アメリカ−この大きなスケールの地を旅行先に選んだのも、ずっとやってみたいと思っていたことがここに詰まっていたからで、思いつくだけでもこの旅の根底にはこれらの夢を叶えるテーマがあった。
●アラスカ·ハワイ州を除くアメリカ合衆国本土48州を単独で周る
●訪れた先をカメラで撮って周る撮影旅行
●大好きな映画のロケ地巡り
●古き良きダイナーを探す
●自然の宝庫、国立公園を体感
●憧れの地、マイアミに立つ−あの「マイアミ·バイス」を探しに···など
「うわー、やりたいこといっぱいでワクワクしちゃう!早く行きたいなー」などとのんびり構えていても、出発日はいつまでたっても来やしない。これは添乗員がいるパッケージツアーではないし、旅行会社が全てお膳立てして面倒をみてくれるわけでもない。これだけのことを好きなように自分のペースでやるとすれば、当然何から何まで自分で手配する個人旅行のスタイルになる。
けれど私はこの'面倒くさい'のが好きで、やったことがなかったり大変なことでも、自分の力でなんとかすることで達成感という'楽しさ'を覚えてしまうものだから、それこそ今回の旅行は準備の段階からヒイヒイ言うこととなる。まあ自分からわざわざ苦しいことをやるのだからマゾなのかも知れない···
だいだいアメリカ1周ってどれくらいかかるんだ?時間は、乗り物は、費用は?いざやってみようと思い立ってもこうした基本的な点からしてまず見当がつかない。ましてや他人の体験記なんてものも読んだことがないので前例すら知らない。まるで「プロジェクトX」を1人で取り掛かっているような気分だ。そんな感じでプランニング·プレパリングは手探りの、ゼロからの出発だった。
1.まずは情報収集、旅のマニュアル書を購入
2.航空券の手配
3.ついでにレンタカーも予約
はて、アメリカ1周は何日かかるのか?旅行を計画する上で1番悩んだ点だった。シュミレートしようにもあまりにも広範囲なため見当がつかない。メジャーな観光スポット全ては無理でもとにかく48州全ては周りたい。そこにこの旅のテーマがある。自分のペースで、寄りたい所に寄る。そうなるとやはり国内での移動はレンタカーが効率がよいだろうと判断し、後は何日かけて周るかになる。
航空チケットの期限上最長3ヶ月間は周れるが、当然いればいるだけ滞在費も増す。この旅行を決行するにあたり、約90万円を工面した。
出発前に用意する物に関しては20万円ほどかかった。この金額は新たに手に入れた一眼レフカメラや旅行関係の書籍、航空チケット、旅行傷害保険、その他必要経費によるもので、残り約70万円でレンタカー代と滞在費をまかなうことになる。
車については現地で中古車を購入するという選択肢もあったが、初めての海外旅行で外国人から車を買うには面倒で時間もかかる。到着したその日に保険もバッチリの車でスタートの方が、高くついても気が楽だ。と、いうことで航空チケットを手配した旅行会社で一緒に予約をしてしまおうと、取り扱っていた各レンタカー会社の料金を比べてみる。
まず車種は小さい順からエコノミー、コンパクト、スポーティ、フルサイズ、ミニバンなどという具合に料金も高くなっていく。1人で運転するので人は乗せないが、後部座席に頻繁に荷物を置くことを想定し、コンパクトの4ドアにした。エコノミーに比べ排気量とクルーズ·コントロールがあるというのも選択のポイントとなった。まあ、これがマイアミだけの短期滞在なら思い切ってフェラーリ·テスタロッサを借り切って、中学校の卒業文集に書いた「将来の夢:テスタロッサに乗ってマイアミ中を走り回る」を実現したんだけど···(本当)
クラスが決まれば価格も分かる。最安値はダラーの7日間191ドルだったが、なんと1ヵ月以上は借りられないとのこと。それではまず1ヵ月借りて、期限ギリギリで最寄りの支店で新たに契約する手を考えたが、乗り捨てできても追加料金が発生し
てしまい、遠方になればなるほど高くついてしまうため、仕方なく唯一1ヵ月以上借りられるハーツを選んだ。ハーツは7日間251ドルで、車両保険は料金に含まれているが、対人·対物は含まれていなかったので追加入するとこれが1日当たり10.99ドル。更に州税が8.25%かかるので正しくは7日間借りて約336ドルかかる計算になる。
「うわぁ、こんなにかかるのかよ!」と概算で驚いてしまったが、こうなるとできるだけ早く周って返すほかない。そこで決めた予約期間は、7週間。滞在費とレンタル料のバランスを考慮したギリギリのラインだ。つまり平均1日1州を走るペースとなる···
こうして自ら過酷な条件を課してしまったレンタカー選びとなった。
4.何者かを証明する、実はこれが1番大事−身分証明証
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国内を旅行するならまだしも、勝手の分からぬ異国の地では自分でトラブルを回避したり、また処理する能力がぐっと低下する。しかも今回の旅は孤立無援、たった1人でどうにかしようにも、どうにもならないことが起きる場合だってある。たとえ自分1人の大冒険と張り切って出掛けても、痛い目に遭って泣きを見るのは自分だけではない。心配してくれる人がいるのなら、'もしもの時'に備えておくことは義務だと思う。
保険についてはレンタカーの保険とは別に海外旅行傷害保険にも加入しておいた。車から離れた場合での事故を想定しての配慮だ。
中には海外旅行での事故に対応した保険が付帯するクレジットカードがあるが、発行審査時間や補償額の点を考慮して、わざわざセゾンの海外旅行傷害保険に加入することとなった。'安心を金で買う'ということを実感させられる'買い物'となった。
5.何が起こるか分からないからこそ−海外傷害保険の加入.
