★散打友好大会


 東京というのは便利なところで、フリーで参加できる大会というのが結構あります。日頃の練習成果を試す、技術交流という意味では非常に勉強になります。

 散打友好大会というのは中国武術家の蘇東成老師のお弟子さんの河田師範が主催している異種格闘技交流の大会です。トーナメント形式でなくて、だいたい身長、体重が同じ人を組み合わせて2試合から3試合行います。どこの誰と試合するかは行ってみないとわかりません。

 マウスピース、目が開いたスーパーセーフ、薄い胴、軍手にフィンガーグローブ、肘サポ、膝サポ、脛サポ、金的カップという全身防具を着用して、2分間のポイント制。掴み有り、投げ有り。友好な打撃、投げは1ポイント。あきらかにダメージ有りと認められた打撃、投げは2ポイント。掴みは5秒まで。倒れた相手への打撃は禁止。金的蹴りは禁止。5ポイント先取でコールド勝ちという安全かつ明確なルールです。

 剛法、柔法どっちも有りということではかなり面白い試合が見れます。参加している流派は柔道、伝統空手、フルコン空手、テコンドー、合気道、柔術、シュートボクシング、キックボクシング、大気拳、太極拳、ジークンドー、八極拳、詠春拳、酔八仙拳、心意六合拳、洪家拳、無影拳、日本拳法、少林寺拳法・・・etc もうまさにグラップラーバキの漫画の世界です。試合を観ていてめちゃ面白いです。酔八仙拳VS酔八仙拳なんてもうゲームのバーチャファイターを見ているようでした。

 過去3回出場しましたが、日本拳法の人は上手いですね。細かい間合い操作と投げができるところが強い。後は硬式空手と言われる試合慣れしている防具空手は踏み込みが速い。ポイント制のよいところはスピードと緊張感があって体力勝負というよりは技術勝負。武術っぽくできるところです。

 僕は少林寺拳法をやっているので合掌礼をして一字構(下段構)でやります。せっかくなのでわざと少林寺拳法っぽさをアピールしてやるわけです。初めて大会に出たとき、相手の方が柔術の人で打撃経験が浅かったこともあってすぐに5ポイントコールド勝ちしました。後で試合を見ていた人が寄ってきて「いや〜少林寺拳法ですか!一字構からすごいキレイでしたね。感動しました。僕も昔は少林寺拳法をやっていたのですよ!」と言って来てくれた人がいました。正直、気持ちは複雑でした。昔は少林寺拳法やってたけれど、強くなれない、もしくは面白くないから他流に移ってしまって今は少林寺拳法をやっていないということだからです。少林寺拳法も続ければ強くなれるよ。これぐらいの乱捕りはできるんだよと体言してくれる人が周りにいなかったのかもしれません。

 自分の修行の成果を試すため、また他流から学ぶために、散打友好大会は少林寺拳士にかなりおすすめだと思います。アマチュア選手しか出ていないのでそれほどレベル差はありません。自分の実力値が客観的にわかって謙虚になれます。上には上がなんぼでもいますから。やはり少林寺拳法も護身を掲げているわけですから、他流派の攻撃をどれだけ捌けるか?という自己鍛錬のためには少林寺の中での甘い攻撃に対する練習だけでは技術の上達も限られてしまいます。別に負けることは悪いことではありません。というか正直、今の少林寺拳士で他流試合に出て勝てる人はほとんどいないでしょう。普段からの乱捕り練習があまりにも不足しているからです。
 自分の動きをビデオで見て「ここが悪いなあ」「まだまだだなあ」とわかることはすごく為になりますし、他流の上手い選手を見て「ああ、この動きは真似できるな」「こういう攻撃もあるんだな」と知ることは必要です。少林寺拳法をやっているけれど、乱捕りする相手がいないという人は師匠の許しを得た上で、一個人として一度大会に出場してみてはどうでしょうか?何事も経験です。