ボスのデザインは特徴的である。はっきり言っておかしいと思う。でも皆気を使ってくれているのか、直接そのように指摘してくれた人はいない(除カミサン)。もっともパーキングエリアで近寄って来た人が、「すごいですねえ」とかではなく、「変なバイクですねえ」といきなり声をかけてきたら、いかな温厚でボスのおかしさを認める自分といえど、きっとムッとするだろう。
10年前の初見で受けた印象、「なんてヘンテコなスタイルだろう」「せっかく頑張ってV8積んだのに、どうしてもっとマトモな形にしなかったのだろう」の影響はいまだに引きずっている様に思える。数年前にボスの写真を見せたカミサン(美術史専門の大学講師・中免所有)の感想は一言「ヘン過ぎ」であった。
10年間でズイブン洗練されたとは思うが、それでも奇形的な造形のアンバランスさは相変わらずで、ギーガーの描く悪夢的に奇怪な機械っぽさはむしろ増幅されている様に思う。(自分の車両はソリッドカラーなのでまだマトモに見えるが、海外で時に見かけるヘンなペイントを施すとまさにゲテモノと化す)
とにかくカノンを代表とするV8バイク新興勢力がスマートなスタイル(比較的小型軽量でスリークラインのボディや、見えない電動ファン等)を売り物にしているのに対して、ボスのアイデンティティを守り通して(?)アンバランスさ故の迫力を前面に押し立てるスタイルは、もはや脱帽に値する。例えば普通のセンスなら目立たない様にするであろう前面の巨大なラジエーターファンを、あえてピカピカのメッキモールにしてしまうのも驚き。最近初めてボスを見たバイク乗りの女性は、これを「デッカイ換気扇がついてる」と表現し、ノーマルのこれ又どデカイマフラーをガードするパンチングメタルプレートを「ずいぶんりっぱな焼き網」と評し、したがってボスは「焼き肉屋みたいなバイク」と感想を述べた。
もちろんこのバイク一番のウリは、搭載するV8モーターである。自分が惚れ込んだのもそこ。間違っても車体のデザインに惹かれて欲しくなったワケではない。カノンが2速ミッションでボスみたいに丈夫でアフターケアが信頼できれば、カノンを入手していたかもしれない(?)。
とは言えボスにもだいぶ見慣れてしまい、この異様な迫力もイイなと思えてきた。カミサンに言わせるとそれは単に感覚がマヒしただけで、そのままどんどんフツーのセンスを失っていくと、いわゆるその筋の方々や珍走諸君、その他特殊な服飾を好むセンスの持ち主達と同じ、取り返しのつかない状態になるらしい・・・。
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