6.あると大いに役立つモノたち
a.ユースホステル会員証
世界中に点在するバックパッカーの定宿、貧乏旅行者のスイート·ホーム、ユースホステル(YH)。日本中を旅した時はそれこそスタンプラリーのごとく、日本各地のユースホステルを泊まり渡ったが、なんといってもその魅力は破格と思えるほどの宿泊料の安さだ。日本では1泊2食付きでも3千円前後だったが、アメリカでは素泊まりが基本で、なんと10ドルくらいからの料金設定にはもうビックリ!大体日本の市街地で2,000円でフロに入れて泊めさせてもらえる所などあるのだろうか?健康ランドでももうちょとかかるだろう。もちろんこの安値は会員料金だけど、それでも非会員の料金と大した差はない。たまに極端に汚い'ハズレ'の部屋もあるが、平均して料金以上の快適さを感じられる。まあこの料金で泊まれるんだから相部屋だろうがトイレ、シャワーが共同なんて全然気にしない。むしろ到着した町にユースホステルがない方がガックリくる。それにユースのもうひとつの魅力は、
景勝地にあったり大都市でも観光スポットのすぐ隣にあるなど、その宿泊料金にして不思議に思えるほどの立地の良さにある。ホステラーの人たちも結構親切だしね。もうユースそのものがボランティアみたいな存在に思えてくる。
ユースに再入会した時、一緒に買った日本語版ホステルガイドは大いに役立った。アクセスの仕方や特色などを詳細に説明してあり、特に日本語での手書き地図は細かく丁寧に書かれているので、車で探す立場にとっては非常に重宝した。
何の下準備もせずにいきなり現地へ行って、「さてどこへ行こうか」では明らかに効率が悪い。今回は寅さんみたいな「風の向くまま、気の向くまま」の旅ではないし、TVの旅番組のレポーターのように現地の人に尋ね周っていてはそれこそ48州全て周るのにどれだけかかるか···
と、いうわけでまずは本屋で'海外旅行の専門書'と定評のあるダイヤモンド·ビック社の「地球の歩き方」シリーズから、まさにうってつけのタイトル「成功するアメリカ旅行計画」と「アメリカ·ドライブ」の2冊を購入。「成功する〜」の方は旅のプランニングから帰国までの方法を手取り足取り事細かに解説してあり、「アメリカ·ドライブ」では旅行者の体験記を紹介しながら車での旅行に特化した内容となっている。とにかくわかりやすい!これらの本がなければ旅に出られなかったといってもいいくらいの本だ。
この本を購入した時、「ようやくこの本を読む時が来たんだ···」と夢が現実に変わった瞬間を実感した。
他にもシリーズのものを地域別にあと5冊購入し、読むのに一苦労だった。







b.国際キャッシュカード
クレジットカードでも海外で現金を引き出すことはできるけど、この場合'金を借りること'となり金利が発生してしまう。銀行のキャッシュカードと同じ感覚で使っていたら、とんでもないことになってしまう。ならば自分の口座から海外で現金を引き出せないものかというニーズにピタリと当てはまるのが、各銀行で発行している国際キャッシュカード。単純に「現金が欲しい」という時に大変重宝する。銀行だけでなくコンビニなどいろいろな所に設置してあるATMで簡単に引き出せる。金利ではなく手数料として1回利用につき210円と、為替レートに関係なく口座引き落としされるので気軽に使える。また口座のお金を使い切ってしまっても、家族に日本で普段使っている方のキャッシュカードを渡しておけば頼んで入金してもらうことも可能だし、万が一クレジットカードを失くしてしまった時の再発行までの緊急措置にもなる。
ちなみに郵便局を口座利用するなら'郵貯カード《セゾン》'の場合、クレジットカードとしての機能と郵貯口座のキャッシュカード、それにデビットカードとしての機能が1枚になっているためさらに便利だ。
※トラベラーズチェックについて
今回の旅は'普通'の海外旅行のようにホテル、レストラン、ショップなどはほとんど利用せず、代わりにユースホステル、モーテル、ファストフード店などといったトラベラーズチェックが使いづらい所ばかりを利用すると想定していたし、クレジットカード2枚に国際キャッシュカードを持っていくのでかえって使わないだろうと考え、発行はしなかった。
持ち物リスト
| 品名 | コメント | |
| 1 | パスポート | これだけは文字通り'肌身離さず'持っていた |
| 2 | 航空券 | 帰りのチケットはパスポートの次に大事 |
| 3 | 国際運転免許証と日本の免許証 | 車を運転するなら不可欠 |
| 4 | クレジットカード | 予備を合わせて2枚持参 |
| 5 | 国際キャシュカード | 現地での現金調達に威力を発揮する |
| 6 | 海外旅行傷害保険 | 控えとハンドブックは忘れずに |
