『歴史読本
二〇〇〇年八月号 特集・新選組全史』
「特集・新選組全史」と銘打ち、新選組研究の最前線を以て新選組の全活動を洗い直した労作。特徴としては、執筆者の殆どが本職の新選組研究者である事。昨今の史実見直しブームに乗っての事と思われるが、一昔前の新選組特集で有れば絶対に顔を出した筈のTVプロデューサー、放送作家、小説家等は完全に姿を消しているのは歴史読本らしくないとさえ云える徹底振り。尤も、此は研究者サイドの変化の表れかも。昔の歴史研究者と言えば下部構造の生産形態の変化にのみ集中し、それ以外の事象は全て枝葉末節扱い。新選組なんて研究しようものなら「此の反動主義者め!」等と自己批判を求められるのは必至だったからなぁ。最近はマルクス主義の退潮のお陰で、研究者が語る新選組の見方も「人斬り封建反動ドキュソ」から「幕臣の一形態」に変わってきて居るみたいだし。
書いてある内容の有用さもさる事ながら、業界の変貌も見られて非常に有意義な一冊。ファンなら必ず手元に置いておきたい一冊。