第一話 「俺は大魔王になる」
むかしむかしあるところに「緋水」と言う、それはもう大変やんちゃなガキ・・・ あっ、いや、お子様がおったそうな。 がしかし!?あまりにも周囲とは考え方が違ったため、自分が人間である事が嫌になってしまった。 「このクソガキャー!?」と叫びたいお気持ちはよ〜く分かります。 ですがしょーがないのです。なんてたって相手は「緋水少年」 言い出したら何を言っても無駄無駄。彼を止められるとすれば可愛い女の子ぐらいなもんです。 とは言え、人間である事が嫌になった緋水少年。 その運命やいかに・・・・。 「おい、こじろう」 少年はめちゃくちゃつまらなさそうな表情でやる気の無いクマ「こじろう」を呼んだ。 「なんでしか?まだ眠いデシ」 「何時間寝りゃ気が済むんじゃい!!」 「拙者はずっと寝てたいでし」 と、言ってこじろうは再び目を閉じた。 「起きんか!このぐうたらクマ!」 「ひいいいい!殴っちゃ嫌でし!」 こじろうは飛び起きた。 「そう、それで良いんだ」 「まったく相変わらず勝手でしな」 「五月蝿い!それよりこじろう、俺は決めたぞ」 「何がデシか?」 「俺はな・・・・・」 「俺は大魔王になるぜ!?」 「・・・・・・・」 完全に滑った。 「何を言い出すかと思えば、そんなどこかの漫画に出てくるキャラみたいに目が輝かせても無駄でしよ」 そう言うとこじろうは寝に入った。 「ボケ殺しだけはするなっていつも言ってるだろ!?」 「ボケなら余計に付き合う必要は無いでし」 「真面目に聞け!!!」 「ひいいいい!」 「良いか!余はもう人間は飽きたのだ。こうなったら大魔王になるしかないのだ」 少年の目はクリスタルのように輝いている。どうやらマジらしい。 「なんで大魔王でしか?神様じゃ駄目でしか?」 「そりゃお前・・・・・」 「そりゃお前?」 「大魔王のほうがカッコイイじゃん」←キメたつもりだが全然キマってない 「説得力無さ過ぎでし」 「まあ、そういうなって。良いじゃんか、旅に出れば良い日光浴が出来るぞ」 「に、日光浴・・・・」 こじろうは思い浮かべた。太陽の光がサンサンと差し込む森の中で、ハンモックに揺られながら眠る我が姿を。 嗚呼、素晴らしきハンモック・・・・じゃなくて日光浴。 「そ、それもええのう〜」←涎が垂れそうである。 「お前嬉しいときだけジジ臭くなるのはどういう事だ?」 「べ、別に関係ないでしよ」 「そんじゃ早速行くぜ!」 「わあああっ!危ないでし!」 緋水少年は持つ物を持って部屋のドアを開いた。 「よおおし!記念すべき冒険の第一歩だぜ!」 「気をつけるでしよ、階段」 「分かってるって。わああああああっ!?」 緋水少年は見事に踏み外し、階段を転げ落ちた。 「ほんげぇ〜」←目、回り過ぎ。 「記念すべき第一歩を踏み外した・・・。先行き不安でし」 かくして一人の少年と、やる気の無い一匹のクマとの大冒険が始まったのである・・・。 END |