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うつ病ってどんな病気…? うつ病は、無気力や絶望感に悩まされる心の病気 だれでも気持ちがひどく落ち込んでしまうことはありますが、しばらくするとまた以前の ように元気になるものです。ところが、いつまでたってもふさぎ込んだままで、何事に対し てもやる気がなくなることがあります。これが「うつ病」の典型的な症状です。 仕事や家事はもちろん、あらゆることがおっくうになり、それまで楽しみだったことや趣 味などにも感心をもてなくなります。 やがて、「こんなにやる気がなく、集中力もない自分はだめな人間だ」といった絶望感に うちひがれ、「こんなことは、今後やってはいけないのではないか」という不安が強くなり ます。また、過去を振り返ってはくよくよと後悔ばかりします。そして、「こんな自分はい ないほうがいい」と罪悪感を抱き、自殺に走る人も少なくありません。 時間はかかるがうつ病は必ず治る 無気力感、不安感、絶望感、罪悪感といった精神的な症状は、すべてうつ病によるもので す。ですから、病気さえ治ればつらい症状は自然に消えていきます。完治まで多少の時間は かかりますが、うつ病は必ず治る病気なのです。 一般的に私たちは、体に異常が現れれば「病気」だと認めても、気持ちの落ち込みなどは、 「病気」として認めない傾向があります。 しかし、気持ちの落ち込みが長く続くのは、うつ病という心の病気だからであり、それはス トレスが続いたために心が悲鳴をあげている状態であることを認識して、早めに専門医の治 療を受けることが大切です。 単なる疲れのせいだろうと放置すると。苦痛からいつまでたっても解放されません。 どんな症状なの… ●ひどくふさぎ込み、ときには妄想的でさえあるような強い落ち込みが2週間以上続く。 ●それまで楽しみだったことをしても、おもしろいと感じられれない。 ●趣味などに対する感心が失せ、取り組んでも集中できず、かえって疲れる。 ●休んでも疲れが取れない。 ●気持ちの落ち込みと同時に、眠れない日が何日も続く、体重が減るほど食欲が落ちる。 ●朝は起きられないほど気分が悪く、夕方になると少しよくなる。 ●仕事や家事などをする気になれず、日常生活に支障をきたすようになる。 ●人に会うのをいやがる。 うつ病の種類 【内因性うつ病】 これといった理由もないのに、気持が落ち込み、おっくう感にとらわれるなど、うつ症状 になってしまうケース。これが最近は増えており、別名「軽症うつ病」と呼ぶ場合もある。 治療法としては抗うつ薬を飲む事が第一。そして充分な休養を取ることが望ましい。 【心因性うつ病】 仕事や人間関係などのストレスに悩まされ、その結果としてうつ症状が起きてしまうケー ス。原因がはっきりしているものについては、「反応性うつ病」ともいう。このケースだと、 原因であるストレスの元を断ち切らない限り、抗うつ薬を飲んでも症状が緩和されないこと がある。自分の生活をチェックして、仕事がストレスならば仕事量を減らすなど、何がスト レスになっているかを見極め、それを回避することが大切だ。 【心因性うつ病】 糖尿病やガンなど、うつ病とはまったく違う身体的な病気が進行することによって、二次 的にうつ症状になってしまうケース。 また、「仮面うつ病」と呼ばれるうつ病がある。これは肩こりや頭痛、体の痛みなど身体 的な症状が精神的症状より先に現れて、後にうつ症状が伴うケースだ。原因は内因性の場合 と反応性の場合があり、治療にはそれぞれを考慮に入れた方法が取られる。さらにうつ状態 とその反対の躁状態が1ヶ月から数ヶ月の周期で交替に起きる「躁うつ病」もある。いづれ にせよ、何らかのうつ症状が現れている状態を「抑うつ状態」と呼んでいる。 焦りを捨て、「必ず治る」と信じよう うつ病はよく、長くて暗いトンネルに入ったようなものだとたとえられています。いつま でこのような状態が続くのかわからず、出口がないように感じたり、「もう自分は治らない」 と思い込んでしまうこともあります。 しかし、うつ病は確実に治ります。ある程度の期間が過ぎれば、必ず楽になりますから、 むやみに焦らないことです。焦りや自責の念を抱くことは、治りを遅らせるだけです。それ よりも、この病気になった経験を将来に生かすことを治療のなかで考えていきましょう。 重要な決定は先送りにしよう 焦っていると、問題を性急に解決しようとしがちです。たとえば、生きていることに絶望 して自殺を企てたり、「このままではみんなに迷惑がかかる」と思って、突然会社に辞表を 出すようなこともしまいがちです。 たとえそのような思いに駆られても、病気が治るまでは重要な決定をしてはいけません。 視野が狭くなっていて、客観的な判断が出来ないため、通常では考えられないような事態を 引き起こしやすいのです。 生きる・死ぬの問題や仕事上のことだけでなく、離婚や転居、土地・家屋の売買など、人 生を左右するような重要な事柄の決定はひとまず保留にし、回復してから考えるようにしま しょう。 仕事や家事は人に任せ、とにかく安静を心がける うつ病になる人は、もともと仕事や家事などをほかの人に任せるのが苦手なことが多いも のです。しかし、治療を受けている間は、どうしても自分がしなければならない最低限のこ とだけこなし、あとのことはほかの人にお願いするようにしましょう。 そして、十分な睡眠をとり、休養する事が大切です。会社に勤めている人なら、医師に診 断書を作成してもらって休暇をとりましょう。家事や育児については、家族や友人、親戚な どに強力を仰ぎましょう。 うつ病の人との接し方 うつ病の人に対して、励ましのことばは禁物です。 うつ病の人は、なぜ自分がこんな状態になったのか、これから先どうしたらよいにかと、 ひとりで悩み苦しんでいます。本人がいちばん強く「1日も早くよくならなければ」と思っ ているのですから、周囲の人から「早くよくなってね」などと励まされると、ますます焦り をつのらせてしまいます。 また、「自分は病気ではなく怠けているだけだ」と思っているうつ病の人に対して、 「頑張ってってね」などと励ますと、「やっぱり自分の頑張りが足りないのだ」と自分をさ らに責めてしまいます。その結果、症状はかえって悪化していきます。 先々のことを思い悩んでいる人に対しては、「このような状態ではこれからのことが心配 でしょうね」と共感したうえで、「でも、うつ病は必ず治る病気だから大丈夫」といったこ とばで安心させることが必要です。 主要参考文献 「専門医がやさしく教えるうつ病」水島広子 (PHP研究所) 「図解うつ病克服マニュアル」上野玲 (同文書院) |