窯場の基礎知識・窯場巡り
砥 部 焼
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 砥部焼簡単入門

 今日砥部焼といえば白磁であるが砥部で磁器が焼かれるようになったのは安永6年(1777)以降のことであり、それ以前は陶器が、又さらに時代を遡れば須恵器が焼かれていた。砥部焼という言葉が文献に最初にあらわれたのは、元文3年(1738)に編纂された「大洲秘録」であり、砥部郷二ヶ村の特産物として「陶器茶碗鉢類トベヤキト云」と記されている。それを実証する様に古い窯跡からは、焼締や飴釉、土灰釉の日用品の陶片が出土している。しかし残念なことに砥部でいつ頃から陶器が焼かれるようになったかを伝える文献は発見されていない。
 陶器から磁器への転換は藩の殖産興業政策によってもたらされた。特産の伊予砥の砥石屑を使っての磁器生産を思いつくのであるが、命じられた工人杉野丈助は、釉薬が溶けずに薪が尽き果てたとき、窯場の柱や床まで燃やす執念で挑んだと伝えられる。その後本焼きに成功するのは3年余り後の安永6年になってのことであった。
 その後砥部焼は時代の嗜好に応じながら明治・大正期には販路を海外にまで広げるなどして順調に発展していった。第二次世界大戦の前後が砥部に於いて最も困難な時代であったが戦後、柳宗悦らの指導を得て民芸食器の生産により息を吹き返した。
 現在では砥部焼の食器は一般家庭の食卓に並べられる程になり、民芸店の食器売り場では多くの砥部焼が展示され、生産が間に合わないほどの人気食器となっている。
 砥部焼の地肌は白に少し濁りがあるが、かえって温かみを感じ親しみやすく、ほとんどが白磁に青呉須の下絵であるが、中には赤上絵を施したものが見られる。砥部焼の魅力としては何よりも手作りで使い勝手が良いことと値段が手ごろで厚手に仕上げられた堅牢性が日常使用に適していることがあげられる。伝統的な唐草文やなずな文も多いが絶えず新しい感覚を取り入れたデザインを加えることによりモダンで新鮮さを維持しいてる。器の種類も多岐にわたり、ほとんど全てと言っていいくらいの種類が作られている他、最近では西洋で使用するようなものも作られるようになってきた。又、皿や鉢など普段使いの数物は重ねられるようデザインされるなど、常用食器としての工夫の積み重ねが現在の砥部焼の普及を支えてきたのかもしれない。

年  代
主 な 出 来 事
安永 4年 1775 大洲藩主、加藤泰候(かとうやすとき)、砥部に磁器づくりを命ず。
安永 6年 1777 杉野丈助(すぎのじょうすけ)磁器焼成に成功。
大洲藩が経営していた上原窯を門田金治(かどたきんじ)が譲り受ける。
文政 元年 1818 向井源治(むかいげんじ)川登陶石(かわのぼりとうせき)を発見。
天保10年 1839 栄蔵(えいぞう)類助(るいすけ)宗兵衛(そうべえ)絵薬を求めて長崎にゆく。
嘉永 元年 1848 井岡太蔵(いおかたいぞう)トンバリ(レンガ)を使った窯を作る。
嘉永 4年 1851 城戸源六(きどげんろく)素焼窯を考案。
このころ、太鼓型の大型水車が登場。
嘉永 7年 1853 坪内(つぼうち)家の水車帳に17の窯元を記載。
安政 4年 1857 瀬戸物役所、唐津役所できる。このころ、全国に磁器窯が作られ磁器が庶民生活の中にひろまる。
明治11年 1878 伊藤五松斎(いとうごしょうさい)九州から陶工を招き型絵染付を広める。
伊達幸太郎(だてこうたろう)京都で西洋彩画を学ぶ。
明治18年 1885 砥部焼、清国(しんこく、今の中国)に輸出。
明治21年 1888 下浮穴、伊予両郡陶磁器同業組合設立。
明治23年 1890 向井和平(むかいわへい)淡黄磁を創始。
明治26年 1893 淡黄磁、シカゴ世界博で一等賞にかがやく。
明治39年 1906 陶器補習学校できる。
昭和17年 1942 杉野丈助(すぎのじょうすけ)の功績をたたえて記念碑できる。
昭和28年 1953 柳宗悦(やなぎむねよし)浜田庄司(はまだしょうじ)など、指導のため砥部を訪れる。
昭和51年 1976 砥部焼、国の伝統的工芸品に指定される。
昭和52年 1977 砥部磁器業二百年祭を行う。
昭和59年 1984 『砥部焼まつり』はじまる。
平成 元年 1989 砥部焼伝統産業会館できる。
平成 7年 1995 砥部焼の地球儀が国連欧州本部に設置される。


