はじめに (SCENE6へのコメント)
おそらくハルナが草むらの白骨死体と対面したその週の内に訪れた転機。
ヤブの中に一億五千万円が埋まっているという噂が学校中に広まり、生徒達が一斉に川べりの空き地へと押し掛けて行く。
根も葉もない噂の発生源は井上よっちゃんの彼氏タカハシ君。
章の冒頭に置かれたタカハシ君初登場のシーンは印象深い。海の上に林立する櫓というこの不思議な都市の景観を岡崎は何処から見つけ出してきたのだろう? 何のためにあるものなのか知らないが、実際、東京湾の沖合に造成されつつある埋立地には本当にこんな櫓が林立している。葛西臨海公園の展望台に上れば、沖合に霞む実物を目にすることが出きるだろう。この一つのシーンのおかげで物語の世界は一段と広がり、その存在感を増した。