★どうとらえるか★
性的な逸脱行為の度がすぎると、ややもすると
変態視する傾向があるが、私はそういうふうに
は捉えない。逸脱した行為は是正されうるし、
そのためには、明るく開かれた人間関係と、隠
微な性ではなく、気楽に性を語れる相手が不可
欠である。この二つを親と教師が備えたとき、
性的逸脱は克服しうると考える。
☆とりくみの方針☆
@問題解決には少数限定であたる。
問題の性質上、子ども・親・教師の少数限定で当たることを確認し、情報を
他に漏らさない。
A親に問題解決の見通しと安心感を持たせる。
性的な逸脱行為を親に話すとき、親は他の非行行為よりはるかに深刻に受け
止め、不安がることが多い。事実は隠さず告げなければならないが、同時に
必ず克服できる問題であることを語り、安心してもらうと同時に、気楽に語
れる親子関係づくりに力を注いでもらう。
B子どもと同性の教師が、自己の性を語りながら、子どもの性的な関心や悩みに共感し、子どもを安心させていく。
Cその上で逸脱行為の非を厳しくを諭していく。
D逸脱行為の被対象者をも含んで、明るく前向きな人間関係づくりに力を入れる。被対象者のケアーも極めて大切である。
E性的興奮の起きない環境づくりに努める。
☆ポイント☆
自他共に尊重する立場から、自己の行為を如何に厳しく律する心を育てるか
が最大のポイントである。同時に、性の悩みをも共有できるような人間関係
づくりを目指す。
☆ノート☆
中2の正夫は学級での表情が暗くなってきていたが、やがて以下のようなこ
とが発覚した。近所のクラスメートである紀子の風呂場を再三覗いたり、洗
濯物を何枚も自宅に持ち帰ったりしていたのである。更に自室からはエロ本
も何冊も発見された。親は「そんなに見たければ私の裸を見せてやる!」と
言うほど困惑したが、やがて、正夫が一人ぼっちの時間が多いこと、紀子へ
の恋心が強まっていたこと、学級内で正夫の居場所がないこと、エロ的文化
に囲まれていたことなどがわかってきた。担任と親はこれらのことに協同で
取り組んだ。親の帰宅は早くなり、紀子へのケアーは養護教諭が丁寧にして
くれた。担任は厳しく諭すと共に、正夫の居場所づくりにも力をいれた。
正夫の逸脱行為はその後みられなくなり、次第に明るくなっていった。