリーズを見ながらの歓談風景等も写っているので、何とか音羽屋の「殺した奴をまた殺す」に活かしたいと思っている。


10/9
 今日は、恒例のアニメ情報誌五誌の発売日。
 「AX」の唐沢なをき氏の「裏漉し劇場」では、常々手紙のやりとりをしていて、8月の京都必殺オフにも参加された、京都の必殺ファン・森本千代美さんが、「必殺仕業人」放映直前の特別試写会に行かれた時のエピソード(ステージから藤田まことが「この中に婿養子の方はいらっしゃいませんか?」と呼びかけた)が、彼女の名前と共に載っていた!(森本さん、メジャーデビューおめでとうございます…笑)
 それに加えて、あとがきを読むと、かつて「B−CLUB」で活躍されてた必殺番・松氏は、どうやら「AX」編集部に落ち着かれた様子。ちなみに、音羽屋の某A氏の話によると、京極先生の「塗仏の宴−宴の始末−」に登場した河原崎松蔵巡査のモデルは、この方のようである。

 その京極夏彦先生だが、「アニメージュ」の連載コーナーでは、京極先生の書斎の中が、数多く写真に撮られていた。そして、パソコンの横には「さりげなく」(本文より引用)、必殺同人誌「殺した奴をまた殺す」が!あの表紙は、最新号の第22号だ。


10/8
 昨日の京都新聞夕刊に、現在南座で行われている「大月みやこ特別公演」に出演されてる「仕事人IV〜V」の玉助こと梅津栄さんが、京都市内で自分の書かれた書の「字展」をされてるとの記事が載っていたので、仕事の合間に行ってみた。
 梅津氏は、今まで書かれた作品(額や掛け軸に装丁されている)が展示されている会場の真ん中に座り、訪れた人に気軽に話しかけながら、自分の気の赴くままの「字」を自由闊達に描かれていた。(気の良いおじさんと言った雰囲気で、私も二・三話しかけて貰ったが、何も言えず仕舞い‥‥ああっ!)
 梅津氏の知人や松竹新喜劇の若手俳優(誰が誰やらサッパリ分からん!)の方が何人も来られてたので、私も「必殺をよく見てました。サイン頂けますでしょうか?」‥‥等と言出せず。でも、梅津氏のお顔を間近で拝見出来ただけでも満足でした。
 それと、会場に、どこかで見た事のある女性がいられて、梅津氏と大変親しげに話してられたのですが‥‥後で梅津氏が言われた言葉からすると、「かしまし娘」の正司照江さん!(生で見たのははじめてだった!‥‥変わったような、変わってないような)
 その後、四条烏丸十字屋に立ち寄って、「新・必殺仕置人」のLD−BOX下巻のチラシをGETして帰った。(この下巻については、音羽屋経由で少し情報が入ってきているが、現在のところは「口外法度」!)


10/某日
 私と同じ、京都の必殺ファン・MOTO24さんが開設されてる必殺HPの掲示板で、《見たかった必殺》と言うのが話題になったので、私も興が乗って次々と書き込んだ。(これだけ興が乗ったのは、青龍さんの暗闇掲示板に「必殺仕事人V青龍編」を連続で書き込んで以来だ)それをここにまとめて載せることにする(10月9日、現在までの書き込み分)

《見たかった必殺》
パート1「必殺仕置人III」
 「もしも 『仕事人大集合』の主水の長崎転勤が間違いじゃなかったら」(仕切人風)の設定で;
 江戸に戻って、再び裏稼業を続けて行くおりくや勇次・秀・加代らと名残を惜しみつつ別れた主水は、意気揚々と長崎奉行所へ向かう。主水と時を同じくするかのように長崎へやって来た奉行に対して、着任の挨拶をする主水。
 「私がこの度、江戸の南町奉行所から転任して参りました中村主水と申します。以後、宜しくお見知りおき下さいませ‥‥」
 「おう、おめえが主水さんかい?俺ぁ、奉行の平松忠四郎だ!‥‥どうだい、おめェ、かすて〜らは好きかい?おいらは凧上げも大好きなんだぜ!」
 そう言って、主水の側に寄ってきた忠四郎、他の者たちに聞こえないようにして、 そっと囁く‥‥。
 「おめえの事は、仲間の正八から聞いたぜ‥‥。江戸じゃあ、結構凄腕の殺し屋だったんだってなあ?‥‥だったら、俺と組まねえか?」
 思わず、ギョッとなる主水!ニヤッと笑って、再びタワケ奉行を装う平松忠四郎‥‥。かくして主水は、かつて「闇奉行」として、長崎の悪党共を震え上がらせたタワケ奉行こと平松忠四郎と組み、長崎においても裏稼業を続けて行く羽目となる‥‥。

