さまよえる遺伝子

 某番組で、遺伝子がそれを持つ人間にどの様に影響しているかを研究したものがあった。興味深かったのは遺伝子の中に刺激を求めたり、冒険心を強くするものがあってこれを持つ西洋人の割合は10人のうち2〜3人、これに対し日本人は100人の中でわずかに1人かそこらだけなのだそうである。私は「自分はこの遺伝子を持つ数少ない日本人の一人かもしれない。」と思い、複雑な孤独感が心の中に渦巻いた。私の中にはいつもどこか遠くへ行きたいという思いがある。季節が巡り、空気が変わるごとにその匂いをかいだり流れを感じて眩暈のような旅への誘惑感を感じるのだ。空や海を見たり、潮の匂いをかいだりしてもその思いは強くなる。その感覚はほとんど本能的、動物的でさえあると思う。ずっと長い間抱えてきたこの疑問が、この番組を見てようやく解けたような気がした。そして安堵と落胆。欧米人が放浪好きな仲間を探すのに10人の人間に会えば2〜3人は見つかるのに日本では100人会って1人いるかいないかなのだから。(冒険家の故・植村直己さんもこの遺伝子の持ち主だったのではないだろうかと思う今日この頃。)
 
 そしてもう一つ、私の中で納得するものがあった。世界における西洋人の存在である。彼らの祖先は大航海時代と、植民地時代を通して世界の多くを我が物にしてきた。主としてイギリス人のアメリカ大陸、オーストラリア大陸略奪、スペイン、ポルトガルの南米大陸略奪である。(植民地の例を挙げるときりがないので代表的なものだけを挙げておく。)特にアメリカという国を建国したイギリス人、主にアングロサクソン系なのだがアメリカ大陸で、ネイティブ・アメリカンを制圧しただけでは飽き足らず、メキシコ人の土地を奪い、アフリカまで行ってそこの原住民を奴隷として連れてきたり、現在では中東まで押しかけて石油の利権を目当てに戦争するわ、オーストラリアにおいてはその地の原住民のアボリジニを制圧し、近年には友好と称して強制的な里親政策(アボリジニの子供を白人の夫婦の養子にする。)を実施するわ、それが間違いだったと気付くと飛行機を飛ばして煙文字でI'm sorry!と空に書くわ、なんというか…怒りを通り越して驚きあきれるいやはや物凄いエネルギーである。



 

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