●思い出いろいろC 『涙』


 大学の少林寺拳法部時代に泣いたことが二回だけあります。

最初の涙は一回生の夏合宿のときです。(詳細は思い出いろいろ@『夜襲』へ)

三日目の午前中の練習中、基本突をしていたときのことです。
サウナのようになっていた体育館で気合を出しまくって、練習していたところ、急にお腹がググっと痛くなって、呼吸困難になりました。

生まれて初めて経験する、過呼吸という奴でした。
対処方法として、ビニール袋で自分の息(つまり二酸化炭素)を吸わせると治るというのを先輩が知っていたのでなんとか助かりました。

 「ちょっと宿で寝とけ」ということになって、3回生の先輩と2人で宿に歩いているときのことですが、自分の体力のなさと、ふがいなさに涙がでてきました。生まれて初めての悔し涙でした。このことは恥ずかしかったので、誰にも話したことはありませんでしたが、未だにハッキリと覚えています。

夏合宿で自分の体力の限界を知り、その自分のふがいなさに悔し涙を流したことのある人は後輩達の中にも何人かいましたが、私もそんな奴の一人でした。




 2度目の涙は卒業式のときです。関学少林寺拳法部では、卒業式のときに毎年先輩を中央芝生で出迎えて、胴上げするといういい伝統がありました。

1回生のときから先輩を胴上げして見送っていましたが、2回生のときに下の学年が全員辞めていなくなってしまったので、自分達が卒業するときに胴上げしてもらえるのかなと心配したこともありました。

しかし、ピンチを切り抜けて、その後、後輩にも恵まれたので、卒業式の日にはクラブも総勢20名くらいに復活していました。

学ランの後輩達と対面に卒業生が一列に並んで花束、記念品、色紙をもらいました。

後輩のHAという奴が先輩への言葉として、こんなことを言ってくれました。

「先輩方に言っておきたいことがある!もし辛いことがあったとき、苦しいことがあったときは、この中央芝生を思い出してください!」

みんなの前で恥ずかしかったのですが、涙が溢れてきて止まりませんでした。映画やドラマでなく、心から感動して泣いたのは、それが生まれて初めてでした。

続いて、校歌「空の翼」を全員で円になって斉唱し、後輩達に胴上げしてもらいました。胴上げというのは、気持ちいいものです。
「今までがんばってやってきてよかった!」と本当にそう思いました。

おそらく長い人生の中でも、こんなに幸せなことなんてもうないんじゃないだろうかと思いました。どんなに辛いことがあっても、ずっとがんばっていけるような気がしました。

クラブが潰れかけたときに、諦めてやる気をなくしていたら、後輩もついてこなかっただろうし、卒業するときにそんな感動もなかったと思います。





会社に入ったときの研修中に「人生というのは、絶えまぬ努力と感動した数によって決まる」といったような言葉を聞きました。

感動することが少ない今日この頃。
あの卒業式のときの感動を忘れずにがんばっていきたいものです。