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主人にも子供時代があったのは確かだが、なかなかたいした人物であったらしい。どれくらい大人物だったのか−−−以下、2つのエピソードを紹介しよう。
あれは、小学校の授業参観での出来事だった。主人がまだ純真だった、小学校低学年の頃である(我が輩の生まれる遥か以前のことだ)。国語の授業で、黒板には2つの言葉『白い』『まっ白い』が書かれていた。
先生が問い掛ける「この2つの違いは何ですか?」。先生に指名されたのは、真っ先に手を挙げた主人だった。このとき、母親は期待に鼻を、いや胸を膨らませていたという。ところが・・・
「"まっ"の文字が付いてます」
もちろん、ウケ狙いの回答ではない、本人大真面目だ。だから「"まっ"のちっちゃい"っ"は、どう言ったらいいんだろう」なんてところまで、悩んでいたのも事実だ。この回答の後に湧き上がった笑いに、彼のプライドが傷付けられたのは言うまでもない。
以来、この話しは彼の母親のネタとして、20年近く使われて続けている。(現在進行形)
次の話しも、主人が小学生の頃のものだ。当時、女の子に間違えられそうな髪の毛をしていた彼。そんな主人が風呂場で髪を洗おうとしているときのこと、不意にシャンプーのコマーシャルの最後の文句を思い出した−−−「リンスと合わせて使えば効果的です」。
まだリンスというものがそれほどポピュラーでなかった頃だったのか、少なくとも主人にはこの意味が分からなかったはずだ。もとより、リンスの効果さえ知らなかっただろう。しかし、そのCMの「合わせて使えば効果的」という言葉に猛烈に興味を持ってしまった。なんかスゴいことが起きるかもしれない−−−こう考えてしまったらリンスの入れ物に手を出さないガキンチョ子供はいない。
だが、彼はリンスが何たるかを知らなかった、ましてや使い方も知らなかった。唯一のキーワードは「合わせて」という言葉のみ。そう、彼は手のひらでシャンプーとリンスを混ぜ合わせ、それを髪に付けて洗い出したのだった。
風呂から出た主人だが、直ぐに母親に連れられて戻ってきた。なんでも、髪の毛にニオイが残っていたので、シャンプーが流しきれていないと思われたらしい。ところが洗っても洗っても、そのニオイが消えることはない、そうリンスなんだから。不思議がる母親に息子は遂に本当のことを言えずにいたという。
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