3) 装備品
保存食 20文
干し飯、団子、餅等の携行用保存食を指します。街道を歩いている限り宿場町・茶屋は完備されているのでまず必要ありませんが、山中に踏み込んで行く時等には使用する事もあるでしょう。自作する事も簡単で、その時には簡単な台所と極安価な材料が必要です。もっとも、新選組隊士が公務で出張する時には、小荷駄方から支給されますが。
基本的に賞味期限は2週間です。
鍵開け器 3分
上質鍵開け器 5両
鍵開けを行う際に必要です。もし鍵開け器なしで有り合わせの道具で鍵を開けようとすると、−3の修正が付きます。上質鍵開け器を使うと+3の修正を受ける事が出来ます。
どちらも通常の流通経路では手に入れる事は出来ず、盗賊等に知り合いが居なければ入手出来ません。
着物 1両〜
裃や羽織袴といった武士の着物の最低価格です。なお、古着なら100文で済みますが、その時には家紋が合っていない為に大いに恥をかく事でしょう。女性の着物もこれに準じます。質の良い物を求めるなら値段は天井知らずに上がって行きます。京都は江戸時代の着物文化の頂点です。有名な染物屋、優れた仕立屋、そしてデザイナーとも言うべき着物の達人達が、京都に密集してその腕を競っています。
小物はもっと安く、足袋は一足銀十二〜十六匁くらい。無地手ぬぐいは嘉永年間に116〜224文、慶応年間に300〜350。諸物価の暴騰を表す数値と言えよう。
下駄 50文
紙製の鼻緒の付いた並の下駄です。上質な物は100文程度、革製の鼻緒の付いた物は銀2〜3匁と言う高価な物であったので、庶民には12文の藁草履や12〜16文の草鞋を愛用していました。この他にも、角が丸く、赤塗りの、低い外法下駄は1足銀10匁、女物の高級な下駄は1足1分2朱〜3分、さらには金黒漆塗でビロードの鼻緒の付いた15両の超高級下駄まであり、贅沢をしようと思うと幾らでも金をかける事が出来るのは他の装身具と同じです。
傘 1貫文
竹の骨に紙を張り、油を塗っただけの質素な番傘です。但し、これも高級な蛇の目傘になると、金1分等の高額が付けられます。番傘は磨いた竹の骨に高級な和紙を貼り、模様を付けた物です。
扇子 3匁〜
3匁程度の安物の扇子には、大抵松影に帆掛け船、と言う構図の絵が描かれていた様です。オーダーメイドで、品質を向上させたり、オリジナルの絵を入れる場合には、GMが適宜判断して価格を増やして下さい。
火打ち石 30文
いわゆる火打ち石です。ここでは意外と火を付けるのに時間が掛かると言うことだけ再確認して置きましょう。手慣れた人でも大きな火を起こすには1分位かかります。
蝋燭 200文
夜の明りである事は言うまでもありませんが、当時は高級品で、庶民はなかなか使えませんでした。しかし、幕末の頃にはある程度値段が下がっていた様です。また、蝋燭の中でも太めの百日蝋燭を使用した新選組副長土方歳三のオリジナル拷問は有名です。新選組隊士必須のアイテムと言えましょう(?)。一本で8時間使えます。
提灯(ちょうちん)
250文(ろうそくとセット)
夜間・屋外用の明りです。蝋燭が風で消えないように周囲を紙と竹で覆った物です。周囲の紙に文字や模様が描かれている事が多く、商店に務めている者なら店名、武士なら藩の家紋、捕り方なら有名な「御用」の文字が描かれており、提灯を見れば暗闇でも身分が分かるという便利な一面もあります。新選組には「誠」の字の下にだんだら模様を描いた物と、上に赤くだんだら模様を付けてその下に「誠忠」と黒く書いた物の2種類が置いて有ります。
油 1升/400文
蝋燭よりも一般的な明りです。油を受け皿にいれ、その中に糸を縒った芯を浸し、芯の先に火を付けます。油一升は20時間分の明りですが、皿に乗る油は1時間分が限度でしょう。足の長い台の付いた皿で室内用の明りに使ったり、小皿を使って廊下等を見回る為に使います。しかし、屋外では風が強いので長時間は使用できません。
