桜の名所「白川」

雲の波 岩越す滝と みゆるかな 名に流れたる 白川の花

この歌は「長秋詠藻」にある藤原俊成の歌である。

「白川」は洛東、浄土宗の本山知恩院の古門前を流れ、祇園町北側を経て鴨川にそそぐ小川である。街中を流れる川としては珍しくのびやかな風景を呈している。この歌に詠まれる白川は、昔の白川を詠ったもので現在の白川を詠ったものではなさそうだ。現在の白川は左京区北白川の山中に発し、浄土寺・鹿ケ谷を経て南禅寺の西方で疎水に合流しているが、昔はそれより南(三条通北裏)を西へ流れ、末は鴨川へそそいでいた。これが白川の本流であったが、ある年の洪水で水は支流にあふれだし今の白川になったそうである。

 昔は桜や紅葉が咲き競い、川畔には若菜やネゼリ・ウノハナなどが咲き乱れ、大宮人のよき行楽地であった。流域には白河院を始め多くの山荘が営まれて、花見のときは多くの歌人の来遊する地であった。


現在の白川(祇園 新橋)

 

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