突きの研究

突きと一言で言っても流派によって実に色んな突き方があります。ここでは少林寺拳法の突きはこうだ。というのでなく、私なりに毎日サンドバックを突いたり、色々と教えてもらって研究した結果、どういう突きが一番ベストなのかについて研究成果を紹介したいと思います。(日々刻々と言うことが変化する可能性がありますのであしからず)

(縦拳と横拳)

まず、少林寺拳法を最初に習って不思議に思うのは逆突を縦拳で突くということでした。
大学時代に「少林寺拳法はどうして縦拳なんですか?」
と先輩に質問しても、納得のいく応えを持っている人はいませんでした。
演武では縦拳でも乱捕りでは横拳になっているのがほとんどでした。

突いたときに、空手は人差し指と中指の背が相手に当たりますが、少林寺拳法では中指、薬指、小指の背が相手に当たります。

一説によると、
・縦拳の方が横拳よりスピードがあるから
・少林寺拳法には投げ技もあるので引きのスピードを重視するため
ということも聞きます。しかし、どうも納得行きませんよね。
今後も「なぜ少林寺拳法は縦拳なんですか?」という質問を色んな先生にぶつけてみたいと思っています。
私が7年間やってきて、一番しっくりくる角度は完全な縦拳ではなく、30度から45度くらい倒した斜め拳ということで現在は落ち着いています。突くときには力を抜いて(脱力)して突く方がスピードと威力が出るのは良く言われますが、完全な縦拳にしようとするとどうしても動きがぎこちなくなって力が入ってしまうからです。赤ちゃんが産まれてくるときの角度が斜め45度だとある先生から聞きましたが、人間が一番突きやすい角度なのではないかと思います。

(注意)
上段順突、上段逆突は縦拳から斜め30度から45度に捻ってつく「ねじ突」
中段順突、中段逆突は縦拳のままつく「すぐ突」
だよとある先生から教えていただきましたので訂正します。



(構え)

先日のフルコンカラテに上田先生が開祖から「拳法の極意は上虚下実ぞ」と言われたというのが書いてありました。これは非常に参考になる言葉だと思います。上半身はリラックスし、下半身(丹田)に力を入れた構えがベストだということです。よく演武の大会で、肘をしっかりと脇腹にくっつけ、拳をカチカチに握り、胸を張りすぎて反り返り、股を広げすぎて金的がら空きのいかにもつくった構えの人がいますが、果たして同じ構えで乱捕りができるでしょうか?開祖のどの写真をみても実にリラックスした力んでいない構えをされています。上半身がリラックスし、膝を軽く曲げて抜き、いつでもノーモーションで動けるのが良い構えだと思います。こういうリラックスした構えから突き蹴りを練習することが大切です。

やはり、軽く何度かジャンプして着地した瞬間の体勢。これが一番ベストだなと最近思います。いつでも動ける構えです。アカン!居着いていると思ったら、軽くジャンプして体をほぐしましょう。身体全体で重力を感じましょう!




☆最近教わった、自分で気づいた、突きのポイント(以下の内容は刻々と変化します)

・リラックスした自然体の構え(ジャンプして着地した瞬間の姿勢)
・仮想重心
・前膝の抜き→後ろ足の蹴り
・歩くような運歩
・正中線の平行移動
・肩のラインは水平
・腰骨で相手の正中線に照準を合わせる
・踏み込んだ前足の親指の付け根に軸をつくって突く
・肩腰返し過ぎない(三尖相照)
・肩甲骨の開放
・胸の緩み
・拳に意識をおかず後ろ足から突くイメージ
・地面から得た力を身体の中をしならせて増幅させる
・突きの軌道は手刀切のラインと同じ、最短距離(二等辺三角形)、
・相対バランス(当たった瞬間的にもたれかかる)、拳面と地面をつなげる
・体当たりと一緒
・脱力、インパクト前に拳を握ってかためない
・当たってから更に10センチめりこますつもりで
※突き終わった姿勢で前から拳面をグイグイっと強く押してもらってしっかり踏ん張れればだいたいOKです。



★浸透する突きの練習方法

野球のボールを投げるような感じで、脱力して拳を胴へぶつける練習がおすすめです。
手は完全に脱力してぶつけるだけ。拳は握らなくても反射で勝手に握られます。
この練習で力が身体の中を透るイメージ、相手に力を浸透させるイメージができてきます。
後は投げるフォームを小さくしていって、威力をおとさずに逆突にしていきます。
胴で受ける側の人が内臓に浸透して胸がウッとつまるような感じになればだいたいOKです。


(2002/3/24更新)