油は蝋燭よりも経済的であり、入手し易いという特徴がありますが、やはり高価なものである事に代わりはなく、庶民は夜になったら明りを使わない内にさっさと寝てしまいます。そして、翌日早く起きて、仕事をするのです。こうすれば夜の間油を使う必要が無いので、いわゆる「早起きは三文の得」というわけです。
縄 1m/2文
普通の縄。しかし、先端に鈎の付いた物は、普通の商店では売っていません。忍器としてなら、そのテの商人から買う事も出来ますが、50文余分に払わなければなりません。
携帯用の筆と硯(すずり)
500文
長さ30p程の真鍮製の円筒で、先端に円盤が付いています。円筒の中には筆と墨が、円盤の中には硯が入っています。現物を見るには松尾芭蕉関係の本を探せばおそらく彼が使っていた物が掲載されていると思います。
本 500文〜
滑稽本から学術書まで、江戸時代には盛んに木版の本が出回りました。ここで挙げた500文の本は16頁程の物ですが、全て木版刷りの手作りですから、かなりの値段になります。その為都会では貸本屋が流行し、背中に文庫を背負った貸本屋が色々な家を回る風景は珍しいものではありません。
一方、海外からの輸入書は値段は印刷技術のおかげで安い筈なのですが、品薄なのでその価格は付けようが無いといった所が実状です。その写本も、手書きの物が多い為これまた天井知らずに値段が付いてしまいます。大坂の適塾等の私塾では、先生が生徒に写本を創る事を許していたので、貧乏な学生は写しを売って生活費にしていたといいます。ちなみにオランダの兵書『ソルダート・スコール』は8冊で50両、蘭和辞典『ヅーフハルマ』は日本橋の本屋で全58巻60両だったそうです。GMは、これら実用的な洋書を手に入れたキャラクターは何らかの技能が向上する事にしても構いません。
新聞 1朱
横浜居留地で出版されている植民地新聞です。京都では購入は不可能ですが、大坂や神戸なら購入が可能です。また、定期購読にするとボーイさんが新聞を運んでくれますが、京都で購読しようとした場合は2倍以上の料金を取られた上に、どうしても1週間に1度、一週間遅れの新聞が届くだけでしょう。
しかし内容は日本人でも知り得ない様々な諸藩や幕府の動向が克明に記されており、外国公使館の情報網の精密さに驚かされる事でしょう。
現在、日本では植民地新聞はアメリカ、イギリスとフランスのみが発行しています。新聞を読むにはそれぞれの言語を知らなければならないのは言うまでもありません。但し、アメリカの新聞は和訳してあるので、英語を知っている必要はありません。
瓦版 4〜30文
瓦版屋が製造し、街頭で景気良く記事の内容を説明しながら販売する木版の出版物です。分量は1枚綴りから7枚綴りまで様々であり、おおよそ1枚に付き4文の価格です。出版は不定期で、大きな事件が有った翌日や、瓦版屋が耳寄りな情報を仕入れた時に売り出されます。形式は様々ですが、事件を描写した絵が大半を占め、読者の視覚に訴える事が多くありました。内容は、大抵一つの事件に絞って報道されます。その内容は現代における週刊誌と同様、ゴシップ的な内容の記事やいい加減なデマが主流を占めます。しかし、彼ら瓦版屋は意外な所に様々なネットワークを持っているので、その内容が新選組の活動の大きな助けになる事もあるかも知れません。
幕末当時に京都で発行された瓦版の主要な内容は黒船蒸気船、関東六州・大坂湾の海陸御固場所附の絵図や役人の一覧表、御台場や貿易場図、西洋人肖像等です。
治療道具 3分
応急処置用の簡単な救急セットです。医術技能に+1の修正があります。
薬箱 7両
