ショートレビュー 其の弐

ここではその他のゲームの雑感を書き綴っています。気が向いたら『ゲームレビュー』に昇格も有りかも?(笑)


久遠の絆
 発売元 フォグ  ハード PlayStation  ジャンル ADV  発売日 98/ 12/ 3
 今年最後の大穴タイトル。
 雰囲気的にはLeafの「痕」に通じる物がある。物語は読ませる本格的なもので、輪廻転生を題材にそれぞれ各時代ごとの雰囲気をよく出せている。ただ言葉遣いが堅いので、活字離れした若い世代には読みづらいかもしれない。
 字体は前述のEGよりはマシだが、それでもまだ読みやすいとは言えない。本家チュンソフト作品のように多少費用がかかってもリコーなどの他社製フォントを使って欲しかった。キャラクターはバストショットが少々小さめ。バストショットとイベントグラフィックの別人度もちと高めだ。
 読み込みは剣戟のシーンなど遅く感じることもままある。トゥルーエンドじゃないとおまけ要素の存在すらわからないのはかなり痛い。ミニゲームも法術戦闘以外にあと一つくらいあってもよかった。
 活字好きにはこたえられない上質な作品。せつない恋物語にかなり……泣けます。
(98/ 12/ 6執筆)  


バーチャファイター3tb
 発売元 セガ  ハード Dreamcast  ジャンル 格闘  発売日 98/ 11/ 27
 家庭用としてはまぁ文句のない出来。追加要素も付加価値もないが、外注スタッフによる移植(実作業は元気が担当)だったことや、本体同時発売が使命づけられていて時間がなかったことを合わせ考えれば仕方ないことかも知れない。欲を言えば、せめて女性キャラだけでも「鉄拳」シリーズや「デッド オア アライブ」のような3Pカラーがあるとよかった。
 対戦モードがないこと、練習モードでCPUが攻撃してくることに関しては明らかに開発側の手落ちだ。ダウン時の砂埃や水飛沫がない事もちょっと不満。
 ゲーム性の再現度は満点。読み込みも短く、BGMも途切れず、業務用のままの感覚で遊べる。
 しかし、AM2研は代表作の移植すら放り出すほど多忙なのだろうか?
(98/ 12/ 5執筆)  


エクソダスギルティー
 発売元 イマディオ  ハード PlayStation  ジャンル ADV  発売日 98/ 11/ 26
 朴訥な作品。良くも悪くもパソコンゲーム。
 衒学的で軽妙、かつちょっとお下品な会話は菅野(剣乃)氏ならでは。異なる舞台への視点切り替えが明示されているため「YU-NO」よりも物語にとっつきやすいかもしれない。音声が無いためプレイが快適なのは良いのだが、ムービー時だけは音声があってもよかった。
 他の点では、読みづらいPSの縦長書体や手前に向かって進む理不尽な移動システム、面倒なフラグ立て、チープな音質と問題点が多い。ADVを作り慣れた菅野氏らしからぬ細かいミスの連続だ。
 ストーリー的には一度詰まると抜け出しにくい箇所が多くて不親切。リドルのヒントをメモしてないと最初からやり直すハメになりかねない。またDESIRE以上にザッピングも必要なく、単なるオムニバスとすら取れる。クリア後のおまけ要素もない。なぜランキング制を入れたのかも疑問だ。
 倫理規定の厳しいPSに“直接的な描写さえなければなんでもOK”という抜け穴の前例を作った一品。「これがアリ」ならEVEでもDESIREでも移植できそうな気がするのは私だけだろうか……?
(98/ 11/ 29執筆)  


