アメリカ大統領の嘘 (講談社現代新書)



アメリカ大統領の嘘 (講談社現代新書)
アメリカ大統領の嘘 (講談社現代新書)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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下手なミステリーより面白い

読書嫌いで演説も討論も下手。外交知識と常識の欠落に加えて母国語の危うさetc…数々の醜態をさらしながら、
何故ブッシュは8年も大統領職に耐える(堪える、ではない。念のため)ことができたのか?
その答えは「チーム・ブッシュ」の存在にあった。
本書のテーマは“大統領の嘘”。
でも、単なる暴露本と違い、著者の文筆力には品があるので不快な気分にはならない。
最も、こうした“嘘”に世界が翻弄されてきた事実には不快感が残るけど。
歴代大統領の犯した緻密な、時にお粗末な“嘘”を検証しながら、ブッシュ政権の実像が暴かれてゆく。
はたして、ブッシュのついた“嘘”とは?
歴史は嘘で作られ流転する

メディア戦略と嘘と戦争と選挙についての実例集。
最強政権としてのブッッシュチーム。
情報操作の数々。
歴代大統領の凄まじき嘘の数々。
世界の現実の厳しさを実感させられる快作です。

嘘で固めたベトナム戦争が、米国の大敗北に終わり。
戦争の勝利者のベトナムが、共産主義の経済敗者となり。
資本主義の大勝利者の米国が、宗教戦争の敗者となる。

見えざる神の悪戯は、人類の小細工を超越すると言う事だろうか。
今秋の大統領選前には一度目をとおしておきたい一冊

 著者はワシントンポストの極東記者やニューズウィーク日本版副編集長などを経験し、現在は学習院女子大学教授を務める人物。決して高みから読者を見おろさない平易な文章には好感が持てます。

 本書はもちろんブッシュ大統領の発言がいかに嘘と偽りに満ちたものであるかを中心に綴られていますが、それが嘘でありながら何ゆえ世論を引っ張る力を有し続けるのか、そのからくりについてもつまびらかにしています。記者会見などのタイミングをはじめとしてブッシュ政権の情報操作の巧みさを読むと、決してあなどれない強大な政権であるということがよく分かります。

 同時に、第二次世界大戦期からの歴代大統領(FDR〜クリントン)がまたいかに国民を欺き、国際的な紛争に介入していったのかについても細かく記しています。ベトナム戦争におけるジョンソン政権の嘘が、米国民のみならず他国民にまで多大な犠牲を強いた史実を読むと、なんともやるせない気分になります。

 さらに暗澹たる気分にさせるのは、時にメディアも嘘に荷担することが稀ではなかったこと、さらにはメディアがいかに報じようと有権者が大統領の詭弁や強弁にたやすく呑み込まれる場合が珍しくないという点です。

 話題の映画「華氏911」の中でも、戦地で息子を失ったアメリカ人の母親に対して、「アルカイダが悪いのよ」と「ブッシュ政権の模範解答」で無邪気に言葉をかける女性が登場します。しかしこの母親は息子が大義のない戦争で死なねばならなかったこと、そしてそんな戦争を始めてしまったブッシュに対して怒りを感じているのです。そのことを全く理解せず、ブッシュに呑み込まれた女性を前にして、「こんな無知な人がまだいるんだわ」とやりきれない涙を流すのです。

 嘘というのは、それをつく者ばかりでなく、わけもないほど簡単にそれを信じる者の存在もあってこそ成立するのだということを、溜息とともに感じるばかりです。
歴代米政権とブッシュの恐ろしい体質

ブッシュ現政権にいたるまで、ルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、レーガン、ブッシュ父…と、歴代の米大統領がいかにでたらめを言いながら戦争を起こし、同時に大統領選挙に勝ってきたかを詳しく取材、分析した良書。

といっても決してお堅い本ではなく、随所に興味深いエピソードが出てくるので読み物としても楽しめる。米国メディアの記者から研究者に転じたという著者の経歴が生きていると思う。

原爆の被害にとぼけてみせたトルーマン、米国の若者をベトナムに送らないと公約して、選挙に勝つや否やトンキン湾事件を起こしてベトナム北爆をはじめたジョンソン、自分を批判した記者を陰湿に脅迫したニクソンなど、呆れるしかない彼らの言動の例には事欠かないが、何と言ってもすさまじいのは現ブッシュ政権の「嘘つき体質」だ。

一般にブッシュは頭が悪いと思われているが、実はブッシュ政権自体は史上最も強力で、目的(イラク戦争や石油利権の確保、大統領選挙での再選など)の達成に向けた団結力、行動力は抜群である。なかでも、なりふりかまわぬ嘘を含めた世論操作の凄さには驚かざるを得ない。同時に、父親のスキャンダルをこっそりと永遠に闇に葬るような行動などは読んでいて恐ろしくなる。ブッシュは本当はバカのふりをしているだけなのではないか? という気さえしてくる。



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