大腿骨下端部骨折
大腿骨顆上骨折
大腿骨下端部骨端線離開
大腿骨顆部骨折
内側側副靭帯起始裂離骨折とスチーダ Stieda 骨折
大腿骨顆上骨折
原因
直達外力 : 大部分を占め、膝関節部の強打、交通事故等
介達外力 : 膝関節屈曲位で転落して発生
骨折線と転位 : 骨折線は主に斜骨折で横骨折は稀
屈曲骨折 : 骨折線 : 前下方より後上方
中枢骨片 : 内前方(大内転筋)
末梢骨片 : 後上方(腓腹筋、骨盤下腿筋)
伸展骨折 : 骨折線 : 前上方より後下方
中枢骨片 : 後方
末梢骨片 : 前方
症状
骨折の一般症状
大腿下部の腫脹著明(関節血腫形成)
変形 : 前後径の増大、下肢短縮
合併症
後方転位の骨片により膝窩動脈及び坐骨神経が圧迫または損傷(足背動脈、脛骨動脈の拍動に注意)
中枢骨片の尖端による伸展、関節包の損傷をみることもある
治療法
股関節、膝関節を屈曲
腓腹筋の緊張を緩め膝を牽引し、短縮転位を除去
骨折部に後方開大を増強し末梢骨片を前方へ引き出して整復
股及び膝関節を半屈曲位にて約10週間の固定
※ 整復及び固定困難なものには観血的療法が適応
大腿骨下端骨端線離開
発生機転
8〜15歳の子供にみられ、発生は比較的稀
介達外力(膝関節の過伸展と同時に下腿の捻転)によるものが多い
転位と症状
定型的転位 : 末梢骨片 : 前方に転位(膝関節前方脱臼に似る)
中枢骨片 : 後方に転位(膝窩部に触知)
関節包損傷、膝関節部の著明な腫脹(関節血腫形成)
膝窩動脈損傷の危険性が大きい
治療
転位のない場合 : 膝関節軽度屈曲位で固定
末梢骨片に前方転位のある場合 : 下腿を牽引下で膝を屈曲、前方あるいは側方から直圧し整復。屈曲位固定約10週間
末梢骨片に後方転位のある場合 : 膝関節伸展位で牽引しつつ末梢端を後方から前方に直圧し整復。伸展位固定約10週間
大腿骨顆部骨折
分類
外顆骨折
内顆骨折
外顆後端骨折
原因
直達外力 : 膝関節鈍角位で直接打撃を受ける
介達外力 : 膝関節伸展位で強力な軸圧が加わり大腿下端の突き上げ
この時内反が加われば内顆骨折、外反が加われば外顆骨折
骨折線と転位
外顆骨折 : 骨折線は顆間窩より斜め上方に外上顆の上方に走る。骨片は外上方に転位
内顆骨折 : 骨折線は顆間窩より斜め上方に内上顆の上方に走る。骨片は内上方に転位
※ 両顆が骨折するとT字状、Y字状骨折となる
外顆後端骨折(膝関節鈍角位で衝撃を受けた際) : 骨折線は外顆部前下方から後上方へ走り、外顆部の後方突起を剪断
症状
一般的骨折固有症状(軋轢音、異常可動性等)
関節血腫が高度で関節部の腫脹は著明
外顆骨折では外反膝、内顆骨折では内反膝を呈する
関節包、靭帯、半月板の損傷により関節の動揺性をみる
治療
転位のないもの : 5〜6週間の副子固定
転位のあるもの : 外顆骨折 : 膝内反位で牽引、内下方に側圧を加え整復
内顆骨折 : 膝内反位で牽引、外下方に側圧を加え整復
※ 通常は観血的療法が行われることが多い
※ 顆部骨折は膝関節面の形態変化と関節内部構造の損傷を伴い、可動性の制限、内・外反変形、膝動揺性等の関節機能障害を残しやすい
内側側副靭帯起始部の剥離骨折
発生機転と症状 : 膝関節部の外反、外旋の強制により発生、しばしば内側半月板の損傷を伴い、限局性圧痛、外反動揺著明
治療 : 膝関節軽度屈曲内反位固定
※ スチーダ Stieda 骨折 : 内側側副靭帯起始部より上位(内上顆端)において剥離骨折を認めるもの