御神楽少女探偵団
 発売元 ヒューマン  ハード PlayStation  ジャンル ADV  発売日 98/ 9/ 3
 未完結。タイトルかパッケージに『前編』と銘打つべきではないか。
 幕などの演出はたしかに凝っている。が、細かい環境設定ができる割に、基本的な操作性に問題が多く、プレイ中のストレスは溜まりやすい。フリーカーソル式は十字キーと相性が悪い(更に本作のカーソルは移動に惰性がかかって操作性が悪い)のだから「カーソルは選択肢(アイコン)へ自動的に移動」するくらいの柔軟性が必要だったと思う。文章の巻き戻しなどもできず、また会話で聞き返した時も長台詞を何回も繰り返されるのは不親切極まりない。開発スタッフはADVというジャンル自体をもっと勉強すべきだった。
 ストーリーや謎解きはそれなり。音声の入る箇所は「サクラ大戦」よりも少ないが、この素人並に下手クソな声を全編に渡って聞かされるよりはマシか。おまけデイスクは痒いところに手が届く親切設計だが、その前に本編を最後まで作ってほしい。
 スタッフが力の入れ所を間違えた空振り作品。「〜2」を前提にして作るなど言語道断である。
(98/ 11/ 7執筆)  


お嬢様特急
 発売元 メディアワークス  ハード PS&SS  ジャンル ADV  発売日 98/ 7/ 30
 キャラクターデザインからゲーム展開まで、どこを切っても“のっぺり”したゲーム。
 銀河鉄道999のナンパ旅行版。♪希望のキャラに めぐり会うまで 歩き続けるだろう〜(歌:佐々○功) と一曲唄ってしまうようなのんびりした(=かったるい)車内巡回をガマンして乗り切り、観光地でのデートイベントの発生条件を探すというのが基本展開。
 車窓を流れる風景や車内の描写はなかなか細かい。PSでメモリーカード絡みの待ち時間が極端に短いのはメディアワークスならでは。プレイ時間がやや長めなので、自室で「次の停車駅まで寝る」コマンドがあるとかなり違ったはずだ。
 致命的な欠点もないが目立って光る点もない、無難かつ平凡な恋愛系ゲーム。キャラクターが気に入ったらどうぞ。
(98/ 9/ 28執筆)  


With You 〜みつめていたい〜
 発売元 カクテルソフト  ハード Windows95  ジャンル ADV  発売日 98/ 9/ 11
 「Piaキャロットへようこそ!!2」に続くカクテルのスマッシュヒット作。全体的なボリューム感が少し乏しい気もするが、デザイン/描写共に魅力的なキャラクターと快適かつ細部に拘ったシステムが欠点を補って余りある。
 真奈美ルートに比べて菜織ルートのシナリオが短すぎること、その真奈美ルートが突拍子もないメルヒェンで違和感が大きいこと、短いエピソードをいくつも繋いていくタイプのストーリー展開なのにエピソード間の移行が唐突なこと、画面上のペンダントがプレイ中は邪魔なこと、次回予告が蛇足……等々問題点も多いが、二転三転した企画をどうにかこうにかまとめあげた若手スタッフの涙ぐましい努力と感性に賞賛を贈りつつ次回作に期待したい。
(98/ 9/ 17執筆)  


メタルギア ソリッド
 発売元 コナミ  ハード PlayStation  ジャンル ACT  発売日 98/ 9/ 3
 小島監督以下開発スタッフの偏執的なまでのこだわりに脱帽。間違いなく本年の最高傑作。
 ただし「正直に」妥協なく造り込んでいった結果、PlayStationというハードの限界が見えてしまったことも事実。Dreamcastでソリッド・スネークの雄志を見てみたい、ぜひ。
(98/ 9/ 16執筆)  


