かの有名なファイティングファンタジーシリーズの中では、自由度の高い冒険の可能な「サソリ沼の迷路」が文句無しのお勧めです。スタート時に善悪中立の魔法使いの中から一人を選んで依頼を受け、それによって目標が変わるようになっています。理不尽なデッド・エンドがほとんど無いというのもポイントが高いですね。
海賊船の船長になって掠奪を繰り返す「海賊船バンシー号」もなかなか面白いと思います。ただ、「ある島に到達するまでに略奪した財宝の量をライヴァルと競う」という設定のため、目的地に到達しても結局金貨が足りなくて負け、などという不満の溜まるバッドエンドを迎えることがままあります。とはいえ、自分が海賊船の船長であるという異色な設定は非常に魅力的ですし、トータルでは良いゲームブックだと言えると思います。
しかし、ファイティングファンタジーの後期の作家の作品は、(何の情報も無しに)右へ進むか左へ進むかと聞いて、右を選んだらクリアできないというようなのがあり、(私は)あまり好きではありません。
テーブルトークRPGの「トンネルズアンドトロールズ」のソロプレイもたくさん出版されました。非常に味わいがあり、面白いシリーズですが、正直いってバランスは無茶苦茶です。
「モンスターの逆襲」は今はなきウォーロック誌に掲載されていた作品がリメイクされたもので、様々なモンスターに変化して復讐を遂げるという非常に良くできた作品です。ウォーロック誌掲載の時には「クロマティックドラゴン」だったのがゲームブック版では「スペクトラルドラゴン」になっていたのは笑えますね。
翻訳物から日本の作家の作品まで、山ほどでています。
秀逸な魔法システムをもつ「ソーサリー(シリーズ)」はお薦めの逸品です。魔法使いを選んで冒険をすると、呪文書を暗記する気分が味わえます。冒険が始まったら二度と呪文書を見ることはできず、戦闘時に間違った呪文を選ぼうものなら、体力を激しく消耗した上に敵の一撃を食らってしまいます。
テーブルトークRPGのドラゴンウォーリアーズの世界を舞台にした独特の雰囲気を持つ作品群(「吸血鬼の洞窟」あたりがバランスが良い)なども出版されています。
日本の作家では「夜の馬」「ドルアーガの塔(シリーズ)」「パンタクル(シリーズ)」「暗黒教団の陰謀」「モンスターの逆襲」「ニフルハイムのユリ」などが特に良くできています。
「ドルアーガの塔」は三冊かけて60階建ての塔(もちろんテレビゲームとはぜんぜん違います)を登って行く非常に歯ごたえのある作品です。「パンタクル2」の魔法システムは私のオンラインゲームブックでも大いに参考にさせて頂きました。「暗黒教団の陰謀」は、なんとあのクトゥルー神話をベースにしたゲームブックで、ダゴンやディープワンと戦うこともできます(絶対勝てませんけど)。
AD&D関係のゲームブックが多く出版されています。「ウェイレスの大魔術師」「奪われた竜の卵」はドラゴンランス戦記のファンにはたまらない作品です。ただ、ゲームブックとしてのみ見た場合には特にすごいというわけではありません。
ほかには、「魔法の王国」シリーズの第一巻「魔力の杖」が面白いでしょう。魔術師のもとで様々な魔法を習っていく過程が楽しめます。
対戦型ゲームブック「レッドドラゴンの逆襲」も名作です。(誤植が多いですけれども。)ただ、これは現在では入手困難なのではないかと思います。
「鷹の探索」はバランスが良く、自由度も高い作品でしたが残念ながら続編は出ませんでした。
ドラゴンウォーリアーズの世界を舞台にした「ブラッド・ソード」シリーズはややシビアなのを除けば良い作品でした。このゲームの盗賊(Trickstar)の弁舌は、盗賊かくあるべしと言うような素晴らしいもので、テーブルトークRPGをやる際にも参考になります。おしむらくは、最終巻までの翻訳がでなかったことでしょうか。
ドラゴンファンタジーシリーズは聞いたことのある人も多いでしょう。どの作品も共通して死ぬとパラグラフ14に飛ばされます。「ピップ」「エクスカリバー・ジュニア」の名は有名になりました。
双葉社のゲームブックで私が強く推すのは、「少年魔術士インディ マジカルインフェルノ」です。ファミコンのゲームブック化ではないので非常にマイナー(失礼)ですが、ストーリーは非常に良く出来ています。ブラックファイアを使って灰になった死者を蘇らせるなんて、D&Dを彷彿とさせますね。
アドベンチャーコンバットゲーム「LOST WORLDS」というのがありまして、ゲームブックに分類するべきかどうか難しいところではありますが、ここに紹介しておきます。
このシリーズの本は非常に変わっていて、それぞれの本が一人(一体)のキャラクターを表現しています。対戦型ゲームになっており、二人のプレイヤーはそれぞれ自分の本=キャラクターを選び、相手のキャラクターと一騎討ちをします。「戦闘だけ」ではあるのですが、非常に細かい戦闘システムをしていて、非常に魅力的なものでした。残念ながら、古本屋などで見たことは一度もありません。