元兵士が語る戦争の真実F

点在する部隊から強制的に挑発したモミもおカユにして食べ、もう食うものがない。バナナの木の芯、野いちご、セリ・・・あらゆるものを口に入れた。  叩き付けるような雨。時には腰までつかりながら泥の中を歩く。夜になると天幕を張って雨をよけ、竹の葉を敷いて練る。夜が明けたらまた雨の中を退却する。  飯盒だけを  だんだん衰弱して意識はもうろうとしてくる。ただ夢中だった。落伍したら終わり。行き倒れてそのまま息絶える。栄養失調で体力がないので、マラリアで40度の熱が出るとあっという間。次々と死んでいった。  道のいたるところに白骨、腐乱死体が幾千と続いている。死体が死体を呼ぶのか、重なるように死んでいる。 人の気配がわかったのか、その死体の間から「米1粒でもめぐんでください」と両手を合わせて、か細い声が聞こえてくる。その中を杖をついて飯盒だけは持って、骨と皮の夢遊病者のように歩く兵士もいる。 (続く)