神殺し〜戦う条件〜
「分かったわ。あなたの条件飲みます」 由佳がそう言うと 「えええぇっ!?」 羅刹と等々力は共に驚いた。 「なんでワレが驚くねん!!」 「あ、いや、だって、まさか通るとは思ってなかったもので」 「言っておくけど、デートだけだからね。その辺勘違いしないでよね」 「え、ええ。勿論です」 しどろもどろの等々力。 「そ、そ、そんなぁ〜ワイと言う男がいながらそりゃないでぇ〜」 「誰が私の彼氏だって?」 由佳は羅刹の首を思い切り締め上げた。 「ぐ、ぐるじい・・・・」 「まったく・・・」 「俺たち、そういうの無関係で良かったよな」 「ああ」 鬼武とパイフーが頷いた。 「やれやれ、馬鹿馬鹿しくてやってられん」 鮫島が背を向けた。 「鮫島はん、力貸してくれへんか?」 「俺の仕事はもう終わった。依頼はちゃんと果たした。どれだけの力を持っているか知らんが 手を貸す道理は俺たちには無い」 「どれだけの力って、そりゃワイの事かいな?ワイは聖魔剣士。この刀は・・・」 「知っている。聖魔刀だろ?」 鮫島が聖魔刀の事を口にすると、その場が一気に緊張感で張り詰めた。 「ほう〜よう知っとるな。さすが同じ剣客や」 「あの紅と言う少年に聞いた。自分たちの下のランクには羅刹と言う男がいて、その男が聖魔刀を操るとな。 つまりお前は魔界のNo,4だな」 「余計な説明は要らんようやな。気になるんやったら試してやってもええで。ワイの聖魔刀の切れ味をな」 「俺が依頼主以外の仕事を受け入れるとしたら、それは自分と互角か、あるいはそれ以上の人間から頼まれたときのみ。 お前の実力も知らないまま、はい、そうですか。と、引き受けるわけにはいかん」 「それはつまり、ワイと戦ってから決める・・・・そういう事やな?」 「そうだ」 「聖よ、本気か?聖魔刀は天叢雲剣とは別の魔力を秘めた魔剣だぞ。それにあの羅刹とか言う男 聖魔刀以外にも何か得体の知れないものを感じる」 「本気だ。紅とも最初はそうだった。これは刀を持つ者同士の宿命」 「ええやろう。相手になったるさかい」 「ちょっと待ちな!!」 羅刹と鮫島が一歩前に出たとき、羅刹の後ろからパイフーが飛び出した。 「なんや?」 「引っ込めパイフー。貴様に用は無い」 「用は無いだとっ!ふざけるなよ。てめぇ、さっきから聞いてりゃずいぶん偉そうじゃねぇか!!」 「フン!それを言うだけの事はしているんでな。貴様と違って」 「ここは魔界だ。魔界にはルールがある。どういう経緯でこいつが魔界のNo,4になったか知らねぇが、その下のNo,5は俺と鬼武なんだぜ。だったらまず俺と勝負するのが筋ってもんだろ」 「ずいぶん奇想天外な発想やな」 「こいつとは昔ガチの殺し合いをやってる。勝敗は痛み分けだったが、いずれケリを着けなきゃならねぇ。 下のランクから戦っていくのが順当ってもんだろ」 「なんだか大変な事になってきましたねぇ〜」 「私には理解できないわ」 等々力と由佳がぼやいた。 「おい、パイフー。何も今やらなくなって」 続いて鬼武が言った。 「いや、こういう機会でもなきゃカチ合わないだろうからな」 「つまり俺とケリを着けようと、そう言う事か」 鮫島が言った。 「そういうこった」 「なんや予定外の方向に行ってもうたな。まあええわい。せやけど殺し合いはあかんで。 この後二人の力が必要なんや。地面に倒れた方の負け、それでええな?」 「おうよ!」 「よかろう」 パイフーと鮫島が向き合った。 予想外の展開に予想外の死闘。その結末やいかに・・・。 END |