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佐賀藩
 佐賀藩は福岡藩黒田氏と交替で長崎警備に当たる九州の雄藩で、海外事情に対する関心も深い物があった。しかし、泰平の中では其の警備が時代遅れの物になる事は避けられず、遂にフェートン号事件で侵入してきたイギリス軍艦に良いように弄ばれ、長崎奉行が責任を負って切腹すると云う屈辱を受けた。以来、佐賀藩は洋式化に全力を傾け、特に幕末には名君鍋島閑叟を迎えて改革を推進、当時の日本でも有数の海軍を生み出した。
 人材の面では長崎海軍伝習所に諸藩に先駆けて大人数を派遣した。此処では理化学の基礎から教えなければならない他の藩の伝習生と異なり、佐賀藩士は当初より理化学の基礎を学んでいた為に教えやすいとオランダ人教官にも好評で、却って旗本出身の伝習生に嫉視されることさえ有った。此処で育った人材は、天才的な人物こそ出はしなかったが、層の厚い人材を準備し、明治海軍の基礎を設定する際には主力として活躍する事になった。
 佐賀藩の艦船は乗組員が優秀で整備が良く行き届き、スペック以上の能力を発揮する。また、非常に重武装であり、一覧表においては備砲の無い船も密かに佐賀藩製アームストロング砲を装備している可能性がある。

延年 金花丸
皐月丸
甲子丸
秋芳丸
神効丸
晨風丸
電流 日進
飛雲丸 孟春 該当無し 凌風丸 該当無し

 

延年
所属: 佐賀藩 延年
艦長:  
艦種: スクーナー級砲艦
材質: 木骨木皮
機関: 蒸気内車(スクリュー2本)
マスト:
備砲:
70斤アームストロング前装旋回砲1門
70斤アームストロング砲2門
40ポンド砲1門
30ポンド砲1門
他4門
定員:  
全長:  
全幅:  
排水量: 700t
出力: 140馬力
速力: 7ノット
解説:
 原名「カレドニア」。1868年英領香港で建造され、同年11月に佐賀藩が英国より購人。一説には「電流」の同型艦とも称するが、国籍も諸元も異なるので詳細は不明。戊辰戦争に出動し、新政府軍の中核として活躍した。

 

金花丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: 輸送船
材質: 木製
機関: 蒸気内輪
マスト:  
備砲:  
定員:  
全長:  
全幅:  
排水量: 200t
出力: 30馬力
速力: 4ノット
解説:
 1869年購入。

 

皐月丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: 仮装軍艦
材質: 鉄製
機関: 蒸気内車
マスト:
備砲: 7門
定員:  
全長: 51m
全幅: 7.7m
排水量: 370t
出力: 85馬力
速力:  
解説:
 1863年イギリス・ラスコ-製。原名「エド」。1866年5月長崎に於て英商より購入。本来は輪送船として建造されたが、鉄製の大型艦であったので武装して軍艦として使用した。

 

甲子丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: 仮装軍艦
材質: 鉄製
機関: 蒸気内車
マスト:
備砲: 8門
定員:  
全長: 54.8m
全幅: 8.1m
排水量: 500t
出力: 140馬力
速力: 8ノット
解説:
 1857年英国製。原名「カルチーテ」。1864年9月長崎に於て英商より購入。本来は輸送船として建造されたが、鉄製の大型艦であったので佐賀藩は武装して軍艦として使用した。

 

秋芳丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: 輸送船
材質: 鉄製
機関: 蒸気内輪
マスト:  
備砲:  
定員:  
全長:  
全幅:  
排水量: 500t
出力: 50馬力
速力: 5ノット
解説:
 1868年購入。

 

神効丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: 輸送船
材質: 鉄骨木皮
機関: 蒸気内輪
マスト:  
備砲:  
定員:  
全長:  
全幅:  
排水量: 1200t
出力: 200馬力
速力: 11ノット
解説:
 1870年購入。

 

晨風丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: カッター級輸送船
材質: 木製
機関: 帆走
マスト:
備砲:  
定員:  
全長: 21.6m
全幅: 5.7m
排水量: 50t
出力:  
速力:  
解説:
 安政五(1858)年四月十一日に佐賀藩が肥前三重律造船所で独自に建造した洋式帆船。当初、佐賀藩は蒸気船の開発を志したが流石にそれは不可能と悟り、模型の作製のみにて終了。今度は帆船に目標を改めて、前年購入の「飛雲丸」を参考に建造した。幕府艦「長崎形」とも姉妹艦である。
 戊辰戦争に際しては箱館に出撃。陸奥国龍飛岬で座礁、使用不能となった。

