| 4ヶ月の初年兵教育の最後の仕上げは、「検閲討伐」。ある集落で、中隊長が言いました。「高橋二等兵、肝試しだ」。そばには、押さえつけられた農民。「ハイッ」。銃に剣を着けました。眼を見開いて睨みつける農民。高橋さんは一瞬ぶるっとふるえました。中隊長の前で失敗は許されない。「構え」「突け」の号令。高橋さんは下腹に力を入れ、心臓めがけて銃剣を突き刺しました。手に伝わるぐにゃっという感触。「ヤアッ」。気合いを入れて銃剣を引き抜くと、胸からどっと血が噴き出ました。 食料はすべて現地調達という名の略奪。小麦徴収作戦にも参加しました。農家を一軒一軒回って奪いました。老婆が哀願しました。「それは明日食べる分です。お願いです、子どもの分だけは持っていかないで」。泣き叫ぶ子どもたち。だが、老婆を蹴飛ばし、一粒も残さず取り上げました。 (続く) |
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