tach雑記帳

岡崎京子
或いは
愛と資本主義

 岡崎京子関連書籍

岡崎京子をテーマとした書籍(作家論・作品論・特集雑誌等々)もかなり増えてきました。
ここでは、そのうち、個人的に気になっているものを、あくまで主観に従ってセレクトし、紹介かたがたコメントを付けてみました。

もっと他に紹介すべきものがあるとか、コメントが気にくわないとか、ご不満の向きも多々あろうことかと思われますが、ご容赦ください。ご意見・ご希望等は、お手数ですが、メール掲示板でどうぞ。

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since 2003.01.06
by tach


椹木野衣「平坦な戦場でぼくらが生き延びること」筑摩書房2000.12.15
平坦な戦場でぼくらが生き延びること 個人的に一番しっくりするものを感じる岡崎京子論です。
筆者は著名な現代美術評論家。動物的直感の赴くままにひたすら強引に飛ばしまくるそのスタイルは荒っぽく、細かいことを言えば気になる点も多い。でも、全体としてみれば、結局、一番肝心な点をがっしりと把握しているような気がします。何よりも、作品を社会全体と結びつけながら読み解いて行こうという基本姿勢に共感を覚えます。岡崎作品は、「今」という時代の「感触」を足場としながらも、その視線は常に「未来」に向けられていたのだという「エンディング」も美しい。
椹木野衣が、岡崎京子という「音楽」に乗って岡崎京子という「主題」を、まるまる単行本一冊分たっぷりと、「カラダをはって踊って見せた」ライブ感あふれる記録とでも呼ぶべきか…(2003.01.06新規、2003.01.09改)

「文藝別冊 総特集 岡崎京子」河出書房新社2002.03.31
別冊文藝岡崎京子を読み始めた人のために、作家の全体像を紹介した標準的な一冊を選べ、と言われたら、これを推します。
単行本未収録作品の再録・本人インタビュー(これも再録)・作家論・作品論・作品紹介等々と内容が豊富でバランスがとれている。再録された単行本未収録作品「初恋・地獄篇」はなかなかの佳作。吉本ばなな・宮台真司・椹木野衣というビッグ・ネームをそろえたインタビューも目をひきます。
推薦コメントはここまで。以下、個人的感想です。
あくまで個人的感想ですが、吉本ばななと宮台真司のインタビューが期待はずれでした。期待が大きすぎたのか? たとえば、吉本ばななのインタビューは、岡崎京子に対する同業者(クリエーター)としての共感にはあふれているものの、その共感が肝心の岡崎京子の作品そのものには届いていないように感じられました。言い換えれば、岡崎京子という「人」が吉本ばななにとって「特別な人」であることは十分わかるけれども、岡崎京子の「作品」が彼女にとって「特別な作品」であったということは感じ取れなかったのです。宮台真司の場合は、岡崎京子に名を借りて宮台真司自身の思想を語ってしまったような…。自分の理論にとって都合のいいところだけを抜き出して岡崎を語ったのだが、真に語るべき岡崎の本体がそこから抜け落ちているような感じとでも言いましょうか… その抜け落ちたものとは何か、自分自身もはっきりと説明できないのですが、そこら辺は椹木野衣が時代論・社会論を語りながら結局はしっかりと岡崎京子を語って見せたのと対照的な印象を受けます。
彼らの本業は自分自身のオリジナルな物語を(或いは自分自身のオリジナルな社会観を)語ることなのだから、それはそれで何ら非難すべき筋合いのことではありません。自分を語る才能と他人を語る才能は別なものです。少なくとも私自身は、彼らが語る「岡崎」より、自ら漫画読みと称する人たちが対談の中で語る「岡崎」の方に共感を覚えてしまいました。それはやっぱり、自分自身が「消費者」的な人間だから?
なお、ご愛敬ですが、巻末に資料として収録されている当サイトの「全作品レビュー」改訂増補版もよろしく。(2003.01.06新規、2003.01.07・2003.01.09・2003.05.05改)

「文藝 2001年秋季号 特集 岡崎京子」河出書房新社2001.08.01
文藝2001秋上記「文藝別冊 総特集」が出るきっかけとなった「文藝」本誌での特集号。「別冊」の方に目を通せばそれで十分だと思うけど、ご参考までに紹介。
作者の「文筆家」としての側面をクローズアップするとのことで、単行本の「あとがき」を中心に「岡崎京子が書いた文章」を集めた特集です。
「マンガ家」としての作者が好きな私にとって、正直に言って、こういう類の切り口は、妙に居心地の悪いものです。ほら、あるでしょう、ミュージシャンやマンガ家を引っ張ってきてものを書かせ、これが新しい文学だ!って売り出す手口が…。我が愛する岡崎京子もその手口で利用されるのではあるまいかと疑心暗鬼に…。でも、文芸誌で岡崎特集を組むためには避けられない言訳だったのかも。とにかく、これを機に岡崎京子を読んでみようと思う人が一人でも出てくればそれでいいんだろうけど…(2003.01.06新規、2003.01.09改)




以下、下記ラインナップに続く(予定)
(2003.01.06)

「SWITCH 特集 岡崎京子」スイッチ・パブリッシング1999.12.15

「オカザキズム 岡崎京子研究読本」21世紀BOX2002.08.25


「Quick Japan Vol.12 岡崎京子全単行本レビュー」太田出版1997.02.26


「マンガ夜話 vol.2 萩尾望都・岡崎京子・大島弓子」キネマ旬報社1998.12.26


荒木スミシ「グッバイ・チョコレート・ヘヴン」幻冬舎2001.06



宮崎誉子「世界の終わり」(リトル・モア)










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