いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周



いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周
いつかモイカ河の橋の上で―会社を休んで59日間地球一周

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出会いと別れの旅物語

鉄道を使ってユーラシア大陸を横断した男の物語。
中国、モンゴル、ロシア、東欧、西欧、海を渡ってアメリカに
その旅は及ぶ。…そう書くと単なる写真付き紀行文のように
聞こえるかもしれない。…しかしどうも読んでいると趣が違うのだ。

ページを開くと右に美しい写真、左に旅の小エピソードが描かれる。
面白いのは写真に「人物画」多い事だ。
おそらく僕が旅をしたらもっと風景写真が多くなるだろう。
しかし作者中野氏の写真は人物写真が中心だ。色々な表情の
旅で出会った人達がそこにいるが、とりわけ笑顔が多い。
小エピソードも出会いと別れのエピソードが多い。

そう、この「いつかモイカ河の橋の上で」は単なる紀行文ではない。
『出会いと別れ』を繰り返しながら、多くの人と触れ合いながら
ユーラシア大陸を行く男の旅物語なのだ。

作者の筆致も、だから細大漏らさず…という形式は採らない。
小エピソードもストップ・モーションのように出会いと
別れの一瞬を捉えている。写真がある一瞬を切り取るのと同様に
エピソードも出会いと別れの一瞬を書き切っている。

満腹感が足りないと評する人もいるだろうが、
僕は『出会いと別れ』に絞って、まるでシャッターを
切るかのように瞬間瞬間を描ききった作者の筆致にある一種の
清涼感を覚えるのだ。

もっとたくさんの人に読まれて良い作品だと思う。
本を閉じた時、旅に出ようと思うか、日常を強く生きようと
思うか、それは人それぞれだろうが、何らかの感触をきっと
感じるに違いない。その力をこの作品は持っている。


サラリーマンにとっては夢

世界一周といっても飛行機あり船あり、自転車ありまた鉄道あり、バスまたしかり。
この本は、仕事をいったん休んで59日間で鉄道を使って世界一周を行ったサラリーマンには夢のような話です。
構成は、見開きで左ページがカラー写真、右ページが紀行文と区切られて93題目に分かれています。
いつでも読み始めて適当なところで読み終えれますがまあ全部いっきに読むのにもそう時間はかからないでしょう。
著者は、18年前にシベリア横断鉄道に乗った経験もあり、各行き先である程度の計画性は持って出かけています。
(いくつかの場所で 合いたい人に出会う計画は立てている。)

深夜特急(沢木耕太郎)のようないろんな発見や出逢いとはまた違った感じですが、
実際鉄道で世界一周を行ったらまあこんな感じなんだろうなと思いました。
ひとつの場所で2?3日が最長の感じでしたからいろんな人との出逢いはあるにしろ深く話をするまでにはいたらないだろうな。

中国やロシア、東ヨーロッパの生活は本の中から現代の様子を垣間見ることができました。

ちなみにこの旅行 大体100万円くらいかかかったそうです。
確かに毎日毎日何のために働いているか疑問をもったら100万円でこういう夢が買えるのはきっと安いんだろうな。

カラー写真をたくさん使用している点からか定価が高いのはちょっと気にはなりました。



第三書館




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