【レギュラー】
  ◎闇奉行・平松忠四郎 ◎長崎同心・中村主水 ◎モグリの蘭法医・小暮良順
  ◎丸山遊郭の女衒・錠(主水がいるのなら…と、この地に残った)
  ◎錠を兄貴と慕う、遊郭の下働きの正八
 だが、「必殺商売人」の主水と新次たちの間柄の様に、「怒りに任せて、タダで仕事をしたがる忠四郎たち」と「仕置人としての掟を守ろうとする主水たち」は常に仲が悪く、長崎では「出島の三次」と名乗り、江戸では「正八」と名乗って、どちらの人間も良く知っていた正八だけが、両者の間を走り回って、何とか仲良くやっていこうと苦心惨憺する事となる。しかも、嫌がる主水を忠四郎は常に連れ回し、同輩からは「タワケ奉行と昼行灯の名コンビですな!」と囃し立てられる始末だった。

  第一話は、江戸から長崎の最新の医学を勉強しに来ていた留学生の西順之助(笑)が主水たちの殺しを目撃!裏稼業の掟通りに口を塞ごうとする主水に対し、「俺ぁ、悪党だ。間違っても、正義の味方を気取るつもりなんざ、これっぽっちもねえ!だがな‥‥何の罪咎もねえこの坊主を平気で殺せるような、殺しのからくり人形になっちまっちゃあ、もうおめェもお終まいだぜ‥‥」と、主水を相手に回して言う平松忠四郎。
  かくして、忠四郎に間一髪命を救われた順之助は、モグリだが腕の立つ医者・小暮良順を「おじさん!」と慕いながら、蘭学の書物を参考にして、毎回新発明・珍発明を繰り返す事となる。(がが、ほとんどは役に立たずに一回きり!)。題して…「必殺仕置人III」第一話/殺しを見たのは留学生

《見たかった必殺》パート2
「最後の仕置きに向かったのはXXX」(ネタバレになると面白くないので、伏字です)

 精神も肉体も壊滅的なまでに傷つけられながらも、長崎の最新の医療技術によって、何とか人に助けられながら歩くまでに回復した一人の男が、長崎の医療所にいた。(喋る事はまだ出来ない‥‥)
 「良順さん、順之助さん。いつもすいませんねえ‥‥!」
 モグリの医師・良順と医師見習いの順之助の世話を受けながら、その男との間に生まれた愛する息子と共に夫の看病をし、逞しくスリ(笑)をして生きて行く一人の女性‥‥。
 「俺ぁ、あいつの顔見てると、他人事じゃねえ気がするんだ‥‥。すまねえが、二人して、あいつの面倒見てやってくれねえか?」と頼み込む長崎奉行・平松忠四郎。
 ‥‥だが、女はとある悪党の悪謀みの為に、男の目の前で落命!それを目にした男‥‥かつて凄腕の仕置人だった巳代松が、出ない筈の声を振り絞って悲痛に叫ぶ!
 「おてい〜〜〜〜!」

 「‥‥巳代松。おめェ、今度無理したら、一生歩けなくなるかも知れねえ…って、あのヤブ医者に言われた筈だぜ。それでもやるってえのか?」と、巳代松に問い質す主水!
 「ああ‥‥!あいつは…おていは、自分の全てを賭けて、俺をここまでの体にしてくれたんだ‥‥。例え、二度と歩けなくなっても構わねえ!あいつと、あいつが残してくれた俺の子の為に、俺は必ず恨みを晴らしてやる!」

 かくして、遂に甦った巳代松が、順之助の手助けを借りつつ、生涯最後の仕置きに立ち上がる!

