『三ツ葉葵の剣士 -松平上総介忠敏伝-』
 2000.05.25.実業之日本社刊、ハードカバー。著:新宮正春。

粗筋──
 師匠を仏生寺弥助に暗殺された松平上総介が、講武所の人事や新選組結成、清河暗殺etcの歴史的事件を横目で睨みつつ、師匠の仇を討つとゆーお話。

 新選組関連の書籍でも口を極めて罵られる事の多い松平上総介(主税介とも)を主人公に据えた意欲作……と云う割りに、上総介は剣の未熟を葵の御紋で乗り切って悪びれもしなかったり、でもって百姓上がりの弥助には御紋の力も通用せずコテンパンに熨されたり、それを逆恨みして権力を利用して策謀を仕掛けて弥助に嫌がらせをしたりと全然ヒーローっぽく有りません。ではピカレスクロマンかと云うと、「剣術家番付」で「梶原影時」に比定されたのを「つまり、憎々しいぐらい強いんでしょう」なんて逃げ打ってるし。それじゃ、実は百姓出身の悲劇の天才・弥助が主人公かと思いきや、こっちはこっちで飯盛女に入れ揚げて悪の道に走っちゃうし最後は適当に切られるしで「それ何時の無頼派時代劇?」って感じでさっぱり良い所無いし。
 ぶっちゃけ、一体誰が主人公で何をテーマにしてるのか最後までさっぱり分からず、最低の読後感でした。


【総評】:松平上総介に関する現在入手可能な唯一に近い書籍だから、何とか最後まで読んだけど、これは酷い。これじゃ電撃大賞も無理ですよ、センセw