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a b c d 沼レ コード 2005ぉぉぉぉぉおおおお |
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高校一年生 (2)〜身体計測〜 絶望。絶望。絶望。絶望。・・・・・・ 局長は今、猛烈に絶望していた。 事の発端は新年度、必ず行われる「身体計測」での事だった。局長通っている 「ニュース第一高等学校」、通称「一高」での身体計測は大きな行事の一つで、 体重を量る教室、身長を測る教室、視力を測る教室とそれぞれに分かれ、 生徒たちはおのおの空いている所に行って、計測をしてもらうと言うものだった。 身体計測が行われる日は午後から授業も無かった。なぜ、ここまで大々的に 身体計測をする必要があったのか。それは誰にも分からなかった。 相変わらず一人の局長は、周りがワイワイ楽しそうにウロウロしているのを 横目に、そそくさと身長、体重、座高、視力、聴力と計測していった。早いうちに 全部を終了した局長は、教室に戻ってきた。教室でもどうせやる事なんか無い。 どうして、半日も時間があるのか、その時間をどう潰したものか途方にくれながら 教室に入ると、局長の椅子の周りに数人の女の子が集まっていた。「大丈夫だって。」 とか「楽しそう」とか「早く早く」とか言う声が聞こえている。また絡まれるん だろうな・・・と、少し足取り重く自分の席に近づいて行くと、一人の女の子が 「ゴメンね。高津君。席借りちゃった〜・・・あっ、でもジャマだったら 『どけ』って言ってくれたらどくからね。」 と局長に話し掛けてきた。 局長は意味が分からなく「え・・・」とだけ言って下をうつむいてしまった。 女の子たちは口々に「早く『どけ』って言ってよ。」と囃し立てる。どうやら、 普段殆どしゃべらない局長に、普段言わない言葉をしゃべらせたかった様だ。 数秒の間。局長は困り果て、そして搾り出すようにこう言った。 「・・・お・・・オレの椅子が使いたいんだったら、ずっと座ってていいよ。 オレは・・・あっち行くから・・・」 最初の「オレ」は声が裏返っていた。 このフェミニストなのかナルシストなのかさっぱり分からない、あまりにも 的外れでトンチンカンな答えに、女の子たちは呆然としていた。 局長も「あっちに行く」と言った以上その場所に居れる訳も無く、急ぎ足で その場を後にした。行き先は決まっていた。タクヤの所だ。しかし生憎と タクヤはまだ身体計測を終えていなかった。タクヤと会う事を諦めた局長は、 その足で水飲み場へ行った。そして、乾いてもいない喉を潤しているかの様に がぶがぶと水を飲んだ。がぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶ・・・・ もう何リットル飲んだ事か・・・苦しくなったら口を離し、出しっぱなしの水を 手に貯めては捨てた。そしてまた水を飲んだ。がぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶが ぶがぶ・・・ チャイムが鳴った。永遠とも思える時間が終わりを告げたのだ。 教室に入ると、もう局長の椅子の近くには誰もいなかった。椅子にどかっと 座った局長は、いつも通りに寝たフリをした。もうお腹は夜店に売られている ヨーヨーのようにタプタプしている。 次の日から局長はいっそう孤独になった。昨日女の子たちに言った言葉が 「調子に乗ってるナルシストの言葉」として取られ、誰も局長に話し掛けなく なったからだ。女の子の間を噂は駆け抜けていった。もう誰も相手にしてくれない。 局長は、猛烈に絶望していた。 このあからさまな失敗。しかし局長はその失敗がわからなかった。 何もしていないのに、急に無視され始めた・・・「女」と言うものに対する 強烈な不信感だけが局長の中にどんどん募っていく。 その日はくしくも、初めて演劇部での練習があった日だった。 11月29日 完成 |