 

電流
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: クリッパー級コルベット
材質: 木骨鉄皮
機関: 蒸気内車
マスト:
備砲: 21門
40斤前装式アームストロング砲1門
16p砲4門
30斤砲4門
2インチ砲4門
12斤カノン砲4門
11斤砲4門
定員:  
全長: 45.4m
全幅: 7.6m
排水量: 800t
出力: 100馬力
速力: 6ノット
解説:
 原名「ナガサキ」。1858年オランダ・ロッテルダム及びアムステルダムで建造され、同年11月に佐賀藩がオランダ政府より購入。木製ながら本格的な軍艦であった。後に明治政府に献上。幕府「咸臨丸」・「観光丸」と佐賀藩の「延年」とは姉妹艦に当たるらしい。
 明治四年解体。

 

日進
所属: 東海鎮守府
艦長:  
艦種: バーク級巡洋艦
材質: 木造
機関: 蒸気
マスト:
備砲: 10門
定員:  
全長: 61.9m
全幅: 9.7m
排水量: 1350t
出力: 710馬力
速力: 11ノット
解説:
 1869年オランダ・ドレクトルト市製。佐賀藩が発注し明治3年五月長崎で受領、すぐに献納。
 木造で構造自体は旧式ながら、新型かつ大型という事で重宝されたらしい。西南戦争では熊本県河内・塩屋の薩摩軍を艦砲射撃し、政府軍の上陸作戦を支援した。その他、海上封鎖作戦や輸送艦の護衛等に従事した。
 明治十八年、第一線を退いて練習艦となり、明治二十五年には廃艦となった。

 

飛雲丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: スクーナー
材質: 木製
機関: 帆走
マスト:  
備砲:  
定員:  
全長:  
全幅:  
排水量:  
出力:  
速力:  
解説:
 1857年4月10日購入。佐賀藩が初めて購入した洋式船であり、12日には引き取り、26日には勤務心得を発令する等非常に張り切っていたようだ。

 

孟春
所属: 佐賀藩 孟春
艦長: 中牟田倉之助
艦種: スクーナー級砲艦
材質: 鉄骨木皮
機関: 蒸気内車
マスト:
備砲: 6門

12cm砲 2門
70斤アームストロング砲 4門

定員:  
全長: 40.5m
全幅: 6.3m
排水量: 357t
出力: 191馬力
速力: 12ノット
解説:
 原名「エウジニ-」。1867年イギリス・ロンドンで建造され、翌年一月に佐賀藩が長崎に於て英商人より88,500両で購入した新造軍艦。小型であるが、高性能である。
 同年二月には日本で始めての「艦隊任務」についた。即ち二月三十日に、大原俊美(としみ)海軍先鋒総督がこの「孟春」と鹿児島藩の「豊端丸」、久留米藩の「雄飛丸」計3隻の連合艦隊を率いて、佐賀・鹿児島・久留米三藩の兵を大坂から横浜まで輸送する任務についたのがそれである。この任務は大過無く終ったが、その後東北に出撃した際には最中南部藩領の八戸海岸で停泊中に強風を受けて錨を切られ、砂浜に擱坐してしまった。艦はすぐに救出されたが、乗組員は大いに恥辱を感じ、その汚名を返上すべく五稜郭攻略戦に活躍。幕艦回天・蟠竜の捕縛に功績があった。
 後に明治政府に献上。函館戦争に従軍し、その海上勢力の中核として活躍した。
 多くの幕末に活躍した艦船が、明治政府に於てすぐに老朽の為に廃艦とされるのに対して、この船は明治初年になっても活躍を続けた。
 なお「孟春」とは春の始め、即ち旧暦正月の事である。

 

凌風丸
所属: 佐賀藩  
艦長:  
艦種: 輸送船
材質: 木製
機関: 蒸気外輪
マスト:
備砲:  
定員:  
全長: 18.1m
全幅: 2.7m
排水量:  
出力: 10馬力
速力:  
解説:
 1863〜1865年に佐賀藩が肥前三重律造船所で独自に建造した洋式蒸気船。小型で出力も低いが、日本初の国産蒸気船として日本造船史上に燦然と輝く一隻である。本船は藩公の座乗船として活躍するも、明治三年五月には有明湾で浅瀬に乗り上げて座礁。これを曳航して修理後、外国に売却された。

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