粗筋の細部まで紹介していますので「リバーズ・エッジ」未読の方はご注意下さい。
山田君の宝物、ヤブの中の死体
午後6時23分。待ち合わせの場所で落ち合うハルナと山田君。
彼らをコンビニの中から見守る田島カンナの友人達の視線。
一方、観音崎君は、クスリを餌に、ルミちんを誰もいない自分の家に呼び出す。罵り合いながら服を脱ぎ始める二人。
その頃山田君はハルナの先に立って川べりの空き地のヤブをかき分けどんどん進んで行く。
鼻からコカインを吸入する観音崎君とルミちんのカットバック。
あった、これが僕の宝物だよ
山田君が嬉々としてハルナに指し示したのは、ビニールシートにくるまれてヤブの中に転がる白骨死体。
またもや凍り付くハルナを前に、山田君は嬉しそうに「宝物」を偶然に発見した経緯を語り出す。その背後に広がるセイタカアワダチソウの原っぱ、ビルのシルエット、そして都会の空にぼんやり瞬く星々。
その間にもカットバックされる観音崎君とルミちんのセックスシーン。
何かこの死体を見るとほっとするんだ
自分が生きているのか 死んでいるのか いつも分からないでいるけど
この死体をみると勇気が出るんだ
しかしこの「宝物」は吉川こずえとの共有物だという。ある日、辛いことがあって死体をみにヤブの中に入ったら、先に来ていた彼女と鉢合わせしたのだ。
短く挿入される回想シーン。しゃがみ込んだまま頬杖をついてじっと死体を見つめていた吉川こずえは、突然現れた山田君を無表情に眺めやる。無言で見つめ合う二人。トカゲとトカゲが鉢合わせすればきっとこんな顔をして互いを見つめ合うだろう。
再び現在に戻って、向かい合ったまま無言で死体を見下ろすハルナと山田君。背景にはヤブとビルのシルエットと星空。
それからあたし達は しばらく死体をみていた
「こわい」とか「恐ろしい」とか「きもち悪い」とかの感情を 一応、感じた
でもやっぱ実感がわかない
もしかしてもうあたしたちは すでに死んでいて でもそれを知らずに 生きてんのかなぁと思った
山田、こら。おとなしそうな顔しているくせに、お前は何てぇ奴なんだ。