| 靴が破れて裸足になると、死体から軍服を脱がして足に巻いて歩く。死体の多くははだしのまま。そこに大小のハエが群がっている。鼻から入って内蔵に卵を産み付ける。ウジの繁殖力は強くて、死んでから4,5日もするともう死体の眼球にたまっている。はらも開いて中にうようよしている。白骨になるのに20日ぐらい。 濁流にのまれ やっとたどり着いたシッタンの渡河点。「野戦病院があるからと」歩き続けた日本兵が、そこで次々と倒れて死ぬ。着いても薬はおろか食べるものさえないと絶望して、衛生兵が穴を掘って死体を埋めるんだが、衛生兵も体力がないから中途半端で、土の中から足が出てしまっている。 一人離れて手榴弾を胸に抱いて自爆するものもおる。パーン、パーンとその音が時々した。川べりには渡河を待つ日本兵がうようよしている。雨季だから3倍の水。そこでも爆弾が落ちてくる。私どもの部隊はあるだけの軍票を渡して丸木船を雇った。小隊ごとに筏を造って乗ったが、濁流だから巻き込まれて沈没し多くの兵がなくなった。駐屯地ウントウに戻るにはまだはるかな道があった。 (続く) |
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