距骨骨折 : 発生は稀
距骨頚部骨折 : 最も多い
距骨体部骨折
距骨突起部骨折
症状
転位のない場合は強い捻挫と誤診されやすい
転位のある場合は脱臼と誤診されやすい
限局性圧痛・荷重痛・足部運動痛著明、骨折部に一致した変形
ナウマン Naumann 症候 : 骨片が後方に転位 → 長母趾屈筋腱伸展 → 第1趾の直角底屈
予後 : 距骨体部の無腐性壊死や変形関節症等により、荷重痛や可動制限等を引き起こしやすい
距骨頚部骨折
原因 : 高所よりの墜落等で足関節の背屈強制 → 距骨頚部が脛骨下端前縁で剪断
転位
骨折部で距骨は屈折されるため頚部は背側へ、体部は底側へ回旋する
足は底屈、回外位をとり、ときに回内偏平足位
治療
転位のない場合 : 安静、固定8週間
整復 : 前足部と踵骨部をそれぞれ把握 → 前足部(距骨頚部に相当)を強底屈 → 踵骨部(距骨体部に相当)の末梢牽引 → 牽引下で頚部を底屈へ、体部を背屈へ回旋させ整復する
整復後は強い尖足位で4〜5週間、その後足関節0°とし8週で固定除去
高度の圧迫骨折、転位大なものは観血的療法(完全整復は不可能に近い)
距骨体部骨折
踵からの突き上げで脛骨と踵骨の間に挟まれて発生する圧迫骨折である
足部を牽引下で尖足、内転し後方へ圧迫し整復
足関節軽度背屈位固定3〜4週間、その後0°に変更し7〜8週間で副子除去
後方突起骨折
足関節の足底強制で後方突起が脛骨関節面後縁で剪断、骨片は後方転位
足関節強背屈下でアキレス腱の両側より足趾の方向に直圧を加え整復
固定は軽度背屈位で4〜5週間
踵骨骨折
踵骨結節部上部骨折(鴨嘴状骨折)
載距突起単独骨折
内方突起骨折
踵骨体部骨折
※ しばしば脊椎骨折(椎体圧迫骨折)を合併することがある
原因 : 高所よりの墜落や自動車事故の際、足底部からの強い圧迫力、稀にアキレス腱の急激な収縮牽引による裂離骨折
症状
踵骨部疼痛のため患側肢での起立、歩行不能
腫脹は踵骨部に最も強く足部全体に波及する
皮下溢血は踵骨両側及び足底に
単独骨折では距腿関節屈伸運動は可能
距骨体部と隆起部間の骨折では、底屈が強く制限される
治療
鴨嘴状骨折
アキレス腱の牽引によって発生
膝直角位屈曲、足関節底屈でアキレス腱を十分に弛緩させる
上方に回転している骨片を指頭で下方に圧迫して整復(骨片が小さく固定が不十分になりやすく観血療法適応例が多い)
尖足位固定3〜4週間後直角位とする。6週間後固定除去
踵骨体部骨折 : 両拇指球で両側より圧迫して整復する(転位大なものは観血療法適応)。底屈位固定3〜4週後直角位とする。7〜8週後固定除去
載距突起骨折 : 徒手整復不能、固定も不十分となりやすく観血療法適応、突起は内下方に転位するため、外傷性偏平足を起こしやすい
予後
数ヶ月〜数年も頑固な疼痛を残すものあり
内返し、外返し運動障害
足の慢性浮腫、アキレス腱周囲炎、筋萎縮等
ベーラー Bohler 角(距骨隆起関節角)
踵角前方関節面頂点から後関節面頂点と踵骨隆起上面から後関節面後端に引いた線とのなす角をいう
正常では20〜40°であるが、踵骨骨折ではこの角度が減少し、0°ときには(−)になることもある
マッチ Matti の基本線
踵骨長軸(隆起の中央から関節後面の下端に引いた線)を延長すれば、正常では距骨
骨頭関節面の上縁を通過し、足底面と30〜35°の角をなすが、骨折をするとこの線は舟状骨下縁を通過し、傾斜角を減ずる
舟状骨骨折
介達外力による場合が多い
高所よりの飛び降り等で発生(距骨骨頭と楔状骨間で強く圧迫)
足関節が強く底屈され、内、外転が加わると、足背付着靭帯の牽引により舟状骨の剥離骨折が起こる(フランス・ヒール France-heel 骨折)
直達外力により上方または下内方の結節部が骨折することがある
症状
舟状骨部の腫脹、限局性圧痛、骨片突出
第1〜3中足骨よりの介達痛、荷重痛
歩行困難であるが踵骨部による歩行可能
足の回内、回外運動制限
内側圧迫骨折は足の内方屈曲、舟状骨の内方亜脱臼では足の外方屈曲
※ 第1ケーラー病との鑑別を必要とする
治療
転位のないもの : 下腿上端より足尖部までの固定約5週間
転位のあるもの : 救急処置の後、観血的療法を行う
予後 : 外傷性偏平足を残すと難治の足痛をきたす
立方骨骨折 : 舟状骨骨折より稀
原因
直達外力 : 粉砕骨折、縦骨折、外縁部の破片骨折
介達外力 : 中足骨と踵骨の間に挟まれ、他の骨折に合併、靭帯の牽引等
症状
立方骨部の限局性圧痛、腫脹
第4、5中足骨よりの介達痛、荷重痛、回内・回外運動制限
立方骨の圧縮程度による前足部の変形等
治療
転位のない骨折 : 5〜6週間固定を行う
外傷性偏平足をきたさないように足底板を土踏まずに挿入する
圧迫骨折、他の足根骨骨折、脱臼を伴うものは、直達牽引法、観血的療法
楔状骨骨折
原因
限局的直達外力によって起こることが多い
中足骨基底部骨折、リスフラン Lisfranc 関節脱臼を合併することが多い
症状 : 舟状骨よりやや末梢部に舟状骨骨折に似た症状がみられる
治療
転位のないものは6〜7週間固定
足底板を使用し2次的偏平足を予防