ぶらり二人+αの旅・砥部の郷

周辺地図

景山氏、山本氏、+お二人の恩師の三人が砥部の郷を散策。

本文予定(制作中)


瀬戸内海眺望-しまなみ海道




陶板の坂
地元の陶工が作った陶板がびっしり敷きつめられた遊歩道。
坂道の足元や壁面にもアートの香りが漂う。

陶祖ヶ丘
陶板の道を登りつめると、そこは陶祖ヶ丘。
眼下(がんか)に陶郷(とうきょう)を一望できる絶景の眺望地(ちょうぼうち)。
また、陶祖(とうそ)・杉野丈助(すぎのじょうすけ)の碑(ひ)や陶壁碑(とうへきひ)も見もの。

陶壁碑
砥部焼の歴史をあらわしている陶壁は各時代ごとに陶片がびっしり埋め込まれている



梅野鶴市の銅像

梅野精陶所---砥部町最大の窯元で製作過程を見るにはここが一番。
 明治15年(1882年)、梅野正五郎により開かれた窯で、とりわけ歴史が深い窯元のひとつ。この窯元は、一般の人がなかなか立ち入ることのできない砥部焼の製作現場を公開しており、事務所で許可を受けると、ロクロなどを使った成型から大きな窯が並ぶ本焼までの作業現場を見学できる。また、敷地内には梅山古陶資料館と、さらに奥には砥部焼の歴史を知る上で貴重である明治20年(1887年)に造られた登窯が保存されており、これも一般に公開されている。なお、砥部焼を買いたい人には、数百円から買える小物から数万円する品まで、多彩な品揃えの直売所も併設されている。

登り窯(梅山窯)
窯内に入ると110年前の耐火レンガがピカピカと黒光りしており、歴史の重みを感じさる。内部には当時を再現して古い器が並べられている。

梅山古陶資料館
砥部焼の歴史が一望できる展示が嬉しい。

                                                

