1.毛利元貞のパーソナルディフェンスシステム


お奨め度 ★★★★★(5つが満点)


PDS(パーソナルディフェンスシステム)の存在を知ったのは、月刊少林寺拳法でI先生との対談で毛利さんがインタビューされていたのを読んだことでした。僕も武道・格闘技好きなので前々から毛利さんの名前は知っていました。本屋の武道コーナーへ行けば、傭兵の戦い方みたいな本も置いてありますからね(^_^;)そんな武道コーナーでビデオが出てるのを見つけてどんなだろう?と本と一緒にセットで買ったのでした。(もう1年以上前ですが・・・)

思想的なところで、すごく納得したのは、戦闘に入るまでの状況分析、危険の査定というのを非常に重要視していたことでした。普通の少林寺拳法の練習では戦うことが前提になっており、いきなり構えたり、いきなり攻撃したりしますが、まずはそうはならないための状況づくり、戦闘を回避するためにどうするか?ということについて細かく説いています。さすがに元傭兵やボディーガードをやっていた人の言うことには説得力があります。少林寺拳法の開祖も喧嘩になる前に未然に防いでいたという逸話が多いですが、要は未発におさえる「先先の先」ですよね。PDSでその重要性を改めて気づかされました。

※相手の暴力行為を次の行為に移らせないこと
@暴力を正当化しているか?
※主観が入っている『お前、ぶつかって来ただろう」
A暴力以外の選択肢がないか?
※決して相手の話をさえぎらないこと。相手を追い詰めないこと
B暴力を起こした結果に耐えられるか?
C過去に暴力を起こしたことがあるか?
※武道などで成功している人間は暴力を奮い易い
→この4つの原則を満たす方向へもっていかせない。


体術・技術的に参考になったのは、相手を刺激してしまうので不用意に構えないということ、(会話スタンスでなだめるように手を前に出すだけ)相手の構え(ボディーランゲージ)からどんな攻撃をしてきそうか予め予測すること、体捌き、少林寺拳法でいう千鳥足を非常に重要視していたことでした。特にナイフの捌き方は面白かったです。少林寺拳法の法形で短刀下受打落蹴というのがありますが、体捌きはPDSもほぼ一緒。ただ、手の内側を相手の方へ向けると切られるので、外側で受けるというのは違っていました。



《PDSセミナー》

実は実際にどんなものか?体感したくて新宿のセミナーへ参加して直接、毛利さんに教えてもらったことがあります。午前の講義では3人対毛利さん1人で「こういう状況であなたならどうする?」という質問に対して、自分なりの答えを言い、「こういう場合はこうすると一番危険が少ない」とかを教えてもらいました。頭の体操で面白かったです。普段からこうなったらどうしたらいいか?と考える癖をつけるのが大事だと言ってました。

●PDSのポイント
@間合いを保つ。空けておく。全ては対人関係
A冷静に対応する
B暴力犯罪者の立場に立って考える
C脱力、リラックスする
D逃げることばかり考えない
E普段から人の話を聴く練習をする
  相手がしゃべり終えた後にしゃべる。言葉の当身。
F息を吐いて落ち着く
G球運動、真正面から受けとめない
H動きとタイミングをはかる(自分勝手に動かない)
I常識にとらわれない。状況で全て変わる。


午後からの体術の方では、PDS基本ということで、ひたすら右千鳥、左千鳥の練習です。お腹にまっすぐイミテーションナイフを突いてくるのを左右斜めにさばく練習。色んな武道経験者がいましたが、初めてやったわりに少林寺の運歩と一緒なので上手くできてた方だと思います。相手の動き出しを捉え、膝を抜いてスッと入るのはどの武術も同じです。毛利さんは合気道などもやっていたそうで合気上げのようなこともやってました。試しに軽く関節技をかけてもらいました。

最後の方で共同創始者の方が「護身術でなく殺人術ですが、上級クラスはこういうのもやります」ということでプロの傭兵のナイフ捌きを見せてくれました。そりゃ〜ものすごかったです(゚-゚) その場にいた人全員が度肝を抜かれていました。この人、いままで戦場で何人殺してきたんやろか?と戦慄しました。何はともあれ、違う世界の人を見ていい刺激になりました。

護身術としてナイフに対する捌きの練習をやって損はないです。ナイフが捌ければ突きの捌きも上手くなるはずです。女性拳士と練習するときは本を丸めて持ってもらい、それで顔やお腹を突いてもらうと十分いい練習になります。もしナイフとしたなら当たっても効かないよなどと言ってられませんからね。PDSをきっかけにたくさんの気づきがありました。伝わってないだけで、本来の少林寺拳法が持っていたものばかりなのでしょうが・・・