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2002/03/08 F誌

『ゼノサーガ・エピソード I 』プロデューサー 『ゼノサーガ』プロデューサー杉浦博英氏に、
ご存じ浜村通信がインタビュー。
本作の世界観やシステム、気になる続編について、
かなり熱く語ってもらいました。
杉浦博英独占インタビュー

あくなきこだわり

浜村通信(以下、浜村) 映像がとにかく凝ってるなぁ、というのが第一印象でした。
とにかく、ものすごいマンパワーと手間がかかったんじゃなかなぁという。

杉浦博英(以下、杉浦) これでも妥協している部分がものすごく多くて。
本当言うと『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)クラスのムービーを全編に散りばめる方向でいきたかったんですよ。
それがコスト的に無理とわかった時点で、監督の高橋が3Dにこだわりまして。
リアルタイムにレンダリングしたプログラムの方向にシフトしました。

浜村 あ、でも、すごく味わいを感じましたね。とくに、ムービーの長さにはこだわりを感じた。
ふつうのRPGだと、演出シーンがポンポンと入るだけなんですが、まさしく映画を観てるという感じで。

杉浦 高橋自身としては、自分が考えたストーリーを高次元な映像で再現したい。
そこに尽きるんですよ。
今回たまたまゲームという手法を採用したため、膨大な映像ムービーを合間に挟む形になったわけです。

浜村 なるほど。映像へのこだわりは、確かに観ていてすごく感じましたね。
これまでのRPGとは少し異質、
というか、表現方法としてこれまでのゲームでやらなかったことにすごく挑戦してますよね。

杉浦 そうですね。

浜村 それに、システムにもこだわってますよね。
ふつうの成長方法だけでなく、エーテルがあってスキルがあって。
人によって、まったく違う進めかたになったり。

杉浦 ええ。ただ、ちょっと過ぎちゃったかなぁとも思ったんですが(笑)。
そのあたりは逆にどう感じられました?

浜村 いや、おもしろいんじゃないですか?
人に「いや、オレはそこでこうやったよ」と語り合えるゲームっていいゲームだと思ってるんですが。
これもそういういい要素をもっいると思いました。

杉浦 とにかく、できる限りの可能性を追求してシステムを作り始めてしまったんです。
余計な部分をなんとか削り落とすつもりだったんですが、
出来上がりを見ると「削るものがないね」という感じでしたね(笑)。

“エピソード I ”、そして……

浜村 世界観の設定にも深いものがありますよね。
レアリエンとかの用語も出てきますが、途中まで進めないとわからない。

杉浦 ゲームをクリアーしても明かされない謎もありますけど(笑)。
今作は、いわば『スター・ウォーズエピソード I 』なのですが、
高橋のプロットを読んだとき、最初に感じたのは、
むしろ歌劇、それも『ニーベルングの指輪』の第一幕』、ひょっとしたらその前奏曲かもしれない、と。
だから、第1話として世界観だけでなく、相関図的なものを紹介する意味合いも込めました。

浜村 いま“エピソード I ”という言葉が出ましたが、その“ I ”の意味するところって何ですか?
杉浦 高橋の作っている世界の全貌は、彼の中でもう決まっているんですよ。
今回の時間と環境の中ではとうてい終わらない。
そこであえて“エピソード I ”という形を取らざるを得なかったわkですね。

浜村 そうなると、このあとは当然“エピソード II ”や“ III ”に続く?
杉浦 そうですね。ただファンのみなさんが“エピソード II ”を望んでくださるか……。
応援していただければ出せるんですけどね。

浜村 ほかにどういう活躍をしていくのかも気になるところですが。
杉浦 “エピソード II ”はもちろんですが、新しいチャレンジもしたいと思っています。
理想的には、今回作ったものを捨てて一から構築したい。
本作は『FFX』が目標にあったんですが、“迫った”ものの“並べなかった”という思いがありますから、
次回こそはぜひ“並ぶ”ような作品に仕上げたい。
それと『ゼノサーガ』の世界観を補完するような作品。
形態はアドベンチャーかRPGかはわかりませんが、何かしら出したいですね。

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2002/03/01 TPS誌

長い開発期間を経て、期待の超大作RPG「ゼノサーガ」が、2月28日についに発売日を迎えた。
今、ザ・プレのこの記事を読んでいる読者も、すでに「ゼノサーガ」をプレイしている人は多いのではないだろうか。
今回は無事の発売を記念し、本作のプロデューサーである杉浦氏に登場していただき、
現在の心境から開発秘話、 さらにシリーズの、そしてモノリスソフトの今後の展望などに迫ってみた。


終わったという実感は薄い。発売される今からが僕の出番

――開発を終えて、社長としてプロデューサーとして、また、イチ個人として現在の率直な感想は?
杉浦 発売日が来るまでは、開発が終わったといえども、終わりが来たとはいえないですからね。
ちゃんと見届けてから結論を自分なりに出したいので、今の心境といったら「まだ心配」です。