砥部焼窯元リスト
窯元名 代表者名 住 所 TEL
梅山窯   梅野 信子 伊予郡砥部町大南1441 089-962-2311
廣梅窯   梅野 智廣  伊予郡砥部町大南1613 089-962-4322
神郷窯   塩見 正春  伊予郡砥部町大南1638 089-962-2582
冨山窯   冨永 公子  伊予郡砥部町大南1384 089-962-3983
陶詩窯   山下  勇  伊予郡砥部町大南1288 089-962-4577
三条窯  矢原 重則  伊予郡砥部町大南2232−2 089-962-3294
栖山窯   長岡 文男  伊予郡砥部町大南1883 089-962-2244
哲山窯   松田 哲夫  伊予郡砥部町大南826  089-962-2180
福幸窯  福岡 浩之  伊予郡砥部町大南787  089-962-2081
客山窯 客本 和也 伊予郡砥部町大南634  089-962-2497
玉山窯   渡辺 政男  伊予郡砥部町大南775 089-962-2223
青達窯  西岡 達郎 伊予郡砥部町大南758  089-962-5345
エヒメセラム 山本 典男 伊予郡砥部町大南562  089-962-2321
宝泉窯  福田 常義  伊予郡砥部町大南593 089-962-2784
笹山工房 笹山 準一  伊予郡砥部町岩谷口213 089-962-3880
龍峯窯  池田 一博  伊予郡砥部町大南555 089-962-2740
佐藤窯  佐藤  明  伊予郡砥部町大南488  089-962-6322
清月窯  新田 邦治  伊予郡砥部町大南715 089-962-2104
雲石窯  山田 善弘  伊予郡砥部町大南935  089-962-2111
曙山窯  田辺 裕二  伊予郡砥部町大南387  089-962-2184
白水窯 山田 邦男  伊予郡砥部町大南964  089-962-2156
義光苑  坂本 功  伊予郡砥部町大南973  089-962-3160
ウメノ青興陶園 梅野 宸治  伊予郡砥部町大南1035  089-962-2142
ひとし窯 井上 仁司  伊予郡砥部町五本松7   089-962-3727
青芳窯  森元 芳夫  伊予郡砥部町五本松70  089-962-2229
英峯窯  松谷 英明  伊予郡砥部町五本松130 089-962-2149
重月窯  松谷 重利 伊予郡砥部町五本松132 089-962-2288
西岡工房 西岡 一廣  伊予郡砥部町五本松51  089-962-5477
正月窯  高橋  正 伊予郡砥部町五本松142 089-962-3179
五松園  酒井 芳美  伊予郡砥部町五本松146 089-962-2163
竹山窯 中元 洋一  伊予郡砥部町五本松145 089-962-2250
八瑞窯  白潟 八洲彦 伊予郡砥部町五本松37  089-962-2553
岡田陶房 岡田  威  伊予郡砥部町五本松173 089-962-7305
健山窯  長戸 健市  伊予郡砥部町五本松196 089-962-2123
勝山窯  長戸 幸一  伊予郡砥部町五本松194 089-962-2097
良水窯  土井 ヤフミ 伊予郡砥部町五本松320 089-962-2684
春秋窯  工藤 省治 伊予郡砥部町五本松888 089-962-2608
龍泉窯  池田 富士夫 伊予郡砥部町五本松885−23 089-962-4863
緑風窯 杉田 正敏 伊予郡砥部町五本松885−5 089-962-6369
浩生窯 多川 浩生  伊予郡砥部町五本松885−6 089-962-7623
スギウラ工房 杉浦 史典  伊予郡砥部町五本松885−7 089-962-6608
邦庵邦勝窯 白石 邦男  伊予郡砥部町五本松885−10  
元晴窯 篠原 元郁  伊予郡砥部町五本松885−20   089-962-3028
東窯   大東 直行  伊予郡砥部町五本松885−21   089-962-7156
孤蕭窯  秋山 憲二  伊予郡砥部町五本松314−3 089-962-7304
公水窯  井上 公典  伊予郡砥部町五本松336 089-962-4404
輝山窯  森岡 輝男  伊予郡砥部町五本松351 089-962-2597
きよし窯 山田 公夫  伊予郡砥部町五本松364 089-962-2168
満明窯   池田 満明  伊予郡砥部町五本松385−1 089-962-5947
泰山窯  泰山 和光  伊予郡砥部町五本松416 089-962-2228
大西陶芸 大西  光  伊予郡砥部町北川毛796 089-962-2456
緑光窯   亀田 茂樹  伊予郡砥部町北川毛774 089-962-2524
