蹴り込みの練習
少林寺拳法の前蹴には、蹴り上げと蹴り込みがあります。初心者のころは、この違いがわからなくて混乱したものですが、蹴り上げとは膝を抱えてきて、軌道が上に伸びていくのに対し、蹴り込みは膝を抱えてきて、軌道が前に伸びていきます。
蹴り上げは主に相手が突いてきたのを崩して姿勢が前に崩れているとき、蹴り込みは相手が普通に立っているとき、または下がるのを追いかけるときとよくいいますが、実際に有効なのは蹴り込みの方です。蹴り上げだと前に出てくる相手の勢いを止めることが難しいからです。蹴り込みができる人は蹴り上げも簡単にできるはずです。蹴りはすべて蹴り込みだというくらいでよいと思います。
演武や基本突を見たら、胴を蹴ったことがあるかどうかはすぐに分かります。胴蹴り練習をしたことのない拳士のほとんどが蹴り上げしかできていないのではないでしょうか。演武しか練習しない弊害といえるでしょう。試しに胴を蹴らしてみると、スカッと上にすり上がってしまって蹴り込めないはずです。残念ながらいざというときに使えない蹴り(相手の突進に負けてしまう蹴り)しかできないということです。
ここでは逆蹴の蹴り込みの練習方法を紹介します。
まず、気をつけなければならないのは、少林寺拳法の逆蹴は二種類あるということです。逆の足から蹴って前に降ろし、最終的に反対の構えになる逆蹴(厳密に言うと逆からの順蹴)と、逆の足から蹴って、元の位置に引いてくる逆蹴(本来の逆蹴)です。この2つがあることを分かっていないと混同してしまうので要注意です。
@前に下ろす逆蹴りの練習(e-技術交流会より)
☆蹴った後に、次の連続攻撃にすばやく移ることが前提の蹴り方。法形では横転身蹴、半転身蹴の攻者の蹴りや、払受蹴、中段返、半転身蹴の守者の蹴りで使用します。攻撃として使う場合は、逆蹴単独だけではすぐにかわされてしまうので、上上逆蹴や順蹴から逆蹴などコンビネーションを工夫して守者に対してシビアな攻撃ができるようになりましょう。
1.開足中段で向かい合い、蹴る側は両手を握ってまっすぐ前に出す
2.膝より下を脱力して蹴り足を上げ、もたれかかるように相手の胴に前足底を当てる
3.当たった瞬間に軸足で床を蹴って、力を前足底に伝える
(注意事項)
・腰の回転を使わない(並進の動き)。前に出している、両手の拳の位置が変わらないように意識する
・歩くような感じでノーモーションで蹴る
・軸足を返さない
・相対バランス(相手と自分とでバランスを取る。相手と自分の間に仮想の重心をイメージする)
※蹴った後におっとっとと相手がさがるようでなくては駄目です。
※開足中段でできるようになったら、中段構えから蹴ってみましょう。インパクトのときは軸足よりも頭の位置が前にあること。軸足を返し過ぎない、腰を返し過ぎないようにしましょう。(力を全部前に伝えるように)
※この練習方法は順蹴の練習方法でもあります。順蹴で蹴り込めたら本物です。逆蹴は楽に蹴り込めます。構えたところからノーモーションで順蹴できるように練習しましょう!
※この蹴り方だと膝を上げるだけで、当たったときに力を入れればよいので、前後の間合いにあまり関係なく蹴れる利点がああります。
A引いてくる逆蹴りの練習
☆蹴った後、すばやく退がって間合いを切ってしまうのが前提。引いてくる逆蹴は相手が前に出てくるのを止める待蹴りに使うと有効的。
上の蹴りが相対バランスの蹴りならば、こちらは単独バランスの蹴りです。
1.互いに胴をつけ、対構になって肩を組んで逆足から膝蹴
※軸足は返さずに前に向けたままでしっかりと踏ん張り、前に膝を突き出す感じで蹴る。蹴ったら足は元の位置にしっかり折り畳んですばやく戻す。膝は鋭角に曲げること。蹴ったあとに足幅が変わらないように。
2.一歩入らなくても届く近い間合いから逆蹴
※膝蹴が伸びたのが逆蹴です。自分の踵がおしりから膝を通ってまっすぐに相手に突き刺さるようにイメージしましょう。
(注意事項)
※上半身が動かないこと。ノーモーションで蹴るのが最重要。(特に頭の位置が動かないように!)これには軸足の安定が不可欠です。膝を上げたまま構えて片足のままで何回も蹴り込みができるかどうか試してみましょう。
※膝や足先から先に動かすのでなく胴体、腰から動かすようにすると威力が全然変わってきます。
☆体験談☆
・逆蹴が高く上がってしまって胴に当たらずスカすることがありますが、それは膝を高く上げすぎるのが原因です。相手の帯の結び目を狙って蹴るとちょうど胴の真ん中(みぞおちの位置)に当たるでしょう。中段は5センチ下を狙うべし。
・最近は自分の正中線を意識して蹴るように心がけています。正中線上を膝の内側が通るように蹴って、(このときに軸足の親指で地面を蹴るのが味噌)
【最終更新日:2001年3月25日】