《見たかった必殺》パート3
 「闇に潜んだ一つ宿」

 ‥‥豪雨の中、峠を走る二つの人影があった。出張仕事を終えた念仏の鉄と青龍の元締だ。彼らは、度重なる大雨で増水で川が通行不能になっていた為、その近くにあったあばら屋へと転がり込む。だが、そこには既に幾人もの先客があった‥‥。
 市と名乗る、愛想の良い盲目の按摩。不機嫌そうな表情を常に浮かべている浪人。巨大な旗竿物を持った長身の行者。‥‥いつしか、同業と言う事で、酒を酌み交わすようになる鉄と市。そこに一組の若い男女(田原俊彦&遠藤久美子)が、一人の中間と共に駆け込んで来た!
 どうやら、XX藩のお姫様が笛方と共に、意を決しての駆け落ちの真っ最中のようだった。足首を捻挫したお姫様の為に、たったの一文で按摩をしてやる鉄。鉄に頭を下げて感謝の意を表す青年。空が晴れて、川止めが解除されれば、二人で幸せな未来へ旅立てる‥‥その筈だった。
 だが、世継ぎの姫の暗殺を企てていた国家老は、駆け落ちに協力すると見せかけて、人知れず二人を抹殺しようと計画していたのだ!信頼していた中間(菅貫太郎)の裏切りで、しびれ薬を盛られ毒殺される笛方!そして、万が一にも討ち洩らしのないようにと、50人もの侍を引き連れた国家老(金田龍之介)の前で、愛する人の仇を討とうとして惨殺される姫!
 「この恨みを、晴らして下さい‥‥」
 そう言い残して死んでいった女性の為、たった一文の仕置料を手にした鉄が、怒りの炎を吹き上げて立ち上がる!「てめえら‥‥ぶっ殺してやる!」
 「馬鹿者が!貴様ら、たった二人でどうやってわしらを相手にしようと言うのだ!」と、傲慢な笑みを浮かべる国家老。だが‥‥。
 「二人じゃねえ、三人ですよ‥‥」と、言って立ち上がる座頭市!
 「俺は、おまえらの腐った性根が気に食わん‥‥四人だ!」と、椿三十郎! 
 そして、先生が念仏を唱えながらゆっくりと立ち上がる!
 「私が、お前たちを地獄へ送り届けよう‥‥」

 「や、やれっ!‥‥叩き殺せっ!」
 国家老が言葉を発するや、50人もの侍が、鉄たちに向かって一斉に斬りかかった!だが、念仏の鉄と青龍の元締・座頭市・用心棒・先生の前に、50人もの侍と言えど、物の数ではなかった!
 「ば、馬鹿な‥‥!」そう言い残して、鉄に止めを刺される国家老!
 二人の簡単な墓標に手向けの言葉を述べた鉄と元締が、座頭市たちに向かって言う。
 「あんたらにゃあ‥‥これっきり、もう二度と会うこともねえだろうが、達者でな!」
 かくして、鉄、座頭市、用心棒、先生はそれぞれ違った方角へ‥‥己が進み行く修羅の道を歩んで行くのだった‥‥。

《見たくなかった?必殺》パート4
「必殺XXX人」
 ◎レギュラー
   南町奉行所筆頭同心・田中熊五郎
     同  岡っ引き・源吾郎
   男性用化粧品路上販売・広目屋の玉助

 「‥‥ねえ、今度のお仕事。あなたにぜひお手伝いしてほしいんですけど」
   と、ウインクして迫る田中様。
 「俺を仲間扱いするんじゃねえっ!」怒って、田中様を振りきる市松!