丈山窯 森元 数茂  伊予郡砥部町北川毛750 089-962-3586
森陶房   森 多々良  伊予郡砥部町北川毛714 089-962-2482
彰子窯   藤岡 あき子  伊予郡砥部町大南90 089-962-6970
江泉窯  田村 俊三  伊予郡砥部町大南279  089-962-2448
生石窯  西山 千代子 伊予郡砥部町北川毛618 089-962-6003
雅月窯  山村 雅顕  伊予郡砥部町北川毛617−1 089-962-7095
南光窯   米田  豊  伊予郡砥部町北川毛616−2 089-962-2510
あさひ窯 中村 仁一  伊予郡砥部町北川毛573 089-962-2965
禎山窯   田中  諭  伊予郡砥部町北川毛569 089-962-4715
陶房拓実 山中 拓実 伊予郡砥部町北川毛565 089-962-2474
秀山窯  新田 良一  伊予郡砥部町北川毛510 089-962-2127
貞山窯  岩田 貞夫  伊予郡砥部町北川毛221 089-962-2585
池本窯  池本 忠義  伊予郡砥部町北川毛395 089-962-3631
遠藤窯  遠藤 裕人  伊予郡砥部町北川毛307−3 089-962-6228
千山窯  梅野 廣次  伊予郡砥部町千足359  089-962-2070
松坂窯  松坂 和幸  伊予郡砥部町宮内2053−3 089-962-5141
永立寺窯 西岡 孝泰 伊予郡砥部町宮内1326 089-962-6069
里窯   冨士原 博  伊予郡砥部町川登1072 089-962-2802
登山窯  佐川  巖  伊予郡砥部町川登708  089-962-2034
南山窯  佐川 金広  伊予郡砥部町川登563  089-962-2403
草土窯  山口  猛  伊予郡砥部町川登417  089-962-5673
よの陶房 藤原 小都  伊予郡砥部町川登85   089-962-3810
常山窯  武本 淳一郎 伊予郡砥部町川登233  089-962-5688
陶房風  渡辺  厚  伊予郡砥部町川登62   089-962-3666
鳥山窯  大東 増夫  伊予郡砥部町外山277  089-962-2857
金城窯  平田 金四郎 伊予郡砥部町外山225  089-962-4365
広谷窯  広谷 幸雄  伊予郡砥部町五本松703−1 089-962-2406
工房芥川 芥川 正明  伊予郡砥部町宮内2215−2 089-962-5412
東吉窯  勝部 東一  伊予郡砥部町宮内72   089-962-3740
松舜窯  高松 舜亮  伊予郡砥部町宮内64−3 089-962-4333
工房一夢 大西  潤  伊予郡砥部町上原町138 089-962-7128
ヨシュア工房  竹西 辰人  伊予郡砥部町高尾田88  089-956-0680
遊器工房 大森 恒雄  伊予郡砥部町重光155-2 089-956-0593
明賀窯  明賀 涼子  伊予郡砥部町川井1575 089-962-2347
敬三郎窯 窪寺 敬三郎 伊予郡砥部町川井821 089-962-6328
七折窯  三代地 弥生 伊予郡砥部町川井155-11 089-962-4138
工房薫  天野  薫  伊予郡砥部町七折233 089-962-6042
松田窯 松田 歩  伊予郡砥部町川井151-3 089-962-4954
中田窯   中田 正隆  伊予郡広田村総津159−2 089-969-2077
積窯   宇都宮 積  伊予郡広田村総津95   089-969-2007
一海窯  河端 康則  伊予郡広田村総津95−1 089-969-2963
八倉窯  重松 淳子  伊予市八倉809     089-982-6120
一正窯  浜岡 正一  伊予郡松前町中川原438−3 089-984-3275
梅乃瀬窯 佐賀 道彦  伊予郡松前町鶴吉813-1 089-985-2387
向井窯  佐賀 栄次  温泉郡川内町南方909  089-966-2850
楽山窯  玉井 眞生子 松山市玉谷町270    089-977-2212
蕨窯   石橋 美穂子 松山市東方町145    089-963-0501
伊佐衛門窯 小原 通和  松山市森松町274    089-956-3568
玄彩窯   河野 玄容  松山市高井町1347   089-975-3324
卯陶窯  芥川 真由美 松山市柳井町1−14−4 089-946-0277

砥部焼伝統産業会館
新旧の名作が豊富に揃っていて、わかりやすく展示されている


砥部町陶芸創作館
手軽に砥部焼の体験がしたいならここでどうぞ


砥部焼陶芸館
40軒近い窯元の製品が並べられている。手びねりや絵付けも楽しめる。