エンフィールド兵器工廠
エンフィールドはイギリスロンドン北部エンフィールド(Enfield)に設置された国立小火器製造工場。「陸軍小火器廠」・「エンフィールド造兵廠」とも。
19世紀のイギリスでは、その銃器の生産をバーミンガム周辺の銃器産業に依拠していた。バーミンガムの銃器産業は産業革命を経た他の工業分野と異なり長く家内制手工業であり、膨大な銃器を必要としたナポレオン戦争やクリミア戦争に際してはその需要に応えられず、暴発が頻発する精度の低い銃器を生産して不評を買っていた。
こうした不評は特に1851年のロンドン万国博覧会で表面化した。この歳、イギリス陸軍は従来の滑腔式小銃に代わってミニエー式小銃を採用する事を決定したが、その総数は90万挺にも及び、バーミンガムの旧態依然たる銃器産業では到底供給しきれるものではなかった。その一方、万国博覧会に最新式のコルト拳銃を展示したアメリカの高度な生産技術は英国兵器局に重大な衝撃を与え、此処に英国兵器局は国産の兵器工場「エンフィールド兵器工廠」の設置を決めたのである。
エンフィールド兵器工廠の設置に当たっては、特にコルト社の銃器工場やスプリングフィールド兵器工廠に視察を送って技術の吸収に務めた。その結果、1853年にはイギリス軍の制式小銃であるエンフィールド銃が完成し、全世界に展開するイギリス軍に供給された。その後、生産する銃器はヘンリー・マルチニー銃に更新されたが、生産数は一日最大1500挺を数えた(但し、平常時は500挺程度)。
こうしてエンフィールド兵器工廠は英国陸軍の装備を支える重要な工廠となり、マリア・タチバナの愛銃であるエンフィールド改のモデルとなったリボルバー拳銃「エンフィールドNo.1/Mk.1スター」や、ボルトアクション・ライフルの傑作である「リー・エンフィールドNo.1/Mk.3」、悪名高い(しかし、同時にその生産性の高さで活躍もした)「ステンガン」等の火器を生産し続けた。
なお、エンフィールド兵器工廠は同じ国営の兵器工廠であるスプリングフィールド兵器工廠が閉鎖されてからも営業を続け、ww2後にはSAS(イギリス特殊空挺隊)の依頼を受けて「スタングレネード」、1980年には英国陸軍の新正式銃「L85」(エンフィールド兵器工廠での開発名はL80)を開発している。
現在でも活動を続けているかは不明。google検索しても、悠久幻想曲とかバイクしか引っ掛からない……orz
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