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t心にも あらでうき世に ながらえば こひしかるべき 夜半の月かな 三条天皇 |
自分の心からでもなく、このいやな世の中にこの先ながらえていくとしたら、その時になって、恋しい思いがするはずの今夜の月よ。
(出典)『後拾遺集』雑一。百人一首入首歌。
(解説)作者は第67代三条天皇。6年間の在位中2度までも宮中が焼け、そのうえ、藤原道長の圧迫によりわずか4歳の後一条天皇に譲位される。病気がちでしかも目を患っておられ、その生涯は決して幸福とよべるものではなかった。この歌は譲位直前の12月中旬のことと伝えるれる。
この「こいしかるべき 夜半の月」は、単に過去への懐かしさだけでなく、眼を患っていたことからやがて失明して見られなくなる、ということも想像の中に入っている。この悲しみ多き歌とは逆に、道長は我が世の栄華を
この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の かけたることも 無しと思えば
と誇らしげに詠んでいる。