サクラ大戦2 〜君、死にたもうことなかれ〜
| 機種 | ジャンル | メーカー | 発売日 | 価格 | 備考 |
| サターン | ドラマティックADV | セガ | 98/4/4 | 6,800円 | CD3枚組 |
- DATA
-
96年9月に発売されて以来70万本を越える大ヒット作となった「サクラ大戦」のシリーズ第2段。監督:広井王子、キャラクターデザイン:藤島康介、音楽:田中公平、脚本:あかほりさとる、総作画監督:松原秀典、原案:レッドカンパニー、開発:セガCS2研という超豪華スタッフは健在。
- STORY
-
太正14年春。先の黒之巣会との激闘から1年が経ち、復興の兆しを見せる帝都・東京に再び忍び寄る悪の影。海軍洋上演習から呼び戻された大神一郎は再び帝都防衛の秘密部隊『帝国華撃団 花組』の隊長に着任する。それは新たなる敵『黒鬼会』との戦いの幕開けだった。
- IMPRESSION
-
たまらなく満たされる一瞬、という時がある。サターンの電源を入れ、サブタイトルが表示された後、お馴染みとなった『檄!帝国華撃団(改)』のオープニングが始まった瞬間だ。ドラクエやFF等、正しく年月を重ねてきたシリーズ作品だけに味わえる既視感と充足感、そして「この世界に還ってきた」という独特の感慨である。
「サクラ大戦」は本編の後も「花組通信」「対戦コラムス」「ラヂオショウ」にOVA(ビデオアニメ)と関連作品を続けてきたが、テーマ曲に手が入れられるのは今回が初めてであり、新鮮さと共に完成度も一段と上がっている。オープニングアニメも作画・画質どちらも申し分ない出来だ。
今回の「サクラ2」はストーリー的には前作から直系の続編となるが、本質的には前作の作り直し、とも言えよう。前半部はキャラクターの一人ずつにスポットを当てた紹介編、中盤で一回派手な戦闘を入れて、ヒロインの決定から最後の戦いに挑むという展開。細部までの造り込みや丁寧に調整されたゲームバランスなど前作の長所はそのままに、デジタル着色によるCGやムービーの画質劣化の抑制、CRI ADX採用による音質の向上(戦闘前のロード中にBGMを先行して演奏させられるのもADXの賜物だ)、そして何より前作の終盤で(さながらアニメ作品が打ち切られた時のような)突如豹変したシナリオの軌道修正を行っている点は評価すべきだ。多くのシリーズ物が方向性を間違えて2作目で失敗していく中、「サクラ大戦」はベクトルを間違えずに量だけでなく質をも増して帰ってきたのである。
シナリオ的には2クールいう事で季節感を持たせ、太正という架空の時代の存在感に説得力を増している。また小説やOVAに登場したサブキャラクターを配役そのままに登場させることでより世界観の広がりを見せている。ここまで徹底させる事は他のメディアミックス作品でも珍しい。メディアミックスという点で言えば第1作の発売後も前記の関連商品やパソコン用アクセサリー集、小説・ラジオにビデオアニメ、そして歌謡ショウに本作と時期を連動させたミュージカルの公演等々一般層への認知度を高める努力を惜しまずに継続させてきたことは賞賛に値するだろう。そしてその結果が発売日の大混雑と毎週10万本というリピート(再発注)に結実したのである。
強いて問題点を上げるとすれば一回のプレイが約20時間と長い上にキャラクター数が増えたので、全キャラクリアするには膨大な時間がかかることか。しかし、それもディスク枚数を増やしヒロインごとのストーリーの違いを出すことで対処している。およそ欠点の見あたらない作品というのはこういった作品を指すのだろう。セガというゲームメーカー最大手に人力・金力と時間をかけて作り込まれると他の美少女ソフトハウスには太刀打ちできないというのが本音ではないだろうか。ともあれ全てのサターンユーザーは妙な偏見を捨ててこのお祭り騒ぎを楽しむべきだ。こんな大作はそうそう出てこないのだから。