カワバタマンガ夜話その2

 

 

 

 80年代中盤に少女マンガにハマった紳士淑女のみなさまであれば誰でも知っている、「りぼん」に連載されていた、岡田あーみん原作のバカマンガの歴史的傑作。「ちびまる子ちゃん」とほぼ同時期に始まったので影は薄いが、隠れファンは多い方だと思われる。私は従姉妹の家で「うわさの姫子」を隠れて読んだり(まだこの頃は男が少女マンガを読むことは恥ずかしいことだと思っていた)、「パタリロ」にハマって単行本を買い漁ったりなどの段階を経て、妹の購入していた「りぼん」にてこの作品と出会うこととなりました。なお、上の二つの画像は現在では入手困難と思われる「りぼん」の別 冊付録として描かれた長編読み切り。

 最終巻で詳細が紹介されているのだが、開始当時は作者は高校生。見てわかる通 り、先立ついかなる天才バカマンガ家も描線にプロとしての手練れがあったり、簡略化にもバランスの均衡が見て取れるのだが、この人の絵にはそれが全くない。手塚マンガ以降、40年に渡って築き上げられたレイアウト、コマ割のマンガ文法のみを踏襲すれば絵がヘタでもパクリでも面 白いマンガが描けるという、ある意味、極めて本質的なマンガに関する議題を持ち合わせているのである。しかもそれが「コージ苑」や「とってもラッキーマン」などの少年・青年マンガよりも先立って少女マンガで受け入れられていたという事実は驚異である。相原コージもガモウひろしも2、3年のうちには線もレイアウトも整理されていくのに対して、この人は全く成長していかないのも素晴らしい。

 ベタなものからシュールなものまで、そのギャグセンスは広範囲に渡っている。しかもそのどれもがカッコつけがない。よくありがちなシュール四コマのような押しつけもなければ、稲中のような顔で笑わすという甘えもない。逆に言えば「やる気がない」。バラエティのフリートークのようにカラッと「このマンガすごいぜ」みたいな思い入れもなく読める。そこがスゴイところ。

 終了後の人気も高かったのか、後に朝日系列で大地康雄、持田真紀主演でドラマにもなった。「イグアナの娘」とかと同じ時間帯です。この帯の他のドラマと同じく完成度はフジ系の「月曜ドラマランド」なみにエラく低かった。原作には登場しない妹役の有田気恵ちゃんがいい味を出していたようにも思うが、ほとんど印象がない。ぜひアニメでやってほしかったな。

 なお「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ)との共演作なるものが含まれているので、さくらももこファンも単行本でチェックだ! あえて何巻かは申しません。最低2、3冊は買って「お父さんは心配症」にハマって下さい。ケッケッケ。