Vol.28 海外撮影行

〜ジテはやってきた〜

撫順炭鉱専用線

 

 

 

 あまりにも有名ではあるが、ジテは元満鉄の電気式ディーゼル列車。1935年の日本車両製で6編成が製作されたという。現在は3編成が残るのみで、この日はすべてが運用についていた。この幸運を生かし切れない男が一人。この私である。

 

 

 とにかく気持ちと裏腹に撮影は空回り、前もって構えれば中国製の編成。姿を見て慌ててポイントに駆け出せば、慣れない防寒ブーツに足を取られ、もんどり打って何度も地面に倒れ込んだ。砂で真っ白になったEOSを見て、「珍しい・・・、ホワイトボディーのEOSだ。」何て馬鹿なことを考えていた。寒さのせいか行動もおかしい。普段であれば何ともないカットというのに、パンタが切れてしまったりする。イライラが募りはじめる。ふがいない自分が腹立たしい。

 

 

 2005年で70歳。何十年も前に失ったはずの自分の大切な風景が帰ってきた。「一体時間とはなんなのだろう?」そう考えさせられる旅。そんな大切な時間というのに、自分は何一つ写真をものにすることが出来なかった。「もう一度行きたい。」でもその時、ジテが確実に動いている保証はない。

 

 


 補足

 流線形の車両をまとめて「ジテ」と総称しておりましたが、現存3編成中(101・102.107)、107については日本車両製の車体を模した中国製であることを指摘していただきました。このため正確にはジテは2編成のみということになります。

 


 

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