| 7 | ユースホステル会員証 | 貧乏旅行者必須! |
| 8 | 現金(日本円・USドル) | 共に行き帰りの空港で両替しておけば便利 |
| 9 | バックパック | メインの85リットルと観光用のデイバッグを使用 |
| 10 | 上着 | ウインドブレーカーとフリースで寒暖に対応 |
| 11 | 衣服 | 長袖シャツ·チノパン×2枚 乾き易さがポイント |
| 12 | 下着 | Tシャツ·パンツ·靴下×3枚 毎日洗濯しないとすぐ予備がなくなる |
| 13 | タオル・バンダナ | タオルはシャワーで、バンダナはハンドタオル代わり |
| 14 | 折り畳み傘 | ふいの雨にもすぐに対応 |
| 15 | 洗面用具一式 | モーテルでは小さい石鹸をいつも貰ってきていたので助かった |
| 16 | 洗濯用具一式 | 小分けの粉石鹸の他に洗濯バサミがあると重宝 |
| 17 | 裁縫道具 | ボタンが取れた時はやっぱりあってよかったとつくづく思う |
| 18 | 筆記用具 | 運転中やあらゆる場所でメモ帳が大活躍! |
| 19 | ルーズリーフ | この1冊が帰国後、私がずっと欲しかったものに姿を変える··· |
| 20 | 医薬品類 | 風邪薬、胃腸薬、頭痛薬など3回分ずつ 綿棒、爪切りも一緒に |
| 21 | ビニール袋 | 洗濯物や荷物の整理に何かと役に立つ |
| 22 | サングラス | ドライブには必需品 |
| 23 | 電子辞書 | これ1つで調べ物からレシート計算までこなせる優れもの |
| 24 | カメラ・フィルム | 観光中、携帯しやすいように一眼レフのカメラカバーとレンズカバーを、それぞれデイバッグのストラップをつけられるように改良 |
| 25 | 三脚 | 誰かに撮ってもらいたいのに人っ子ひとりいない時、それと夜間撮影の長時間シャッター時に必要 |
| 26 | 腕時計 | この旅は時間との戦いでもあった・・・ |
| 27 | ガイドブック | 「地球の歩き方」計8冊 |
| 28 | 地図 | WORLD ATLAS社の2千〜4百万分の1のものをドライブ用に1冊 昭文社の6百万分の1の白地図を行程表用に1冊用意 |
| 29 | 顔写真 | 万が一パスポートを失くした時のためのもの |
| 30 | 貴重品のカラーコピー | 紛失時に連絡する際の管理番号確認用 |


−購入したチケットは
2002年10月3日、成田発ロサンゼルス行き往復、コリアンエア、90日オープンで基本料金56,960円、これに出国税などを加えた合計が66,500円也。
こうしてなんとか自分で航空チケットを買うことができた。
ペックス運賃
正規の'割引'運賃のこと。航空会社へ直接予約を入れて購入するため、ピーク時の航空券確保に強く、他にも有効期限が長い、マイレージが貯めやすい等のメリットがある。ペックスはPurchased
Excursion Fareの略で特別回遊運賃という意味。
ゾーン制運賃
アメリカの大手航空会社が実施する制度で、国内を西と東の各ゾーンに分け、同じゾーン内の都市へなら、日本〜アメリカの国際線運賃だけで合計3〜6都市の周遊ができるお得な制度。
ただし、正規の普通運賃には適用されない。
普通運賃
航空会社の提示する正規の運賃。定価ではなく時期によって変動する。
航空券は複雑だ。航空会社·座席クラスが同じでも他に普通·ペックス·ゾーン等の各種運賃制度があるほか、格安航空券として販売されているものもあり、おまけに出発時期で価格もうんと変わる。
まず自分が航空会社を選ぶにあたり、何を優先にするかでおのずと購入するチケットも決まってくる。アメリカ系か日系か、もしくはアジア系エアラインか。それぞれにサービスや価格などのメリットが存在する。私の場合はとにかく費用を安くあげたいという企画全般に通じる'目標'があったので、飛行機に関しては最初から格安航空券を買おうと決めていた。「エービーロード」等の海外旅行誌で価格をチェックし、安いと思う販売店を2、3ピックアップする。
さて、ここでひっかかってくるのが、「いつ行くのか」と「何日間行ってくるのか」という点。この2点は旅行時期と旅行期間としてチケット相場が大きく変わる要因となる。
まず今回のアメリカ行きを決めてから出発するまで、準備期間に1ヵ月必要だと思った。そして北米大陸を周るのなら秋になり始めた頃がちょうどいいのでは、とも思っていた。春先ではまだ雪の残る地域に出くわすことになりそうなので、気温と走り易さを考え出発は10月初旬と決め、帰りはアバウトなのでとりあえず旅行有効期限変更可能なオープンチケットにしておいた(反対はフィックスチケットで期限あり、となる)。