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▼10.地下迷宮
少年は坂を下り続けた。
見捨てられた寺院の地下には蜘蛛の巣のように迷路が張り巡らされている。いつ、誰が、何のためにそのようなものを作り上げたのか、答えられる者はいない。祭壇の裏から始まった通路は曲がりくねりながら地の底へと続いてゆく。自分がどれだけ進んだのか分からなくなった頃、ようやく道は平坦になる。手にした灯火を高く掲げて頭上を見上げてみても光は虚空の中に吸い込まれてしまい、天井まで届かない。揺らめく炎の光が照らし出すのは足下と左右の壁だけだ。少年といえどもこの地下の迷路の全体像を把握しているわけではない。老人が昼の間眠りを貪る小部屋にかろうじてたどり着けるにすぎない。それとて、老人が間違いなく行く手に待ち受けていると確信していなかったら怪しいものだ。さもなければこの正体の知れない暗闇の迷宮の中に完全にたった一人で足を踏み入れる勇気はとても無かったろう。
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