A novelist room


 それでは、第一作目を披露します。
 初めなの読んだ方色々感想などください。

 北風が吹きすさぶ2月15日午前9時25分新田新太は自転車に乗っていた。
 黒のトレーナーと色落ちしていないジーンズ真冬には少し肌寒い服装である。
 「ハックション・・・風邪引いたかな?」
 ズボンのポケットから携帯電話を取り出しちらりと携帯電話の時計を見ると9時35分。
 「やべっ遅刻する。」
 勤務先のヨネムラ引越しセンターは地元の蒲生を中心に、引越しから模様替えのお手伝い、お年寄りや障害者の送迎など手広く活動している。
 だから引越し屋というより何でも屋である。
 高校卒業後、何をする当てもない新太を父の飲み友達である大野氏が、春の忙しい時期の臨時アルバイトとして誘ってくれたのだ。
 新太としても11ヶ月間暇をもてあましていたので短期のバイトだということも手伝い働くことにしたのだった。
 そして今日は、新太が入社してから3日目初めての引越しの仕事をする日である。
 だから絶対に遅刻するわけにはいかない。
 寒さに震える腿に渾身の力を込めてペダルをこぐ。
 足の指先が冷たくなっているのが感じられる、ふと明日から靴下二枚履きにしようと思った。
 ヨネムラへの道は始めこそ遠回りになったりしていたが、最近では商店街を通過するコースを発見して自宅からのベストタイムは10分だ。
 全速力で行けばまだ間に合う。
 「ハァハァ」
 口から白い息が漏れる。
 横断歩道を渡り反対方向から走ってくる女性にこの汗だくの顔を見られないようにうつむきかげんで横を通り過ぎ。
 農協の前を通過する際に時計を見ると9時43分。
 通りを左折したらはもう目前。
 足の力を緩め呼吸を整え手のひらで汗を拭きながら新太は左折した。
 トラックにエンジンがかかっているが運転席は空いている。
 「ぎりぎりセーフ」
 急いで自転車の鍵をして、事務所の中に入った。 
 「おせーぞ」と新太同じ臨時アルバイトの加藤幸一が新太の横を通りトラックに向かう。
 加藤は新太と同じ中学でやはり親が大野氏の飲み友達なのだ。
 「ごめん、社長は?」
 「今電話で確認とってるよ、お前も早く乗れよすぐ出るって言ってたぞ」
 「わかったすぐ行くよ」新太は急いでユニフォームに着替えた。
 ヨネムラを出発してすぐに今日の仕事を聞かされた。
 「新太、幸一今日は一人暮らしの引越しだから早く終わるかもな」
 「だからって手抜きすんなよ」
 大野氏は冗談混じりにそう言った。
 新太も幸一も、友達みたいに接してくれる大野氏が好きだったので仕事がすごい好きだった。
 そんなことを言っている間に今日の依頼主の住むマンションコスモタウンに着いた。
 依頼主は二十七歳のOLで菅野裕子というらしい。
 普段から女性の部屋に入ることのない新太はえらく緊張していた。
 コスモタウンの管理人にはあらかじめドアをあけっぱなしにしてっもらっておいたので三人はエレヴェーターに乗り菅野の住む708号室の前に来た。
 ピーンポーン・・・ピーんポーン・・・
 幸一が「トイレでも入ってんじゃないの」とくだらないことを言いながらもう一度インターフォンを鳴らす。
 ピーンポーン・・・ピンポンピンポンピンポン・・・
 いない?
 大野氏が「おかしいな三十分前にはいたんだが。」
 幸一は菅野の自宅に電話をかけている。
 新太は通路から身を乗り出し下を見てみた。
 さすがに七階だけあって結構高い。
 「社長でないっすよ」
 「しかたない新太とりあえず管理人のところに行くぞ」と大野氏が言ったので玄関をを離れたその時
 新太の目の前に通り女の人が落ちていったのである。
 ドン・・・大野氏と幸一が下をみると、コンクリートにぶつかってバラバラになった何かが飛び散っていた。


 パトカーのサイレンが遠くで鳴り響いた。
 四、五人ぐらいの若い男の子達サイレンの方に駆けていく。
 「何かあったのかしら?」
 川田瑞枝はワイドショウを見ているときと同じ表情で不安なんだか自分も野次馬になりたそうにパトカーの止まった先を真剣に見つめている。
 「この近所みたいね、ミッちゃんちょっと見に行かない?」
 どこにでも必ず一人はいるであろう典型的なおばちゃんファッションを着飾った中島恵美子が返事も聞かずサイレンの方へちかずいていく。
 「恵美ちゃん待って危ないんじゃないの」
 すると恵美子は昔からまったく変わっていない好奇心が湧くともういてもたってもいられないという感じに早口で
 「大丈夫よ。もうパトカーも来ているみたいだし、早く行かないと何も見れなくなっちゃうわよ」
 そう言って恵美子はじれったそうに瑞枝を見る。
 「恵美ちゃんは昔から強引なんだから」と言いながら恵美子を追いかけた。

自作小説の続き