――このインタビューは、発売翌日の号に掲載されます。
杉浦 発売翌日では、さすがにまだ結論は出てませんよね。
前人気からいけば不合格ではないですけれど、心配なところはありますよ。
個人としての心境は、ラストスパートのエンジンのかかり具合が今まで経験してきたものとは違って、
なだらかに作業が終わったものですから、「終わったぞー!」という感じがあんまりないんです。
最後はもう待っているだけ、という状況でしたから。

――開発期間は長かったと思いいますが、スタッフの皆さんにはどんな言葉をかけたいですか?
杉浦 そうですね、月並みですけど「お疲れさまでした」と。
ゆっくり休んでもらって、次もまた一緒にがんばりましょうと。

――杉浦さんはお休みになりますか?
杉浦 僕の休みは多分ないんですよ。
次のプロジェクトが3月から始まりますので、そちらの準備もありますから。
さっきも言いましたけど、発馬日を迎えてから始まる仕事もありますしね。
次の企画ですとか、スタッフの日々の問題を解決するとか。
休んでいるヒマはないです。

折り合いをつけながら夢を1つにすることができた

――このゲームから、ユーザーにどんなことを感じ取ってほしいですか?
杉浦 難しい質問ですね。
イベントシーンは長いんですけど、シーン1つとっても、かなり時間かけて作ってますから、
そのへんもコストパフォーマンスを感じながらプレイしていただけると、 よりお得感を感じてもらえるかなと思います。
今までのどのゲームでもやっていないようなことに、かなりチャレンジしてます。
そこを探していただけるようなプレイをしてもらえるとうれしいです。

――今回の制作にあたり、最も困難だったこと、また楽しかったことは?
杉浦 クオリティとコストのバランスですね。
もっと具体的に言えば、監督である高橋の実現したいクオリティに対して、
僕が用意してあげられる時間とお金との折り合いをつけていくのが、一番難しいところでした。
ほかのゲームや映画業界もそうなんでしょうけど、プロデューサーと監督の関係がうまくいかなくなったりして、
「もう二度と一緒にやりたくない」ということはよくあります。
今回は高橋との折り合いをつけながら、夢を1つにすることができたっていうのが良かったと思います。
楽しかったことも、そこに尽きますよね。
結果として完成したものが、彼にも僕にとっても及第点を付けられるような状況になったのは、良かった。
楽しかったということとは違うかもしれませんけど。
楽しかったこと・・・・・・あまりないです(笑)。
でも好きな人の好きな作品をプロデュースできるっていうのは、
そうそうできることではないので、それ自体が楽しいですね。

――このゲームの中で個人的に好きなシーンやキャラクターはなんですか?
杉浦 好きなシーンは、やはりラスト、エンディングシーンに尽きます。
これは光田さんの音楽もすばらしくて、久々にエンディングで鳥肌が立つ感覚をゲームで覚えました。
皆さんにもぜひ最後までやっていただきたいです。
キャラクターは、どのキャラクターもそれぞれに個性というか、
好きになれる要素は持っていると思いますけれども、個人的にはジギーあたりですかね。
ジギーのお話は今回はほんのさわりしかかいま見ることができないですが、
今後のシリーズに彼の背景なども反映されてきます。これは全部のキャラクターに言えますが。

安心して遊んでもらえる ブランド作りをしていきたい

――「ゼノサーガ」シリーズの次回作、そしてモノリスソフトさんの、そのほかの展開への意欲などをお願いします。
杉浦 「ゼノサーガ」の続編については、気長に待っていていただければ、
今回の反響も次回作に大きく影響してくるので、なるべくたくさんの方に遊んでいただきたいです。
いい評価だけをいただきたいということではなくて、
次回作の制作環境や、方向性にも 多くの人のの意見を取り入れたいと思うので、
正直な屈託のないご意見をどんどんいただきたい。
会社にメールをいただいても構いませんし、いろんなインターネットの掲示板に書いていただくのも構いません。
何かしら皆さんの声を聞かせてほしいですね。
そのほかの展開については、とりあえず第1作はPS2でやりましたけど、
PS2以外のプラットホームにもチャレンジしてみたいと思います。
それから「ゼノサーガ&高橋監督」ブランド以外のタイトルも充実させて、
「モノリスのゲームだからおもしろい」「モノリスのゲームだから安心して買える」
と言ってもらえるようなブランド作りをしていきたいと思います。
あとは、いろいろな枠にとらわれないこともやってみたいです。
たとえばコラボレーションとか。
カプコンさんは「ガンダムDX」や「ゼルダ」を作られていますが、
ああいうものは、メーカーさんよりも僕らのような開発会社の立場のほうが、やりやすい。
極端な話「我々に『ドラゴンクエスト』作らせてください、エニックスさん!」とかね(笑)。
そういった動きがあってもおもしろいのかなあと。 そちらの方向も模索していきたいですね。

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