《見たかった必殺》パート5
「さらば、念仏の鉄!」

 ‥‥辰三との死闘で致命傷を受け、女郎屋の布団の中で息絶えた‥‥かに見えた鉄。だが、馴染みの女郎が息をしてない鉄に気付くや、すぐさま医師・寺岡玄庵の元へと運び込んだのだ!
 「鉄さん‥‥死ぬんじゃないぞ!」
 玄庵の必死の治療のかいあって、奇跡的に息を吹き返す鉄!だが‥‥。
 「ここは‥‥どこだ?俺ぁ、一体‥‥誰なんだ?」
 短時間にせよ、息をしていなかった為に、鉄の頭からはかなりの記憶が失われたのだ!自分が、かつて「仕置人」だったと言う事も、彼の脳裏からは全て消え失せていた‥‥。
 「玄庵先生、鉄っちゃんの命を救って頂き、本当にありがとうございました」
 彼を引き取りに来る「たちばなや」の下足番・鞍三。かくして、これまでの記憶を失い、体も不自由になった鉄は、「昔なじみ」だと言われた鞍三爺さんと共に、名も無き市井の人間として、何の刺激もない‥‥だが、心休まる日々を送って行く事となる‥‥。

 「‥‥八丁堀!どうして、鉄っあんに会いに行っちゃいけないんだよう!」
 生きていた鉄の元へ、すっ飛んで行こうとする正八を必死で押し止める主水!
 「正八‥‥!おめェ、あいつをもう一度、地獄の真っ直中へ引き戻そうってのか!‥‥いいか。鉄の野郎は死んだんだ!あそこにいる奴は、俺たちとはもう何の関係もねえんだ。それでいいんだよ‥‥それで!」
 鞍三爺さんと共に、子供たちと無邪気に遊んでいる、心安らかな表情の鉄に背を向けた主水が、一人修羅の道を歩んで行く。「さらば、念仏の鉄!」と、心の中で密かに呟きながら‥‥。


9/19
 昨日、熱烈な 必殺ファンでもあるミステリー作家・京極夏彦氏の最新刊「塗仏の宴−宴の始末−」を購入した。5月に出た「塗り仏の宴−宴の支度−」の続編だ。7月発売が9月まで持ち越され、待ちに待ったファンとしては、正に砂漠の中のオアシスの如く読みふける‥‥。何も言うことのない傑作だ!
 だが‥‥ファンというのは贅沢(わがまま?)なもので、どうもすっきりしない読後感を解消する為に、こんな「後日談」風の贋作を考えてみた。(以下、「塗仏の宴−宴の始末−」の一部ネタ割れがありますので、まだ読まれていない方は、注意して下さい!)

塗仏の宴 −宴の後始末−

 XXの自供により、関口巽は警察から解放された。敦子は兄の元へと戻って来た。多くの人々の呪いは解かれた。様々な宗教団体は、次々と解体されて行った。事件の黒幕はいずこかへ姿を消した。かくして「宴」は終わりを告げた。
 だが、全てが終わった訳ではない。この「ゲーム」によって、人生を記憶を操られ、家族の絆を打ち壊され、心に傷を受けた者は数知れず‥‥。そう。たとえ、にぎやかな「宴」は終焉を迎えたとしても、その後始末はまだまだ残っているのだ!
 そして、ここにも一人。この一連の事件によって、最も深い傷を心の奥に刻み込まれた男がいた‥‥。

 「‥‥まあ、鬼の霍乱というやつですかな?ここ暫くの疲れがどっと出たんでしょう。薬を調合しておきましたから、これを日に三度、食前に飲ませてあげて下さい。後は、暖かくして、たっぷりと睡眠を取れば、2〜3日で治るでしょう!」
 「ありがとうございました、先生」
 そう言って、往診に訪れた医者の西順庵先生を見送る千鶴。部屋の中では、中禅寺秋彦が布団の中で眠っていた。全ての者どもから憑き物を落とした京極堂だったが‥‥事件が終焉を見せ始めたと同時に、それまで自分に与え続けられていた凄まじいプレッシャーから解き放たれた反動で、どっと疲れが出て風邪を引いてしまった挙げ句、40度の高熱を発して寝込んでしまったのだ。京極堂も、自分の憑き物だけは落とせなかったのだと言えよう。

