見廻組勤中心得方
見廻組の規約は新選組ほど厳しいものではなかった。これは、新選組が個人参加の組織であるのに対し、見廻組の組士は代々の幕臣でそれぞれ家名を背負っており、もし不行跡をしでかせば組士一人の問題ではなく家族・一族まで不名誉を被る為、強いて厳罰を設定せずとも自ずと規律が保たれていたからである。また、元々の幕臣としての不文律を身に付けているところも、新興組織でルールが明確ではなかった新選組との違いだろう。
そんな見廻組にも、一応規約としての達し書きが幕府より下されているが、それは「朝廷に忠義を尽くして治安を守れ」「礼節を重んじて、横暴な振る舞いは止めよう」と云う一般論を除けば、
一、御所警備に当たる時には稽古着で出動するのは止めよう。休憩所なら兎も角、見苦しいですよ。
一、芝居小屋に入るのは止めましょう。
一、自分で勝手に探索したり、商人等から依頼を受けて訴訟を取り扱ったりするのは止めましょう。
と云う三か条のみで、処罰も減俸・謹慎と幕臣としては重いが新選組と比べれば軽い処分に留まっている。