医者が手に提げたり従者に持たせたりして持ち歩いている薬箱です。中には診察・応急処置のための器具が入っており、また10回分の傷薬が入っています。この中の傷薬は通常の傷薬とは異なり、HPの1/2を越えて負傷を全快させてくれます。
傷薬 1000文
(1両で10個)
この世界でのみ使用される伝説の傷薬「蝦蟇の油」です。なお、ここに挙げられた全ての薬は史実の「蝦蟇の油」等に比べると恐ろしく高価ですが、その分確実に効果があります。
この薬は傷口に塗り付つけると使用者の医術レベル分だけ傷が回復します。当然戦闘中は使用できず、効果は外傷だけに限ります。また、この治療はあくまで応急処置であり、軽傷の傷しか回復しません。それ以上は医者に診察して貰わなければなりません。医者については第4章「負傷からの回復」を参照して下さい。
解毒薬 1000文
(1両で10個)
江戸時代に一般的に使用された万能薬で、「養生丸」の名前で庶民にも親しまれている安価な薬です。小麦粉に蜂蜜と朝鮮人参を加えて練った丸薬ですが、何故か風邪の他にも全ての病気・毒に効くとされていました。
この薬を飲むと、効果を及ぼしている体内の毒物を1時間の内に解毒してしまいます。ただし、GMが特に定めた特殊な毒にはこの薬は無効です。また、病気に対する耐性も付き、病気に関連した抵抗判定に+2の修正を得ます。
朝鮮人参
1斤(約600g)/62両
江戸時代に最も有効とされた有名な薬草です。ウコギ科の多年草で、原産地は朝鮮半島から中国東北部ですが、江戸時代中期以降は国内生産も進められます。しかし、依然としてその量は少なく、幕末に至って西洋医術の進展に依って朝鮮人参の必要性が薄らぎ、極端に価格が下がっても、やはり庶民には全く手の出せない薬草でした。
この薬草を医術技能で処方して服用すれば、1週間の内にあらゆる病気と毒が回復します。
石田散薬 2000文
(1両で5個)
武蔵多摩郡の郷士土方家に伝わる秘伝の万能薬です。原材料は「ミゾソバ」と云う蓼の一種です。土方家では此の草を毎年土用丑の日に刈り取り、草一貫目(3,750g)を十分の一の百匁まで天日で乾燥させ、此を黒焼きにして鉄鍋に入れ、酒を適量散布した後に薬研に掛けて粉末にします。
此の薬は江戸では何処でも売っていますが、京都に於いては新選組隊士しか購入する事は出来ません。なお、価格は隊士特別割引となっています。
この薬1匁(3.75g)を熱燗の日本酒で呑むと、使用者の医術レベルの二倍だけ、負傷が回復します。当然戦闘中には使用できません。この薬による治療は、あくまで応急処置です。その為、軽傷の傷しか回復しません。それ以上の回復を望むのなら、医者に診察して貰うしか有りません。医者に関しては、第4章「負傷からの回復」を参照して下さい。
また、服用すれば毒と病気に対する抵抗力が付き、それらに関する抵抗判定に+3の修正が得られます。
猶余談ですが、土方家では此の薬を戦後まで作っていたと云われております。しかし、薬事法の改正に合わせて成分分析が行われ、結果「無益・無害」と云う判定が下され、自然消滅してしまったそうです。
乗用馬 一頭25〜30両
武士用の乗用馬です。尤も優れていたとされ、他藩の産馬改良にも貢献した南部藩の南部馬を始めとし、仙台藩の鬼首馬、三春駒、木曽馬、淡路馬、対馬馬、島原馬、阿蘇馬、薩摩馬などが代表的な馬の産地です。
しかし、西洋馬が登場すると日本馬の弱体は明白なものになります。先ず目に付くのが圧倒的な体格の差です。見上げるほどの西洋馬に対して、日本馬は大柄な人が乗ると足が着いてしまうほどに小さかったと云われています。此は日本馬が元来体格貧弱であったことも理由の一つですが、寧ろ平和な時代が長く続き、体格雄偉な軍馬よりも運送用の小荷駄馬の需要が高まったからです。
