私の |
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主要作品の紹介をかねて、自分がどのように岡崎を読んできたのか時系列的にまとめてみました。 何しろ超主観的ですので、以下の文章を読んでも岡崎並びに岡崎作品のことは、恐らく何も分かりません。 個々の作品の内容紹介については「岡崎はこれを読め!」をご参照下さい。 更にまともな知識を得たいと思われる方は星野仁さんが運営されるこちらのページをお薦めします。 http://www.asahi-net.or.jp/~aq4j-hsn/okazaki_kyoko.html 恐らくインターネット上でもっともまともな岡崎ページです。他の岡崎関連ページへのリンクも充実しています。 (1998.01.27追記、1999.06.13デザイン変更)
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presented by tach |
最初に読んだのは「pink」。(ではないことに最近気付いた。詳しくはここを参照のこと。19980919付記)
好きになった。
でも、下手だと思った。
ぎごちないストーリー展開、不自然なキャラクター、あるはずもない、いい加減な設定・・・
だけど、何か「わかる」と思った。今描かれなくてはならないこと−一つの時代を共有する人たちみんなが薄々とは気づき始めているものの、まだ、どうしても「形」にすることが出来ない「何か」−それを描こうと試みている人がここにもいる。
以来、岡崎は気になる漫画家になった。(970820更新)
愛着のある作品集。
「pink」以降、気が向く度に、過去の岡崎作品をぽつりぽつりと買い集め始めたが、どれも今ひとつという感じが拭いきれない。
きらきらと光る何かが感じられるときがある。でも、それがきちんとした「作品」に成り切れていないような気がする。
依然として岡崎は「気になる存在」であったものの、それ以上の存在ではない。「岡崎はいいぞ、みんな読め!」と吹聴して回る気にまではなれない。
そんな中でも、この作品集だけは不思議と何度も読み返した。
何で読み返すのか、自分でもわからない。
そしてある日、ふと気がつくと、バブルの中で疲弊していた自分の心はいつの間にか癒されていた・・・
あなたはバブルの時代が好きでしたか?
誰もが「得体の知れない欲望」に引きずり回され走り回り、自分を見失っていたあの時代・・・最低だ、大嫌いだった・・・に新しい世界の見方を教えられるまでは・・・
突っ走れ、
暴走するエヴァ初号機が使徒を喰らいS2機関を自らのものとした(注1)ように、「得体の知れない欲望」をむさぼり喰らい、「自らの欲望」とするんだ!! 生きろ!!!(注2)
| 参考文献 |
| (注1)−−エヴァが自らと同一の物質として使徒を食らったこと、 これはエヴァ全体の構造が資本主義経済のすぐれた隠喩であったことが 明らかにされた名場面であった。−− 中谷礼仁『エヴァンゲリオン・グッズの戦場−前衛からのルポタージュ』 森川嘉一郎編「エヴァンゲリオン・スタイル」(第三書館)に収録 尚、この評論集は数あるエヴァ本の中でも出色の出来だと思うのですけど 如何? |
| (注2)宮崎駿「もののけ姫」 |
(970820更新)
「出来損ないだ」という書評を読んだことがある。
でも不思議なことに、自分にとっては初めて安心して読めた岡崎作品。
岡崎はもうこれで大丈夫だと本気で思った。今まで出来損ないばかり描いてきたが、でも、こんなふうにちゃんと描くこともできるのだと・・・
そんなに出来が良くないだろうか?
とっても愛らしいおとぎ話ではないだろうか?
私はラストが好きだけどな・・・
「世界を『マツダ』でうめつくそう」
(970909更新)
ハッピィ・ハウスが面白く思えるのと同時に、最初に読んだときは抵抗を覚えた「pink」が急に出来の良い作品のように思えてきた。
「愛と資本主義」という陳腐な腰巻きの文句も、この頃になって読み返してみると、納得がいってしまう。
思うに、岡崎には独特の「文法」と「語彙」があって、それに慣れるまでに時間がかかるのかもしれない。
それまで不自然でぎごちないとしか思えなかった設定やストーリーの展開が、急にもっともなものに思えてくる。
Quick Japanで「ハッピィ・ハウス」をけなした鶴見済も書いている。「まったく唐突に都合のいい人物が現れるなど、不自然で無理な展開が目立ってしまう。」
でも、違う。
「pink」を初めて読んだとき、確かに自分もまったく同じことを感じたのだけど、それは間違いだった。
岡崎京子はそれでいいんだ。
(970909更新)
・・・庵野のラブ&ポップを見た後、この「あとがき」を思い出してしまった。私は岡崎の方がずっと先を走っていると思う。・・・しかしまぁ、岡崎は自分が何物かを、最初から自覚していたのですね。(1998.01.27追記)
暴走する金田さかえ。
このころになると岡崎の語法に完全になじんでしまったせいか、とにかく面白いとしか思えない。
これが岡崎の最高傑作になると信じた。ところが・・・
(970909)
岡崎はこの作品で「化けた」。
もともと岡崎はちょっと毛色の変わった漫画家で「資本主義」とか「市場経済」とか呼ばれるものに関心を持った作家だったけれど、それがこんなに見事な形で開花するとは思わなかった。
彼女が使うのは理論ではない。
彼女は「市場経済」を知覚するための特別な感覚器を備えているようだ。
ウィリアム・ギブスンも、市場経済の問題を鋭く意識した作家だが、作品の中に彼の詩が引用されるのも決して単なる飾りではない。
二人とも「市場経済」と呼ばれるものが「人間」の定義すら変えてしまうことを明確に意識している。
しかも、岡崎の透徹したまなざしは、ともすればドロップアウトのコミュニーティーのようなものに希望をつないでしまいがちなギブスンの感傷を、凌駕しているような気がしてならない。
この項続く。
(970909)