 敦子と千鶴が部屋を出た後、薄暗い部屋に中禅寺が一人残された‥‥。高熱で、頭がぼうっとなり、意識がはっきりしない中禅寺に、己の思考か妄想か分からぬ、様々な「声」が聞こえて来た‥‥。
 ‥‥今まで、為して来た「憑き物落とし」は、果たして本当に必要だったのか?
 ‥‥その時には、あらゆる人間的感情を捨て去る事が必要になって来るのか?
 ‥‥彼の人のように、全てに超越した「判定者」でなければならないのか?
 ‥‥そして、「彼」のような「法律」によって裁けない人は見逃すしかないのか?
 ‥‥出来る‥‥出来ない‥‥分かる‥‥分からない‥‥。
  そして、京極堂の内なる声は、いつしか問答の形式を取っていた‥‥。

 “‥‥ならば、お前はXXXXの為した事が正しいというのか?”
 “違う。そうじゃない。彼は‥‥間違っている!だが‥‥”
 “‥‥だが、なんだ?”
 “私には‥‥何も出来ない。彼の為した事を非難する事も、彼を裁きの場へと引き出す事も、それを証明する事も‥‥。なぜなら、それは、私のして来た事でもあるからだ。私さえ我慢すれば‥‥それで、事は済むんだ”
 “それは違うぞ。彼は、自分のした事が、どういう「結果」をもたらすか‥‥全て承知した上で、それを楽しんでいたんだ!だが‥‥君は、XXXと向かい合った時に看破された様に、他人を自分の思うがままに操って、己の目的を遂げようなんて事は、決してしなかった。やり方次第では、完全に破滅へと導く事も出来た、多くの「真犯人たち」も、君は許した。彼らの呪いも解いた。そして、自分の中に受け入れた‥‥。君は、余りにも優し過ぎるんだ!そのくせ、今度の事件じゃ、自分が一番辛い目に合ってる言うのに、自分さえ我慢すればそれで良い…なんて考えて、全部一人で抱え込もうとするんだから‥‥。「探偵」て言うのは神様じゃないんだ、人間なんだ!何から何まで、全部自分一人で片を付けようなんて思うから辛いんだ。もっと、家族を友人を信頼して、時には頼ってみる事も考えたらどうなんだ‥‥?”

 その時初めて中禅寺は、部屋の壁際に腰を降ろしているらしい薄ぼんやりとした人影と自分が会話している事に気が付いた!しかも、不思議な事に自分の体は布団の中で横たわったまま、顔は天井を剥いている筈なのに、壁際に座っている人影が見え、しかも互いに声ならぬ声で喋っているのだ‥‥。
 “僕は‥‥「探偵」じゃない!「探偵」は榎木津の方だっ!”
 “そうそう。そうやって、もっと正直に自分の心の内を喋りゃあ良いのさ!たとえ、 どんなに君が危惧したって、血も涙もない「人形使い」になる事だけはない筈だ。それは、XXXに言われた事で、君自身よ〜っく承知してるんじゃないのか?”