また1853年にイギリス公使館から蹄鉄の撃ち方を学ぶまでは、蹄鉄がありませんでした。更にこれらの日本馬は去勢されていなかったので、牡同士が近付くと喧嘩を始め、牡と牝が近付くと盛りだし全く集団行動を行う事が出来ませんでした。パリ万博に出品したところ、乗用馬と言うよりも珍獣として持てはやされた程です。利点としては、性格が軽捷で、乗用馬としては満足できる能力を持つ事、牽引力は低いが耐久力が高く、農作業には向いている等が挙げられます。
こうした欠点はフランス軍事顧問団の騎兵将校カズヌーブに依って指摘されては居ましたが、幕府は乗用馬の改良等興味を示しませんでした。幕末には慶応年間にフランスから徳川慶喜にアラブ種軍馬23頭が贈られていますが、品種改良には用いられず大名に分与され散逸しています。
天保十三(1842)年に幕府は馬の値段の上限を25両に設定しました。また名馬でも、30両を越えては成らないと命令しました。
阿片 1回分/1両〜10両
芥子(けし)の実を干してすりつぶした薬品です。かつて津軽藩が芥子の実の煮汁を丸薬に混ぜて「一粒金丹」と名付けて売っていた事から、「ツガル」と云う隠語で呼ばれる事もあります。
芥子の栽培は禁止されてはいませんが、実際栽培している人がいればかなり目立ってしまうでしょう。また製造法も余り知られて居らず、かなり珍しい薬品です。阿片を入手するには、いかにも外道に見える薬剤師や医師に頼む等の特殊な流通経路を使用する必要があります。
この薬を飲むと、苦痛を感じなくなり、1D6を振って次の指示に従います。
1,筋力+3,敏捷もしくは器用−3
2,敏捷もしくは器用+3,知力−3
3,知力+3,抵抗力−3
4,抵抗力+3,筋力−3
5,筋力×3,性格完全逆転
6,全能力値+3,ただし使用後は1時間気絶
効果は10分間続き、その後キャラクターは昏睡状態に陥ります。阿片を使用したキャラクターはその度にHPを永遠に1失います。どの効果が出るかは全くランダムですが、どれか一つになるように「調整」された阿片もあります。これらの阿片は市価の10倍で取り引きされます。
埃眼鏡 22文
薄い木の板に横に隙間を入れただけの眼鏡。
江戸の市中は舗装されておらず、酷い砂埃が立ったので、こうした眼鏡は冬の江戸では必需品だったとか……。
〜装備品価格一覧表〜
| 品目 | 数量 | 価格 | 備考 |
| 保存食 | 1日分 | 40文 | 一日分三食 |
| 鍵開け器 | 3分 | 鍵開けに修正 ±0 | |
| 上質鍵開け器 | 5両 | 鍵開けに修正 +3 | |
| 着物 | 一揃え | 1両〜 | |
| 下駄 | 1足 | 50文 | |
| 傘 | 1本 | 1貫文 | |
| 火打ち石 | 30文 | ||
| 蝋燭 | 1本 | 200文 | 1本8時間 |
| 提灯 | 1張 | 250文 | 蝋燭とセット |
| 油 | 1升 | 400文 | 20時間分 |
| 縄 | 1m | 2文 | |
| 携帯用の筆と硯 | 1セット | 500文 | 筆、墨、硯の各1個セット |
| 本 | 16頁 | 500文〜 | 価値・状態に比例して価格上昇 |
| 新聞 | 1日分 | 1朱 | 配達の場合は2朱 |
| 瓦版 | 1部 | 4〜30文 | 1〜7枚綴り |
| 治療道具 | 3分 | 医術技能+1 | |
| 薬箱 | 7両 | 傷薬とセット | |
| 傷薬 | 1回分 | 1000文 | 医術レベル回復 |
| 解毒薬 | 1回分 | 500文 | |
| 朝鮮人参 | 1斤 | 62両 | |
| 石田散薬 | 1回分 | 2000文 | 医術レベル×2回復 |
| 馬 | 1頭 | 25両 | 名馬なら30両 |
| 阿片 | 1回分 | 1両 | 調整済10両 |
| 埃眼鏡 | 1個 | 22文 |