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●日没
やがて夕暮れが訪れ太陽が沈み始める。
僕は東京の市街地の向こうへ沈んで行く太陽の美しさを知っている。汚染された海の向こうに鉄錆色の大気に覆われた街が見えていて、その向こうに煤けた円盤が沈んで行く。荒涼とした眺めだけど、それが僕たちの生活の「真実」が胸を打つ一瞬のように思えてしかたがない。結局のところ、「真実」だけが美しく、僕たちの生命に意味を与える。
ところが、このディズニーランドでは日没を目にすることができない。西に傾いた太陽は園内の建物の群の向こう側に姿を隠すだけだ。茜色に染められた空を仰ぎながら、僕はうめき声を上げる。いったい自分はどこにいるのだろう。虚空の中に宙吊りになったような不安感。ディズニーランドはまさしくどこでもない場所として存在することを意図して形作られたものなのだろうが、何故、人々はそのような存在に不安を覚えないのだろう?
日が落ちると夜空を花火が彩る。
地上を電飾パレードが練り歩き、人々は呆然として見とれる。
こうしたことに何か意味があるのだろうか?
すべては紛い物であり、空虚な張りぼてだ。
人々はどうしてこんなものに自分の身を委ねてしまうのだろう?
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