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▼08.諫言
神殿には様々な神官たちが仕えている。足繁く宮殿に出入りを重ねる神官長とその側近を除けば、ほとんどの神官が何らかの意味で天体の運行にかかわる「計算」に直接身を費やしているのだが、その内容は一様ではない。ある者は土星が天空に描く軌跡だけを追い続け、またある者は金星だけを追い続ける。彼らは時に寄り集まり、互いに情報を交換しては、軌跡の交叉や蝕の時期を推し量る。一つの惑星をとっても、軌跡の算出は到底一人の手に負えるものではない。一つの計算を幾つかの部分に分割し、何人もが手分けして取り組むのだ。しかし、中にはこうした計算に関わらない神官もいる。例えば記録係の神官だ。この物静かな人物は、膨大な天象の記録を整理し保管することを専らとしていて、いつでも書庫の周辺をうろうろとしている。片隅で粘土板に読み耽る少年のもとに一番頻繁にやって来て覗き込むのはこの人物だった。少年が相も変わらず古代の粘土板に読み耽っているのを知ると、父上が嘆かれるでしょうなと呟いて溜め息をもらす。少年は怪訝そうに顔を上げる。いや、差し出がましいことを申し上げるようですが、神殿をこうした太古の迷信から救い出し新しい時代に生きのびさせようと人一倍の奮闘をなさっているのは、他ならない、あなたの父上なのですよと、ことばを続ける。なのに、肝心のあなたがこうした有様では…
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