『幕府軍艦「回天」始末』
 1993.12.10.文芸春秋刊、文春文庫所収(初出は1990年)。著:吉村昭。

粗筋──
 宮古湾海戦〜五稜郭陥落までの戦いを、幕府軍艦「回天」の視点から描いた歴史小説。

 あーなるほど、中村彰彦氏の『軍艦「甲鉄」始末』はこの作品のパロディだったのかw 「 」の付け方にはそう言う意味があったのね、納得。
 内容の方は、『軍艦「甲鉄」始末』が軍艦の購入から廃棄までを余す所無く描いているのに対し、こちらはいきなり幕府の崩壊後からスタートしているので、幕末マニアとしては些か不満。勿論、序盤は端折って書いた方が一般読者の受けは良いんだろうけど。但し、幕府側の軍艦を描きつつも、非常に冷静な第三者の視点を維持している点には好感が持てた。特に、最後を勇壮な回天の沈没で締めるのではなく、軍艦「高雄」の遺した意外な「贈り物」まで描いて筆を置く辺り、非常に諧謔味が有って面白かった。


【総評】:そっすねー、吉村昭って感じでした(何