 XXX。様々な意味で、最も京極堂に似通っていた人。真犯人の謀り事を直感的に見抜いたが故に‥‥そして、XXXXXXXXする為に。ただ、その為だけに殺された女性‥‥。京極堂の閉じた瞳から、つうーっと一筋の涙がこぼれ落ち、心の奥底から怒りの炎が沸き上がって来た!
 “それだ!嬉しいなら嬉しい、嫌なら嫌‥‥、笑いたい時には笑う、悲しい時には泣く。そして、腹が立った時にゃあ、正直に怒りゃあ良いんだよ!それが、ごく当たり前の人間てもんなんだ!”
 “だが‥‥私には、「彼」をどうする事も出来ないんだ!”
 京極堂の心の奥底に潜んでいた怒りと哀しみが、千々に乱れて吹き上げて来た!
 “そうだったな。君は、余りにも優し過ぎるんだったな‥‥それが、君の魅力でもあるんだが。だがな‥‥君が出来ない事は、この俺が‥‥。君の影であり、心の奥の叫びである、この俺が代わって果たしてやるさ!”
 “き、君は‥‥君は一体、誰だ?誰なんだ?”
 いつの間にか、布団から起き上がっていた京極堂の前に‥‥闇の中から、一人の男が歩み出た!自分と全く同じ風貌・体躯の男の出現に、言葉が出ない京極堂。ただ、一つ違っていた点は‥‥目から溢れ出る血の涙の如く、燃え上がる怒りの炎の如く、男の顔に赤く隈取りがしてある事だった!
 “俺の名前は‥‥一刻堂さ!”
 黒の着流しに、晴明桔梗を染め抜いた黒の羽織。ちらと襟元から覗く赤の襦袢。黒の手甲と黒足袋。正しく、京極堂と瓜二つの一刻堂そのものの姿だった!
 “馬鹿な!君は‥‥フィクションの世界の人間だ!”
 “君がそんな事を言っちゃ困るな‥‥。君は、俺に言わせた筈だ!妖怪とは、この世に存在しない筈のもの‥‥だが同時に、存在しなければならないものだと言う事を。それと同じ事だ!あると思えばある、ないと思えばない‥‥。妖怪に悩まされる人たちがいる限り、鬼太郎たちは存在する。そして‥‥この世の悪に、非道に泣かされる人たちがいる限り、許せぬ悪を始末する闇の仕事師たちも存在するんだ!そう。俺は、君が心の奥底に隠している「正義感」と言う感情の分身なのさ‥‥”
 そう言った一刻堂の右手の五本の指が、バキバキと音を立てて鳴った!
 “頼み人は、XXXXの言葉によって、始めて「自分自身の存在」と言うものを取り戻したXXXだ。家族の絆を無惨に打ち壊された一族を代表して、あいつが俺にXXXXの仕置きを依頼した。「後の始末をお願いします‥‥」XXXXはそう言って死んでったが、後の始末を着けてやるのは‥‥他の誰でもない。この俺だ!”

 “待て、待ってくれ‥‥それだけは駄目だ!”
 部屋を出ていこうとする一刻堂に向かって、必死に訴える京極堂!
 “君が「殺し」に手を染めるんじゃないから、安心するんだな‥‥。そいつは、君の影である俺の役目なんだよ!全ての悪の根元‥‥XXXXは、俺が必ず地獄へ送り込んでやる!”
 そして、部屋の襖に、灯りに照らし出された幾人もの影が映った!坊主頭の男…大刀小刀を腰に差した侍風の男…前髪立ちの華奢な男…三味線を抱えた鳥追い‥‥。
 『行くぜ‥‥一刻堂!』『分かった、八丁堀!』
 そう応えた一刻堂が、京極堂に微笑みかけた。
 “‥‥この世には、不思議なものなど何一つないのだよ、京極君!”
 そして、一刻堂は部屋を出た。この世ならざる者‥‥晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ悪を消す闇の仕事師たちの影が、闇の中へと次第に消えて行く‥‥。
 “駄目だ、駄目なんだ!‥‥たとえ、恨みを晴らしても、悪党たちを消しても、それで何も変わる訳じゃないんだ!待て、待ってくれ‥‥”

 ‥‥寝床の中で「駄目だ!行っちゃいけない!」と、激しくうなされている中禅寺の姿を見つけたのは、敦子が氷嚢の氷を取り替えに来た時だった!やがて、中禅寺は目を覚ましたが、自分が夢うつつの中で体験した事は、誰にも話そうとしなかった‥‥。
 あれは、ただ高熱に冒された中禅寺が見た夢・幻だったのか?だが、あれ以来、XXXXは天に昇ったか地に潜ったか‥‥一切の消息を絶った。どこかに身を潜めて、次の計画を練っているのかも知れない。中禅寺はそう信じていた‥‥。そう信じたかったのだ。

          【宴の後始末・完了】


9/12
 高崎市の松本健士さんから、申し込んでいた必殺同人誌「残り火」Vol.2が届いた。今回の特集は「暗闇仕留人」。抜粋した傑作二話のハードな脚本の研究に思わず唸る。山科想四郎さんの「仕留人」新聞記事の採録も読み応えがあった!
 それと、興味深かったのは「新・必殺仕置人」LD-BOX用の写真を選定する実務作業に関わられた時のコラムだ。これを読んでると、「好きでないと出来ないが、好きなだけでも出来ない」大変さが伺われてきた。しかし、それでも必殺ファンとして、何らかの形で「必殺」のLD-BOXに関わりたいと言うのは正直な想いだ。(尚、「残り火」の子細が知りたい方は、都の商売人までメールを下さい。売り切れの場合は失礼!)


