EVE The Lost One
| 機種 | ジャンル | メーカー | 発売日 | 価格 |
| サターン | マルチサイトADV | イマディオ | 98/3/12 | 7,800円 |
- DATA
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セガサターンに移植されて好評を博した「EVE burst error」の続編。本作から移植ではなくサターンでのオリジナル作品となる。前作までの特徴だったマルチサイトシステムや高画質ルシッド・モーションを引き継ぎつつも、年齢制限を18歳以上推奨から全年齢推奨に引き下げ、また脚本並びにキャラクターデザインを一新、改めてシリーズ化を狙う。
- STORY
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愉快犯による爆破事件にたまたま居合わせた内閣調査室の新人捜査官・桐野杏子は望月生物学研究所の研究員変死事件を担当する。一方、愉快犯は謎のハッカーADONISから恐喝され、その手下SNAKEにされてしまう。事件を追っていくうちに、二つの事件には関連があることに気付く杏子。ADONISからその杏子の殺害を命令されるSNAKE。被害者と加害者、容疑者と捜査官。二人の前に浮かぶ「EVE」というキーワード。そして物語は予想外の展開を見せ始める……。
- IMPRESSION
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埋めがたい実力の差を露呈してしまった。その一言に尽きる。
前作「EVE burst error」の魅力は何と言っても剣乃ゆきひろ氏の脚本にあった。いわゆる“剣乃シナリオ”の真骨頂は『綿密に張り巡らされた伏線を終盤の一点に向かって解きほぐしていきながら、あえてラストや後日談をぼかしてユーザーの想像に委ねる』という点にあると思う。勘違いしてはいけないのは、決して描写不足というわけではないことだ。むしろ必要な説明は過剰なまでに書いているといえる。
では今作はどうだったか。剣乃氏は他社(エルフ)に移籍してしまい、ゲームデザイナーに欠ける。これは「DIVI・DEAD」にも見られた傾向だが、とにかく雰囲気のみを重視して、細かい設定や描写、結末をおざなりにしているのである。これでは剣乃シナリオの上っ面のみを真似ようとしているのが明白ではないか。
細かく見ていくと、イルカの会話やハッキングなどいかにも「資料を漁りました」的な設定を物語中で生かしきれていない。脚本家が消化しきれていないのだ。また今作では多数のキャラクターが新旧入り混じって登場するが、終盤になるとキャラクターの使い捨てが頻発する。旧キャラクターは顔見せのみ(桂木弥生に至ってはムービーの数十秒間だけだ)、新キャラクターも本筋に関わらない者が多く、どちらも存在理由が不明なキャラクターが多い。キャラクターではないが背景中に「あしたのジョー」もどきなキャラクターが多いのも気になる。おそらく絵描きの下等な趣味だろうが、「何を考えているのか」と言いたい。それとも「このゲームはEVEのパロディーなんだよー」というオマージュのつもりなのだろうか(笑)。
詮索するに、おそらく開発期間が短すぎて、脚本担当がラストまでシナリオ案をまとめられなかった、といったところではないか。そう考えれば終盤のドタバタも納得はできる。もちろん理解はしたくないが。なお、後から発売された公式ガイドブックには「本編で語られなかった裏設定」なるものが載っているが、そんな言い訳めいた代物には何の価値もない。ファンの作る同人誌と同レベルである。前作のサターン版の時もガイドブックで後日談を捏造してファンの失笑を買った事が思い起こされる。つまりシーズウェアは「何もわかっていない」か「わかっていても商売に走らざるを得ない」という状況なのだろう。
結末についてはあえて触れない。触れる必要もないだろう。誰もがあきれかえること請け合いだからだ。こんなラストでは、たとえ続編を出したとしてもどれだけの人間が買うだろうか。
結局ゲームを作るのは会社ではなくヒトということなのだ。シーズウェアも先細りにならないよう、せいぜい精進していただきたいものである。