BLACK/MATRIX
 発売元 NECインターチャネル  ハード サターン  ジャンル SRPG  発売日 98/ 8/ 27
 可愛いキャライラストと美麗な画面の映像が魅力的で思わず購買意欲をそそられるが、見た目に騙されてはいけない。ゲーム自体はかなりシビアだ。
 「タクティクス オウガ」と違って面倒な経験値稼ぎ(レベル合わせ)をしなくていいのは○。操作性はまあまあ。魔法の使い方が難しいのと、自軍に対する敵の数が多いので序盤は特に苦労する。すぐ逃げ回る不毛なAIパターンはストレスが溜まる。CPUの的確な魔法使用もプレイヤー側にとってはツライ。なにより説明書の記載が不十分なのは不満。せめて序盤のアイテムや魔法の一覧表ぐらい付けてほしい。専門誌や攻略本は絶対に必要。
 人物を一切写さないムービーのコンセプトだけは良かったが、TrueMotionの画質は最悪かつ映像自体もコマ落ちするなど、手抜きor作り込み不足を感じた。ラップ主体のBGMもくどい。
 売りであるシナリオは、要所要所での言い回しにはこだわりを感じるが、全体的に稚拙。善悪や倫理観の逆転した世界を描くという一点に固執しすぎている。『カギカッコ』の乱用も減点対象。書き手の価値観を一方的に押しつけられても傍迷惑と言うものだ。
 この手のSRPG特有の試行錯誤を楽しめる人向け。ツボにハマれば楽しめる。
(98/ 8/ 28執筆)  


ONE 〜輝く季節へ〜
 発売元 タクティクス  ハード Windows95  ジャンル ADV  発売日 98/ 5/ 14
 選択肢やイベント発生条件が少々意地悪で難易度は高め。バッドエンド時でも終盤までプレイさせられるので、再プレイ時の感動が薄くなることがままあって残念。
 不思議な設定のストーリーは、少し描写が足りない気もするがなかなか“気分”が出ていて良い。物語の展開は繰り返される日常がよく描かれている。折戸伸治監修の音楽も秀逸。キャラクターの絵柄と主人公の子供染みた性格設定に反発しなければ楽しめる。ただし細かいセーブ+選択肢を隅まで試す気力がある人向け。
(98/ 8/ 15執筆)  


臭作
 発売元 エルフ  ハード Windows95  ジャンル ADV  発売日 98/ 3/ 27
 今までありそうでなかった無かった二重構造の主人公はお見事。ラストで手を合わせた人間多数か。「遺作」と違って陵辱路線まっしぐらなためプレイヤーは選ぶ。O.Y.G.S(オヤジ四段積みシステム)も試行錯誤が必要でかなりうざったい。「下級生」「YU-NO」の次にエルフが出してきた新作が「同級生3」でなくこれである事を考えるとなかなか趣深いものがある。
(98/ 8/ 15執筆)  


御神楽少女探偵団 体験版
 発売元 ヒューマン  ハード PlayStation  ジャンル ADV  本編発売日 98/ 9/ 3
 『推理トリガー』システムが目新しい。ただ選択の正誤が即座に解るためパズル要素は少ない。
 キャラクターのバストショットのアニメは中割りが細かくて◎。「ブルーブレイカー」の経験が活かされているようだ。動作や口パクが少々大げさでアニメ的な気もするが、その辺は愛嬌か。
 カーソルの動きはデフォルトだと慣性が付いて操作しづらいが、これはたぶんオプション設定で変えられるのだろう (体験版では変更不可)。過去の文章を読み返せるとなお良かった。
 文章枠が3行なのに、4行にかかる文章がいくつもあって残念。「当時は〜」といった状況説明も感情移入を妨げている。どちらも脚本家の腕に寄るところが大きい。
 シナリオさえ良ければ大化けする可能性を秘めている作品。シリーズ化していけばヒューマンの代表作の一つにすることもできるだろう。
(98/ 8/ 12執筆)  


ストリートファイターZERO3
 発売元 カプコン  ハード アーケード  ジャンル 格闘  発売日 98/ 7/ 中旬
 ZEROシリーズと言うよりMARVEL VS.シリーズ最新作。
 膨大なキャラクター数はファンサービスには良い。対戦バランスが取れていればの話だが。強キャラと弱キャラ、使える技と使えない技の差が激しすぎる。必殺技の威力が強いのも近年の流れに逆行していて疑問。通常技はカウンターで当てないと使い物にならない。
 対空技が強く、ガードクラッシュや妙な投げシステム、空中コンボの爆発的増加によって圧倒的に“待ち”が強くなった。上級者に特定のキャラで待たれるとまず崩しようがないだろう。まるでスパIIXの悪しき亡霊だ。
(98/ 8/ 5執筆)