9/10
 今日は、恒例のアニメ情報誌5種(アニメージュ・ニュータイプ・アニメディア・AX・電撃Bマガジン)発売の日。だが、どこにも必殺情報は載っていない。唐沢なをき氏のコラムも、今回はハズレ。トホホ‥‥!
 その代わり、1999年公開予定の「ガメラ3」で、ガメラが新怪獣によって、どてっ腹に大穴を開けられると言う情報を目にしたので、こんなパロディーを思いついた。

必殺!ガメラ死す
 ‥‥死闘の末、遂に宿敵イリスを倒したガメラが、ほっとため息を付き、一瞬の隙を見せた‥‥その瞬間、ガメラの体を激痛が貫いた!背中から腹部まで貫通した大きな穴から、止めどなくあふれ出るガメラの血潮‥‥。襲い来る痛みに必死に耐えながら、むりやり振り返ったガメラの目に、初代ギャオスの悲しげな顔が映った。
 そう。ガメラの体を貫いたのは、初代ギャオスの超音波メスだったのだ‥‥。
 「ガメラさん、昔は良かったねえ‥‥」
 かつての輝かしい日々を思い浮かべながら、ガメラに向かって語りかける初代ギャオス‥‥。次の瞬間、ガメラの腹部に開いた大きな穴から、ウルティメイトプラズマの巨大なエネルギーが噴出し、ガメラは宿敵イリス・初代ギャオス共々大爆発によって、木っ端微塵に吹っ飛んだ!
 それを為すすべもなく見つめる仲間(いつ仲間になったんだ?)のバルゴンとレギオン‥‥。思わず、母・初代ギャオスの元に駆け寄ろうとした二代目ギャオスを、草薙浅黄が押し止めた!
 「見ない方が良い!‥‥見れば、悲しくなる‥‥」
 そう言って、草薙浅黄は、自分のお腹を愛おしく撫でさすった‥‥。
 「だって‥‥あの人の命は‥‥ここにあるんだから‥‥」 
 爆発炎上を繰り返す新・京都駅を見つめながら、バルゴンはギャオスに向かって言う。
 「おめェ、名前を変えろ」「えっ?」「ギャオスハイパー‥‥ってのはどうだ?」
 「ギャオス‥‥ハイパー?」
 更なる爆発音に振り返るレギオンたち!赤く燃え続ける残り火の中に、ガメラの鋭いエルボーだけが焼け残っていた‥‥。【終わり】


9/某日
 岡崎市在住のKさんから、10月に中日劇場で行われる「藤田まこと・必殺公演」のチラシを頂いた。内容はいつもの如く「主水、大奥に参上!」だ。(新作の公演は見られないのか‥‥)
 ニフティーの「三味線屋オフ」の時に、梅田の劇場飛天へ行ってGETして来た、12月の「藤田まこと・必殺公演」のチラシと比べてみると、かなり同じ写真を使い回ししているようだ。ただ、10月のチラシの方が、やけに目元と眉がくっきりしている‥‥どうやら、少し写真が修正してあるのが伺える。(これで、一昨年の南座での8月の「藤田まこと・必殺公演」のチラシ2種。今年、8月の新歌舞伎座での「中条きよし・三味線屋勇次公演」のチラシ2種。10月の中日劇場での「藤田まこと・必殺公演」のチラシ1種。12月の劇場飛天での「藤田まこと・必殺公演」のチラシ1種が揃った。こうなると、昨年12月の新宿コマ劇場での「藤田まこと・必殺公演」のチラシが、何としてもほしくなってくる!)



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